《読み始める前に》
激しい職場のパワハラの中で、半端ではないストレスを抱えていた頃。
毎日のように甘いものを食べていた私の様子を、娘は黙って見ていました。
そして誕生日の日、中学2年生だった長女アキコが贈ってくれたのは、食べることのできない「手作りプリン」。
そこに添えられていた手紙には、パパの心と体を気づかう、娘なりの優しい思いが込められていました。
パパの子育て奮戦記:第69号 | 「あったかい家族日記」第954号 再構成版
長女アキコ(14歳)、次女クニコ(10歳)、ママ、パパ(私)、祖母(77歳)
ひな祭りは、パパの誕生日
今日はひな祭りの日ですが、父親である私の誕生日でもありました。
わが家では、子どもたちの誕生日だけでなく、パパやママ、祖母の誕生日も同じようにお祝いしてきました。
そして、誕生日プレゼントと一緒に、誕生日のメッセージを渡すことも、いつの間にかわが家の習慣になっていました。
豪華な夕食と、楽しみなケーキ
ひな祭り会として義母や義兄を招待するときは、お寿司などを取り、そこにさまざまな手料理が加わります。
今回は義母や義兄を招待していなかったにもかかわらず、お寿司や鍋物、野菜サラダなど、けっこう豪華な夕食になりました。
鍋物は、私のリクエストです。
食事のあとは、ケーキとプレゼントの時間です。
私の誕生日用に、ショートケーキが用意されていました。甘いものが大好きな私にとって、楽しみな時間です。
ケーキと合わせて、家族から誕生日プレゼントをもらいました。
実母からは、肩から下げるバッグです。
それまで使っていたバッグは古くなり、チャックの部分も壊れていました。まったく同じバッグを買ってもらい、とてもありがたく思いました。
ママとクニコからは、ハンカチと手紙をもらいました。
アキコからの「手作りプリン」
アキコからもらったのは、布で作られた「手作りプリン」でした。

そこには、こんな手紙が添えられていました。

誕生日おめでとう!
誕生日プレゼントは、お父さんがストレスで甘いものを食べすぎないように、そのかわりとなる「手作りプリン」をおくります。
この置き物を見て、少しでもストレスを解消してください♡
そして、これからもお仕事頑張ってください。
アキコも勉強、頑張ります!アキコより
私は、思わずこう言いました。
「うーん、とってもうれしいけど、この『手作りプリン』を見ると、“寝た子を起こす”というか、かえってプリンを食べたくなるかもなあ」
そう言いながらも、アキコの気持ちが本当にうれしく感じられました。
「でも、アキコがお父さんの健康を考えてくれた、その気持ちがうれしい。ありがとう!」
何度も読み返した、娘からの手紙
誕生日会を終えて書斎に戻ると、私はアキコの手紙を、ゆっくりと何度も読み返しました。
アキコは、私が最近、職場のストレスから甘いものを食べすぎていることを知っていました。
毎日のようにシュークリームやチョコレートなどを食べている私を見て、
「甘いものの取りすぎは、体によくない」
と心配していたのでしょう。
自分のことを心配してくれている。
そのことが、正直、とてもうれしかったのです。
翌日、スターバックスでコーヒーを注文したときのことです。
いつもなら一緒に注文していたであろうドーナツやケーキを、私は頼みませんでした。
アキコの「手作りプリン」に込められた気づかいを考えると、
「今日は、甘いものを控えよう」
という気持ちが、自然に生まれてきたのです。
あのプレゼントがなければ、きっとドーナツかケーキも注文していたでしょう。
つまり、アキコの「手作りプリン」には、すごい威力があったわけです。
心配してくれる人がいるから
人は、自分のことを心配してくれる人がいて、初めて、
「自分も気をつけよう」
「自分を大事にしよう」
と思えるのかもしれません。
前年にロシアへ1週間滞在したアキコによると、ロシアでは、お守りを手作りする習慣があるそうです。
たとえば、夫の旅の無事を祈って、妻が夫のためにお守りを作ります。
きっと、そのお守りには効果があるのでしょう。
自分の無事を祈ってくれている人がいる。
そう思えば、その人のためにも、
「自分を大切にしよう」
「安全運転をしよう」
と考え、行動するはずだからです。
ストレスの多い職場にいる私にとって、わが子や家族の気づかいは、本当にありがたいものでした。
家族は、最も身近にある最強のセーフティーネット。
私は、そう思います。
それにしても、アキコの思いやりとアイデア、そして企画力は、すばらしいと思いました。
(2013年3月3日記)
今、振り返ってみて
あの手紙が、今も心に残っている理由
この当時、私は職場で凄まじいパワハラを受けていました。
そんなとき、当時中学2年生だったアキコから気づかいの手紙をもらい、ものすごく癒されたことを、今でも思い出します。
昨日の父の日(2026年6月21日)にも、アキコからプレゼントとメッセージをもらいました。



