子育ての成功とは ―泉河潤一の子育て成功3条件―
親なら誰しも「子育ての成功」「子育てがうまくいくこと」を望んでいるはずです。
そもそも「子育ての成功」とは、どのようなことなのでしょうか?
・「自分のことが自分できる」
・「親孝行な子に育ち、家業を継いでくれる」
・「一流の大学に合格し、一流の会社に就職して豊かな生活ができる」
・「健康で思いやりのある子に育ち、親元にいてくれることが一番」……
いろいろな考え方があります。
そこで、まず「自分なりの子育ての成功」ーどんな子に育ったら子育ての成功といえるのかーいわば「どんな子に育てたいか」ー子育てのビジョンーを明確にもつ必要があります。
たとえば、わが家のケースですが、夫婦で話し合った結果、次のようになりました。
■子育てのビジョン「どんな子に育てたいか」ーわが家のケースー
1 思いやりのある子(相手の気持ちが分かる)
2 元気で明るい子(健康で前向きに考えられる)
3 あいさつがきちんとできる子
4 しつけの身についた子(靴をそろえる、ありがとう・ごめんなさいを言える)
5 賢い子
6 段取りのできる子(計画する力)
7 自分で自分の身を守れる子
8 他者と協力する力
短くは、「かしこく・つよく・あたたかく」と語呂よく言っています。
泉河潤一の考える子育ての成功1
一つ目は、子どもが「かしこく・つよく・あたたかく」育つことです
狭い意味での「子育ての成功」とは、この一つ目の子育ての成功、「こんな子に育てたいという子育てのビジョンが叶う」ことですね。わが家の場合でいえば、わが子が「かしこく・つよく・あたたかく」育った状態です。
しかし、私はこれだけでは「子育ての成功とはいえない」と考えています。子育ての成功の半分でしかなく、大切なことがあと二つあると。あとの二つとはなんでしょうか。
泉河潤一の考える子育ての成功2
二つ目は、子育てを思いきり楽しむことです。
親として子育ての醍醐味を思いきり味わうということです。言いかえれば、子どもが自立するまでー就職して結婚するまでーのいわゆる子育て期間中、子どもと心地よく楽しく過ごせることです。
二度とない子育て期間を、親として思いきり楽しみたいところです。その期間、子どもと冷戦状態が度々生じたり子育てに疲弊したりすることなく(もちろん、多少のけんかや苦労はあるのは当然ですが)、基本的には楽しい心地よい子育て期間を過ごすことです。
子育ては賞味期間限定、やがて子どもは自立し巣立っていく 存在です
おんぶや添い寝ができる時期 いっしょに入浴しながら楽しく会話できる時期親の読み聞かせを喜んで聞いてくれる時期「お母さん(お父さん)いっしょに遊ぼう。」と子どもから遊びをせがまれる時期親が誘って喜んでついてきてくれる時期 親子で手をつないで、あるいは肩車してお祭りへ行ける時期 習い事の発表会や部活動の大会の応援ができる時期…うるさいぐらいに、「ねえ、遊んで!」とせがんでくるのは、いつまでも続くわけではないのです。このような「子育てゴールデンタイム」といえる期間は、子どもが十歳前後ぐらいまでなのです。
これまで仕事一辺倒でも、対応を変えればいいのです。あまり認めたくないかもしれませんが、仕事にはいくらも代わりがいます。しかし、その子の父親・母親はあなたしかいないのです。
子どもとの宝物の時間を共有することで、ぜひともその「子育てゴールデンタイム」を思い切り楽しんでください。
泉河潤一の考える子育ての成功3
三つ目は、子どもといい関係ー信頼関係ーが築けていることです
どうして子育てゴールデンタイムといえるような、子どもの方から親とのかかわりを積極的に求める時期があるのでしょうか。
私は、親子で「宝物の時間」といえるような、ステキな時間を共有することで、生涯にわたる親子の絆ー信頼関係のベースーをつくるためだと思うのです。つまり、そのために神様があたえてくれた時間だと。
そして、この信頼関係ーわが子とのいい関係ーが築けていることこそ、三つ目の子育ての成功だと考えています。
わが子とのいい関係ー信頼関係ーが築けている状態とは何かといいますと、一言で言えば、「わが子のことをこのうえなく大切に思っている」という親の思いが、わが子に伝わっている状態です。そして、それに子どもが応えようとしている状態と言えると思います。言いかえれば、子どもが「親は私のことを愛してくれている」と信じている状態であり、ラポールができている状態です。
信頼関係が築けていれば、子どもはだいたい言うことを聞いてくれます。多少無理難題を言っても、まあ「お母さん(お父さん)が言うんだから」と受け入れてくれます。
逆に、信頼関係が築けていないと、素直にいうことを聞かないばかりか、少しの言葉じりをとらえて反発・反抗したりします。善意で行った言葉すら逆に取ったりして、少しも落ち着けません。子どもからバカにされたり、軽んじられたりすることすらあります。親子とも家庭がやすらぎの場でなくなります。
こうしてみると、わが子と「いい関係」すなわち「信頼関係」が築けていることが、「子育ての成功」といえるでしょう。
それには、親自身、手をかけ言葉をかけ愛情をかけてかかわっていくことが第一です。子育てゴールデンタイムのうちに、たくさんの「宝物のような思い出」をつくり、生涯にわたる親子の信頼関係のベースー絆ーをつくることです。親に愛されていることが実感としてわかれば、子どもは素直に親の言うことを聞くようになります。もちろん、その方が家庭での居心地は、親も子も格段によくなります。
子どもは、生涯のパートナーです。そのわが子といい関係を築けていることが、三つ目の子育ての成功だと考えます。
子育ての成功1:子どもがよい子に育つこと
子育ての成功2:子育てを心ゆくまで楽しむこと
子育ての成功3:ソウルメイトであるわが子と生涯にわたる信頼関係のベースを築くこと
「この3つがそろってはじめて子育ての成功といえる」と確信しています。
子育ては「プロセス」です。その「プロセス」に親自らが参加しなければ、子どもといい関係を築くことも、子どもとの楽しい思い出をつくることもかないません。親が望んだ「よい子」に育てることー一つ目の子育ての成功ーもむずかしいでしょう。自ら積極的に子育てに参加すると決意した親のみが、子育てに成功できるのです。