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思春期が「反抗期」になりやすい理由

本「子育てブログ」の読者には、小学校高学年の女子を育てている親もおられると思います。この頃から思春期に入り、子どもが反抗するようになって困っている方もおられるかもしれません。そもそも思春期はどうして「反抗期」になりやすいのでしょうか。

今から6年前『小五教育技術2012年4月号』の「特集 思春期完全マニュアル 五年生 解体新書」に「女子と保護者の関係」というタイトルで私が書いた原稿をそのまま紹介します。

思春期が「反抗期」になりやすい理由

『小五教育技術2012年4月号』の「女子と保護者の関係」より 593-1143

―高学年女子と保護者の関係 その1ー

女子の学級担任への反発

夕食時、ある女子は、保護者に向かって行訴えたそうです。

「先生は、Aちゃんのときはあまり叱らないのに、Bちゃんの時はすごいんだよ」。
「今度の総合の時間、○△をすると言ったのに、やらないんだよ」。
担任への対応への不満であり、不信の表明です。不公平、理不尽な叱り方約束を破るなどの相手を尊重しない対応は、子どもの反発や批判を生みます。保護者と女子との関係においても、そっくりあてはまります。

思春期が「反抗期」になりやすい理由

なぜ、思春期になると、反抗的な言動が多く見られるようになるのでしょうか。
第一に、判断力が高まってきたことがあげられます。親や教師などの身近な権威者に依存していた段階から、徐々に自立して判断できるようになってきた表れです。気づかなかった大人のアラが見え始め、納得のいかない権威に対して、批判や反発ができるように成長してきたのです。
第二、自立が進んで、サポートがなくても、ある程度生活できるようになってきたことがあげられます。買い物もできるし、遊びにも1人で行ける。保護者の援助を絶対的に必要とした段階は過ぎたのです。アメとムチにより支配が効かなくなってきます。「プールに連れて行ってあげる(あげない)から」と言われても、「友達と行くからいいよ」となってくるのです。
第三に、親への尊敬が揺らいできたことがあげられます。中学年の頃までは、後ろ二重回し跳びをしてあげれば、「お父(母)さんすごい!」と尊敬してくれたのに、親をしのぐ技ができるようになってきます。「親は何でもできるし、何でも知っていてすごい」というわけではなくなってきたのです。
反抗的な言動の背景にあるのは、判断力・生活力の高まりであり、子供が自立成長してきていることの証拠です。

保護者の基本的な対応法

思春期に入り始めると、「親の言うことは聞け」という上から目線の指示・命令には、反発をします。わかっていることをあれこれ注意されるのも、小言に映って、「うざく」なります。親なんか怖くもないし、尊敬・信頼するに値しないとなれば、好き勝手な振る舞いをするようになります。
では、どうすれば良いのでしょうか。
①「親の言うことが聞け」という上から目線の対応を止めて、1人前の大人に対するように丁寧に扱いましょう。
わかっていること、細かいことへの注意をやめて、一歩引いて、多少のことは目をつむり、最小限のことにしぼって注意しましょう。わが子はできる(ようになる)と信頼して、本当に求められたときだけサポートするのです。
親が尊敬や信頼に値するということを、わかりやすく子どもに示す努力をすることです。尊敬や信頼があって、思春期の子どもは言うことを聞くのです。
(原稿の前半終わり→続きは次号「心が不安定な思春期女子とのかかわり方」へ)

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