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“やる気ゼロの日”の過ごし方──休む技術と知恵

《読み始める前に》

やる気が出ない。頭では「やらなきゃ」とわかっているのに、体も心も動かない。
そんな日、あなたにもありませんか?
この日は、まさにそんな一日。
でも、あとから振り返ると「何もしなかった日」こそ、実は大切な時間だったのかもしれません。

パパの子育て奮戦記:第51号
長女アキコ(6歳)、次女クニコ(3歳)、ママ、パパ(私)、祖母(69歳)


「やる気が出ない日」に起きたこと

今日は予期した仕事ができない1日でした。
前の日に「明日はこれをやろう」と準備していたのに、どうしても気持ちが乗らない。
起きてすぐにも確認したけれど、やる気が起きない。気が乗らないのです。

気づけば、ブログを必要以上に何度も見返し、横になったり起きたり……。

リフレッシュの一日

結局、こんなふうに過ごしました。

① 以前読んだ『加速成功』という本を読み返した。得るものがあった。
② 少し眠った。2時間ほど。頭が少しすっきりした。
③ 録画しておいた映画『ジュラシック・パーク/ロスト・ワールド』を見た。つい引き込まれてしまった。おもしろかった。
④ 冷えた銀河高原ビールを飲んだ。うまかった。
⑤ 近くを散歩した。少しだけ気が晴れた。
⑥ お風呂に入った。少しさっぱりした。
⑦ これから自分一人の時間をもち、瞑想する時間をもつつもりだ。

何のことはない。以前自分で書き出していた「ぼくのリフレッシュ法」ほとんどその通りを実践していました。

【ぼくのリフレッシュ法】

  1. 温泉に行く

  2. よく眠る

  3. お気に入りの音楽を聴く

  4. おいしいケーキを食べる

  5. 冷えたビールを飲む

  6. 好きな本を読む

  7. 娘と遊ぶ

  8. 散歩する

  9. 気功など体操をする

  10. 自然に触れる

どれもそこそこ効果がありました。
でも、根本からは癒されていないという感じは残っています。

なぜでしょうか。
──イライラの根本原因である“山積みの仕事”が、少しも進んでいないからです。
わかっている、わかってはいるけれど、どうしてもやる気が起きない。

自分を許すという選択

でも、そんな日もある。

そんな日は、自分の体と相談する日だと思うようにしています。
頭(理性)だけでなく、気分(感情)や体の声にも耳を傾けてみる。
心も体も大切にして、頭で考える“理想通りに動けない自分”を許すこと。

実はそれが、遠回りに見えて一番の近道なのかもしれません。

明日は、やるぞ。
(2005年7月17日)

**********************

今、振り返ってみて

調子のよい時もあれば、悪い時もある。
この波があるのが、人間であり、人生です。
そもそも、ずっと調子が良い人などいません。

だからこそ大切なのは、
調子の良い波をなるべく長く保ち、悪い波をできるだけ早く乗り切ること。
そして、もうひとつ――
悪い波の中にも「何かを教えてくれているメッセージ」があるという視点です。

体の声を聴くという知恵

今回のように、仕事に身が入らなかったのは、
「体のほうが、先に休養を求めていた」からだと今は感じます。

こうして体の声をよく聴き、休ませてあげることで、
満たされた体は次に、しっかり仕事を支えてくれるようになります。

逆に、無理して働き続ければ、体は壊れ、
結果として仕事にも家族にも大きなツケを残すことになります。

一見「怠け」に見える“やる気のなさ”は、
実は体が自分を守ろうとして出しているサインなのかもしれません。

医者の一言が残したもの

20代の頃、高熱で病院に行ったときのことを思い出します。
医師がこう言いました。

「先日も熱を出して“無理するな”と言った人がいたけど、
『そんなわけにはいかない』と出張に出た。
そして亡くなったんだ。無理してはダメだよ。」

びっくりした私は、素直に医者の言うことを聞いて、仕事を休み、ゆっくり静養しました。

死神を助けた男──寓話が教える“合図”

最後に、昔母が話してくれた『死神を助けた話』で締めくくります。

『死神を助けた話』

ある男が川辺を通りかかったところ、一人の黒い服を着た人(死神)が溺れかけていました。
その男は、その人を助けてあげました。
実は、その人は死神でした。

死神:
助けてくれて、ありがとう。
お礼に、君のところにはいきなりは行かない。
必ず「もうすぐ行くよ」と合図をしてから行ってあげよう。

その人は、それを信じて「死神が行く」と言うまでは大丈夫なんだと、安心して結構無茶をしていきました。

そんなある日、突然死神がやってきました。

男:
約束が違うじゃないか。いきなりは来ない。合図してから来るって言ったじゃないか!

と抗議しました。
ところが、死神はこう言いました。

死神:
ちゃんと合図は出してたよ。 疲れさせたし、イライラもさせた、熱もくり返し出してたよね。あれ全部、俺が行くという合図だったんだ。

そう言って、死神はその人を連れていきましたとさ。
(おしまい)

この話を思い出すたびに、
疲れや不調は“合図”なのだと思います。
その合図を無視し続ければ、いつか取り返しのつかないことになる。
だからこそ、今を大切に生きるために、
死神からの合図に敏感になり、“自分をいたわる力”を大切に使いたいのです。

止まる勇気=次の一歩

かつての私は、「立ち止まる=怠け」と考えていました。
でも今は、「立ち止まる=充電」と捉えています。

体のサインを見逃さず、
心の声を無視せず、
自分を大切に扱うこと。

それは甘えではなく、
**次に進むためのエネルギーを蓄える“準備”**なのだと思います。


📝 自分に問いかけてみる時間

1. 最近、「疲れた」「やる気が出ない」と感じた日はいつでしたか?
 そのとき、あなたは自分にどんな言葉をかけましたか?

2. 体や心からの“合図”を、無視してしまっていませんか?
 (頭で「まだ大丈夫」と思っても、体は本音を知っています。)

充電が必要なのは、電化製品だけではありません。十分充電した後は、また働くことができるのです。

📝 簡単なワーク

🌼 ステップ1:あなたの“リセット法”を書き出してみましょう
仕事や家事で疲れたとき、心が軽くなる瞬間はどんなときですか?
(例:コーヒーをゆっくり飲む/子どもと散歩する/昼寝をする など)

🌿 ステップ2:その中から“すぐできる一つ”を今日実践してみましょう
時間をかけなくても構いません。
“自分を大切にする時間”を1日のどこかに少しだけ入れてみてください。

💡 それが「やる気が戻ること」への第一歩になります。

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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年8月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年7月17日にSo-netブログで公開された『どうしても仕事に集中できないときは?』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。

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