2004年夏休み、子供たちが就寝後、家族会議を開いた。2000年の夏休みに作成した『家族の憲法』を改訂するためである。3日間にわたる会議の末、完成した改訂版『家族の憲法』を紹介すると同時に、その達成度を検証してみる。
家族の憲法改訂版の達成度チェック(2007.7.28)
今から3年前、2004年夏休みに、家族会議を開いた。2000年の夏休みに作成した『家族の憲法』を改訂するためである。
当時アキコは幼稚園の年長、クニコは2歳の入園前であった。私の勤務先の関係で、家族4人は、実母とは別にN市にアパートを借りて住んでいた。金曜日に実母の住む自宅に帰宅し、日曜日にアパートに帰ってくるという生活であった。
さて、2004年夏休みに、子供たちが就寝後、2000年に作成した『家族の憲法』を改訂するための話し合い「家族会議」をもった。
最初に、「三 めざす子供」の項について、話し合った。ここだけは、実母も入れて話し合ったのだが、夜10時頃から深夜1時過ぎまで、白熱した話し合いがもたれたことを記憶している。
翌日以降は、「一 めざす家族~」以下について、夫婦だけで話し合った。なぜなら、まだアキコも、クニコも小さかったからである。
かくて改訂された『家族の憲法』2004年版を紹介する。ちなみに、これはパソコンでプリントアウトされて、家族が揃う2階の居間に額に入れて飾られている。
家族の憲法』2004年版
達成度ーその1 「めざす家族」について
○「一人一人と心のつながりのあるあったかい家族」の具現度
→ あくまで私の主観であるが、5段階評価で5だと感じている。
昨年のいつだったか忘れてしまったが、仕事で三日間ほど連続して帰宅が遅くなり、帰宅後の家族の団らんができなかったことがあった。
久しぶりに家族で夕食をとりながら、妻とアキコ、クニコが笑顔で話している姿がエラクまぶしく映った。
この時の感覚を一体どう表現したらいいのだろう。その時、ぼくは何か浦島太郎になったような感じだったのだ。そして、その時ふと「少なくない父親が、仕事に忙しくて家族の輪に入れないでいるのではないか」「そんな父親が久しぶりに家族の団らんに入るときっとこんな感覚になるのじゃないか。」と想像したのだが、どうだろう。
達成度ーその2 「めざす子供」について
○「一 思いやりのある子」
→ 幸いなことに「思いやりのある子」の育っていると判断している。
○「二 元気で明るい子」
→ これも幸いなことに「元気で明るい子」に育っていると判断している。
ただし、クニコは、病気をすることも多い。クニコの場合は、「迷ったら医者へ」の方針で対応している。
○「三 あいさつがきちんとできる子」
→ 出勤時の見送りと帰宅時の出迎えの伝統は、継続している。あと、アキコはまだいいのだが、クニコのあいさつはまだまだである。私から「おはよう。」とあいさつをしても、返ってこないときもある。継続して躾けていく必要がある。
○「四 躾の身に付いた子」
→ 「人の物をとらない、ぶたない、ありがとう・ごめんなさいを言える」などは、達成できている。問題は、「後片付け」である。
○「五 かしこい子」
→ 少なくとも子供の頃の私よりもずっとかしこく育っている。
○「六 段取り力」
→ アキコについて、この力を付けるように指導中である。1日、1週間について、のんべんだらりんと過ごすのではなく、時間を大切にして計画的に過ごせるようになってほしいという強い願いを、私はもっている。
金曜日の夜、土曜日の朝・夜、日曜日の朝など、きまって明日または今日1日どう過ごすか(「アキコは今日一日どう過ごすの?)を問うている。
○「身を守る力」
→ 事件報道がある度に、あるいは折に触れて身を守る力を育てている。
今の世の中では、とっても重要な力だと考えている。
○「力を合わせる力」
→ 幸いなことに、この力はしっかりと身に付いていると判断している。
一番評価がよくないのは、「二 めざす夫婦」の夫婦間で「相手のことをよく理解するように努めること」かもしれない。仕事が忙しかったり、疲れてしまって、夫婦だけの会話がなかなかとれないでいるからだ。(いやこの点において、たとえば土曜日の夜の妻との会話より仕事などを優先しているからだ。)
現在の一番の課題である。
こうして、『家族の憲法』2004年版に照らして達成度を評価してみると、総じて合格点はあげられるのではないかと思う。
ただし、夫婦間の対話は、まだ改善の余地がかなりある。
この『家族の憲法』には、「四 めざす姿を具現するためにー絵に描いた餅にならないためにー」の項が続いている。
「あったかい家族を創り出すのだ」という決意と、このめざす姿を具現するためのシステム・伝統が両輪のようにうまく機能して、はじめて家族の幸せを創り出せるのだなと、今振り返ってみて実感している。
・「四 めざす姿を具現するためにー絵に描いた餅にならないためにー」の項の達成度は、次回のブログで評価する予定である。
・マークス寿子『日本はなぜここまで壊れたのか』(草思社)に次の記述がある。
「北欧やイギリスの男性は定時に家に帰るということを当然のこととしてやっている。だから、普通の日でも残業をやらずに定時に家に戻って、みんなでご飯を食べ、その後片付けをする。そして、土曜日、日曜日必ず家族と一緒に過ごすのが普通である。 これが家族を支えていくのにいかに大事かということ、そして、それが男の人にとってもとても大事だということを日本ではもう少し考えてみる必要があるのではないか。」(62ページより引用)
私も、残業が当然の職場で、ひどい時は1週間に3日間深夜の1時まで仕事をしていた時があった。しかし、日本全体がもう少し家族のことを大切に考えるべきではないかと思う。(私は、現在の職場では非常にこの点がよくなっている。)少なくとも、週1回はじっくりと家族とふれあう時間をとるべきだと思う。そして、そのことは決意次第で十分可能だと考えるが、どうだろう。