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「ママがそばにいる幸せ」──専業主婦を選んだ理由

《読み始める前に》

小さな子どもにとって「ママ」は絶対的な存在。
朝、目が覚めたときに隣にママがいないと泣き出すのは、自然な姿です。
今回は「ママがいい!」の一点張りだった次女クニコの、ほんの小さな、でも確かな成長の記録です。
後段は、専業主婦を選んだ理由です。


パパの子育て奮戦記:第35号
長女アキコ(6歳)、次女クニコ(3歳)、ママ、パパ(私)、祖母(69歳)


「ママがいい」の一点張りだった日々

次女クニコは、この6月に3歳になりました。
5月頃までは、朝目を覚ましてママが隣にいないと気づくと大泣きしていました。
私が代わりに抱っこしてもダメで、ひたすら「ママがいい!」の一点張り。

そこで私は、抱っこしながら「かわいい子が生まれた。かわいい子が生まれた。世界で1番かわいい子が生まれちゃったね」と声をかけつつ、1階の台所にいるママのもとへ運んでいくのが日課でした。つい最近まで……。(今でもまだ)

長女アキコの2歳のときの忘れられない光景

思い出すのは、約5年前、長女アキコが2歳のときのこと。2階の和室で家族3人で寝ていました。 和室で寝かしつけた後、夫婦で1階に降りてお茶を飲んでいると、微かに泣き声が聞こえてきました。 二人で慌てて和室に戻り戸を開けると、戸口で立ち尽くしたまま泣いているアキコがいました。 小さな体では和室の戸を開けられず、ただ「うう…ひっく…ひっく…」と泣きじゃくっていた姿が、今でも忘れられません。

ママに添い寝してもらう子どもたち

アキコもクニコも、ママに添い寝してもらって初めて幸せそうに眠っていました。
両脇に寝ている子供からサンドイッチされている妻に、「今が母親として一番幸せな時だね」と声をかけると、
「何言ってるん、寝かせるの大変なのよ」と、妻は言いつつ、まんざらでもない表情をしていました。

小さな大きな一歩──自分で降りて来られるように

そんな「ママ、ママ」のクニコが、最近大きな変化を見せました。
朝、ママが隣にいなくても、泣かずに一人で1階へ降りて来られるようになったのです。
ママが台所で朝食を作っていると分かって安心できるようになったのでしょう。
わずかな変化かもしれませんが、親にとっては「大きな成長」です。

成長とともに変わる親の役割

子どもはこうして、歩みは遅くても一歩一歩成長していきます。
そして同じ先生でも「幼稚園・小学校・中学・高校・大学」と役割が違うように、
親の役割も子どもの成長に応じて変わっていくのだと思います。

特に乳幼児期は、理屈ではなく“スキンシップ”で親密な関係を作る大切な時期
できる限り子どものそばにいて関わっていきたい。
親であることは、人生の中でも特別な役割なのだから。

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今、振り返ってみて
──専業主婦を選んだ理由

「ママがそばにいれば、それだけで子どもは幸せな時期」は、今振り返っても、「ママとして、一番幸せな時期」だったと思います。

ただ、その時期を過ぎても、親として子どものためにやることはありますし、子どもが可愛いのは変わりません

なぜこの時期の子どもは、そんなにママを求めるのか。それはその時期の子どもがママからのお世話やスキンシップを必要としているからだと思います。必要としているのだから、この時期はしっかりとそばにいてあげればよいと思います。

そのために選んだことが、専業主婦という選択でした。妻は、結婚しても働いていましたが、長女の出産3ヶ月ほど前に退職して9年間専業主婦でした。長女が小3、次女が4歳ごろまで、ずっとそばにいてあげていたのです。

なぜ専業主婦という選択をしたかというと、それは私が「三つ子の魂百まで」(幼いころ(3歳ごろ)に形成された性格や気質は、大人になっても変わらない)という格言を信じていたからです。
心理学や発達学でも、0~3歳の脳の発達は著しく、この時期の親子関係やスキンシップ、愛着形成がその後の人間関係や情緒の安定に影響する、と言われ、「三つ子の魂百まで」は、科学的にもある程度裏付けがあります。
つまり、幼児期に、ママがそばにいてあげることが、子育て上とても大切というポリシーがあったのです。

経済的には、共働きの方が預金ができるわけで、ずっとよかったと思います。それでも、この時期にママが子どものそばにいてあげることは、今振り返っても、子育て上大きな価値があったと思います。

子どもは、そばにいるママの愛に包まれて、すくすくと成長できました。ママがそばにいてスキンシップをしてあげることで、愛着形成がうまくいき、情緒的にも安定しました。
ママもこの時期の子育ての醍醐味を思い切り味わうことができました。
パパの私も、安心して仕事に励むことができました。
経済的には預金が十分できない分、苦しかったですが、それを上回る価値があったと思います。
この時期の親であることの特別な役割を十分満喫したと思います。
※ 9年後、妻はまた働き出しました。

📝 「自分に問いかけてみる時間」

  • 子どもが「ママ(パパ)がいい!」と強く求める時期を、あなたはどう過ごしていますか?

  • その「今しかない甘え」を、わずらわしさではなく“愛情を育むチャンス”として受け止めていますか?

  • 専業主婦であろうと、共働きであろうと、親として、子どもの成長に合わせて、その時期ならではの関わり方を楽しんでいますか?

📝 「簡単なワーク」

  1. 今日、子どもとスキンシップやふれあいの時間を意識して持ってみましょう。
    (例:抱きしめる/頭をなでる/一緒に絵本を読む)

  2. その時期ならではの関わり方を楽しんでいますか?
    (例:「夏休みの自由工作づくりをサポートする」「子どもと一緒にキャッチボールをする」など)

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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年7月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年6月27日にSo-netブログで公開された『3才になった次女クニコの変容』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。

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