目次から検索、子育てがうまくいくヒント

自分では決して買わない高価な服を買ってくれた母

2005.11.13 革ジャンに込められた母の愛 第116号

めっきり寒くなり、平場の木々も紅葉真っ盛り。タンスからコートを取り出してみた。

見覚えのある革ジャン。この革ジャンは特別のものだ。私のもっている服で最も高いものだ。
今から10年ほど前、母が買ってくれた。

◆皮のコートを買ってくれた母の意図

母「おまえ、デパートで冬物が安いらしい。行ってみよう。」
あまり気乗りでなかった私だが、母といっしょにデパートへ出かけた。
※(「おまえ」でなく、本当は私の名前で呼んでいる。)

ある階でブランドものの皮のコートが安く売られていた。安いといっても、安いものでも5万円だ。10万、15万、20万~の値札が並んでいた。

母「おまえ、どれがいい?」
私「いらないよ。こんな高いもの。」
母「いいから気に入ったものを選びなさい。」
私「いいよ、お母さんだってこんな高いもの買ったことないじゃん。」
母「お母さんはいいの、お前には将来があるの! いい服を着て彼女を見つけなきゃだめなの!」
こんな高いコート(研修などにはお金を惜しげもなく使う私であったが、服などのたぐいはもったいないと思えて、余り高いものは買ったことがなかった。)と思いつつ、母の気迫に押されて、グリーンの革ジャンを選んだ。
私「じゃ、これ。」

母は、若いとき編み物の先生をしていた。その後、洋裁をしてたくさんの服を作ってはお客さんに売り、暮らしを支えてきた。
母自身は、高い服など買ったことがなかった。

その母が自分の子には惜しげもなく高いコートを買ってくれた。私の将来を考えて……。

当時、いい年齢だったのにもかかわらず独身だった私を、母はとても心配していた。

この革ジャンを見る度に、その当時のことを思い出す。あったかい母だった。もちろん、今も。

その母も70歳(2021年11月現在は86歳)となった。今も習字の先生をしながら家計を助け、孫の面倒を見、妻を大切にしてくれている。
いつまでも健康で元気でいて欲しいと、心から願っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です