もちろん、とてもうれしかったです。
ただ、このときの手紙は、また少し違う重みがありました。
本当にパワハラによるストレスで参っていた時期でしたから、娘が自分のことを見てくれていたこと、心配してくれていたことが、心にしみました。
家族の励ましが、耐える力になった
私に限らず、多くの職場は忙しく、ストレスでいっぱいだと思います。
残念ながら、パワハラやマタハラ、カスハラも、決してめずらしいものではありません。
そこまでいかなくても、お客さまからのクレーム対応、上司の叱責、同僚の非協力的な姿勢……。
仕事のストレスは、本当に多いものです。
そんなとき、わが子からあたたかい気づかいや励ましをもらえたら、そのストレスの中でも、
「もう少し、がんばってみよう」
と思えるのではないでしょうか。
実際に私は、子どもやママ、そして親友の励ましがあり、約1年3か月に及ぶパワハラを耐え忍び、転勤をもって解放されました。
このことについては、いずれ機会があれば、また書いてみたいと思います。
気づかいの言葉は、家庭の習慣から育つ
わが家はずっと、子どもの誕生日だけでなく、父母や祖母の誕生日も同じように祝ってきました。
そして、誕生日プレゼントと合わせて、誕生日メッセージも渡してきました。
そうしたわが家の小さな伝統があったからこそ、私はこの気づかいの手紙をもらえたのだと思います。
子どもは、親が思っている以上に、親のことを心配しています。
でも、その心配を言葉にする機会がなければ、せっかくのあたたかい気持ちも、なかなか相手には届きません。
誕生日や父の日、母の日を祝うこと。
そこに、ひとことでもメッセージを添えること。
そんな伝統を作ってきて、本当によかったと思います。
(2026年6月22日記)
共感していただけたところがあれば、「スキ」でそっと教えていただけると励みになります。
📝 自分に問いかけてみる時間
職場には、さまざまなストレスがあります。
パワハラ、マタハラ、カスハラも、決してめずらしいものではありません。
お客さまからのクレーム対応、上司の叱責、同僚との関係など、仕事のストレスは多いですよね。
でも、実は子どもも同じなのだと思います。
「友達とけんかした」
「仲間はずれにされた」
「勉強がよくわからない」
「自分だけできない」
「先生に叱られた」
保育園や幼稚園、学校に通う子どもたちにも、子どもたちなりの試練があり、ストレスがあります。
つまり、パパやママにとっても、子どもにとっても、外の世界は緊張の多い場所なのです。
だからこそ、帰ってくる家庭が、まず安全で、安心できる空間であること。
落ち着ける場、安らげる場であること。
それが何よりも大切なのだと思います。
家庭は、その日の疲れを癒し、元気を回復させる場所になっているでしょうか。
家族の誰かが疲れて帰ってきたとき、
「ここに帰ってこられてよかった」
と思える空気が、家の中にあるでしょうか。
📝 簡単なワーク
家庭の「元気チャージ力」を上げる方法を、いくつか考えてみましょう。
たとえば、こんな小さなことで十分です。
「おかえりなさい」と、あたたかく迎える。
一緒にお風呂に入り、湯船の中で少しだけ話をする。
食後に、カードゲームなどで親子一緒に遊ぶ。
できれば、毎日簡単にできることがいいですね。
習慣化できれば、もっといいです。
毎日が難しければ、週に1回だけでもかまいません。
たとえば、
「週に1回は、早めに帰宅して家族で夕食を囲む」
という形でもいいと思います。
大切なのは、家族が少し安らげる時間を、暮らしの中に作っていくことです。
そうした安らげる家庭を築くことは、家族にとってのセーフティーネットになります。
同時に、友達関係、学業不振、いじめ、不登校など、さまざまな問題を早めに受け止める土台にもなっていくのだと思います。
パパやママが音頭をとって、家族みんなが安らげる家庭。
そして、
「今日も、ここに帰ってきてよかった」
と思える家庭を築いていきたいですね。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
子どもからの気づかいや励ましは、親にとって何よりうれしいものです。
でも、そのあたたかい言葉は、自然に生まれるだけではなく、家庭の中で育てられていくものなのかもしれません。
パパとママが家族のことを気づかい、家族の誕生日や記念日を大切にする。
その小さな積み重ねが、やがて子どもの心の中に「誰かを気づかう力」を育てていくのだと思います。
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この記事は、2013年3月3日のSo-netブログ原稿「心温まる誕生日プレゼント&手紙」をもとに整えた再構成エディションです。

