ルールを、親子で話し合って決める
それはルールを守らせるうえでも大切なポイントです。
そして、決めたルールを守らせるには、断固とした強さが必要です。
こんな子に育ってほしいという、わが子にかける願いから、その強さは生まれるのです。
★たまごっち考 2006.1.13 145号
アキコ(小1)「死に神が出た! でも、だいじょうぶだよ。先祖供養してたから。」
私「うん?!」
妻「ご先祖様が死に神をやっつけてくれるのよ。」
クニコ(3歳)「ご先祖様にお参りしておくといいんだよ。」
私「えらく教育的なたまごっちだな。」
実は、昨年11月23日、二人の娘にたまごっちを買ってあげたのだ。約束通りに・・。
約束というのは、子ども達は夏休み中にある課題にチャレンジしたのだが、「マスターした後も、100日は毎日復習させることが肝要」という記述があって、それができたらたまごっちを買ってあげるという約束だ。
子ども達は(復習につき合った私も)がんばり通した。たまごっちというほうびも約束されていたので…。
実は、このたまごっち、去年の夏休み前からアキコに「ねえ、買って! Aちゃんも、Bちゃんも持ってるんだよ。ねえ、買って。」と言われ続けてきたものである。
◆1 たまごっちを買い与えた理由
さて、どうしてたまごっちを買ってあげることにしたのか。
100日間の復習を成功させたかったから? それは違う。ごほうびをあげるにしても、別にたまごっちである必要はない。
アキコが「ほしい、ほしい。」と言い続けてうるさいから。それも一部にはあるが、適切な玩具ではないと判断すれば、そんなことには負けない。親が子どもによりよい教育環境(玩具は一つの教育環境であるから)を整えるのは、親の責任だ。
多くの子がもっているから? この視点も持ってはいる。わが子ばかりがモノがなくて寂しい思いをさせたくないという気持ちもあるからだ。もっとも、6%を超えると「みんな持っているから。」という言い方が成り立つそうだから、本当にそうか確かめる必要はある。もちろん、多くの子が持っているからといっても、教育上よくないものなら、私は絶対買ってあげない。
どうしてたまごっちを買ってあげることにしたのか。
第一の理由は、親のコントロール下にあるうちに、免疫をつけておきたいと思ったからだ。つまり、それに過度にはまりすぎることがないようにしたい。言い換えれば、家族とのふれあいや学習など、日常生活に支障をきたすことなく、適度に楽しめるようにすることがねらいである。
第二の理由は、バランス感覚である。仲よしの友達が持っていれば、ほしいと思うのは当然だ。ある程度の流行に乗るのも、教育には必要だと思うからである。
第三の理由は、アキコがほしがっているからである。
◆2 たまごっちで遊ぶ際のルールを決める
さて、何事も出だしが肝心! 購入する当たって、たまごっちで遊ぶ際のルールを決めた。
もともと買ってあげるねらいが、「家族とのふれあいや学習など、日常生活に支障をきたすことなく、適度に楽しめるようにすること」であるから当然だ。
私が出した条件は、
①1週間に3回は、たまごっちお休みの時間にすること。
②できる日も夜8時以降は、しないこと。(8時まで)
の二つである。
アキコとクニコ、妻やあーちゃんも含めた話し合いで、次のように決まった。
①土・日・水の3日間は、たまごっちお休みの日。ただし、えさなど最小限の世話はしてもよい。場所は、台所の定位置から動かさない。
②できる日も夜8時以降は、しないこと。(8時まで)
③買ってあげたその週だけは、買ったばかりでいろいろしたいので、8時までならずっとしてよいこと。
(あーちゃんの意見より)
◆3 買ってあげて2ヶ月間の様子
さて、買ってあげて約2カ月。
「ピッピッ。」と呼び出し音。
アキコは、ささっとたまごっちを操作(世話)する。
「結婚した!」
「子どもができた!」
「○○になった!」
「死に神が出た!」
「クニコの死んじゃった!」・・こんな言葉が飛び交うことがある。
仲良しの友達と通信したり、クニコと操作したりしながら、たまごっちを楽しんでいるようだ。
夕食の親子と語らい時や父と子塾などの最中にも、「ピッピッ。」と操作(世話)を迫ることがよくあり、少しばかり閉口している。できることなら、土・日は完全に眠らせたいのだが・・。
しかし、当初の「家族とのふれあいや学習など、日常生活に支障をきたすことなく、適度に楽しめるようにすること」というねらいの範囲に収まっていると感じている。
これもはじめにルールをきちんと決めておいたからである。そして、しっかり守られるように、ルールが定着するまでくどいくらいに言ってきたからである。家庭内のルールも法律と同じで、作っただけでは機能しない。ルールが守られるように、とりわけはじめのうちはしっかりすることが必要だ。
はじめのうちこそ、土日もしたいというふうだったが、「それはだめだったろ。」ということで、アキコはあきらめた。
◆4 子どもを叱るには、子どもへの願いと貫く信念がいる
ただ、一度だけルールからはずれそうになったことがある。
1月1日のこと、本家への年始に行くときだった。
アキコは、本家へ持って行くと言って聞かなかった。
私「日曜日だから。持っていってはダメ!」
アキコ「いやだ!」
私「日曜日は、台所に置くことになっているんだからダメ!」
アキコ「いやだ!」
私「ルールを守れないようなら、今度からおもちゃは買ってやれない。」
アキコ「いやだ! 持っていく。」
私「本家に行って話している最中に、ピッピッと鳴ってたまごっちをしている姿なんか見たくない! どうしてもたまごっちをやりたいなら、アキコは家に残って一人でしていなさい!」
アキコ「わかったよ。置いていくよ。」
私は、本気である。どうしても持っていくというなら、アキコは家に残していった。
なぜこんなにこだわるのか?
2年ほど前のことである。ある家庭を訪問し、母親と話していたときのことだ。
私は母親と話しているのだが、その子どもはその間中ずっとゲームボーイをしていたのだ。私と母親の目の前で。
しかも、母親は注意するのだが、子どもは全然聞こうとしない。馬の耳に念仏状態で、ずっとゲームボーイをしていた。
私が「親のコントロール下にあるうちに、免疫をつけておきたい」と書いたのは、このことである。
年始で話すときは話すことに集中する、親子で会話するときは会話に集中する、学習するときは学習に集中する。もちろん、たまごっちで楽しむこともできるし、その会話にも入れる。だからといって、たまごっち(ゲームボーイでもよい)など、やれなくともどうということはない。そんなアキコ・クニコでいてほしかったのである。
こちらの状況に関係なく「ピッピッ。」と鳴るのには少し閉口するが(できるなら土日は完全に眠らせたい! 何かよい方法ないかな?)、適度に楽しむ状況がほぼ実現できているようである。
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