《読み始める前に》
大事に大事に育ててきた娘たち。
せっかくなら、制限なく思い切り羽ばたいてほしい。そんな思いで、二人とも東京の大学へ行かせました。
その結果、娘たちは本当に思い切り羽ばたいてくれました。
長女は第一希望の企業に就職し、2年後、大学時代に知り合った先輩と結婚して、そのまま山梨で暮らしています。
次女は去年大学を卒業し、そのまま大手の監査法人に就職しました。
今は東京のマンションで、一人暮らしをしています。
つまり、二人とも新潟には戻ってこない、というのが今の現実です。
頻繁に帰省してくれたり、家族で旅行したりして、関係はとてもいいのです。
それでも、やはりそばにいないのは寂しいものです。
娘たちが戻ってこないのなら、90代の実母と義母を看取ったあと、今度はこちらから東京へ行けないだろうか。
娘たちの近くで暮らしたい。孫ができたら、孫育てにも関わりたい。
そんな願いを、最近ますます強く持つようになりました。
チャレンジするなら、まだ元気なうちに。
そう思って、妻にその気持ちを伝えてみたのですが……。
妻に話したのは、お花見の帰りでした
この日は、妻と二人で満開の桜を見に上堰潟公園へ行きました。
桜も菜の花も見頃で、しかも晴天。絶好のお花見日和でした。

園内をゆっくり歩いたあと、近くのカーブドッチへ移動して、レストランでランチをとりました。
東京移住の話を切り出したのは、このタイミングでした。
娘たちは、もう新潟には戻らないと思う
娘は二人とも県外で就職しました。
長女は山梨、次女は東京です。
私は新潟が大好きですし、本音を言えば、このままずっと新潟で暮らしたい気持ちもあります。
でも現実には、娘たちは二人とも東京の大学へ進み、そのまま新潟には戻ってきませんでした。
長女は大学で出会った先輩と結婚し、今は山梨で夫婦で暮らしています。
ただ、お相手は東京在住の一人息子なので、いずれは東京へ行く可能性が高いと思っています。
次女は去年の3月に大学を卒業し、そのまま大手の監査法人で働いています。
今は東京で一人暮らしです。
娘たちとの関係は良好です。
年に3回、4回ほど帰省してくれますし、去年は久しぶりに4人そろって家族旅行もしました。
昨年、実母の卒寿のお祝いにも、娘たち二人とも参加してくれました。
毎月1回は、どちらかの娘とZoomで話もしています。
それでも、次女が新潟に戻ってくる可能性はかなり低いだろうと思っています。
この日も私が、
「クニコは、99%戻ってこないよな」
と聞くと、妻は、
「そうだと思う」
と答えていました。
いずれ次女も向こうで結婚し、家庭を持てば、基本的には別の生活になります。
これまで通り、年に何回かは帰省してくれるでしょう。けれど、それ以上はなかなか難しいでしょう。
孫はきっとかわいいでしょう。
でも、年に何回か一緒に過ごすだけでは、深い関係はなかなか作れないのではないか。
そう考えると、とても寂しいのです。
もし東京の近くに住めたなら
私にも妻にも、今、90代の母がいます。
その二人の母を看取ったあと、もし東京の近くへ移住したら、今と比べてどうなるでしょうか。
①今は年に3、4回の帰省でも、東京の近くに住めば、少なくとも毎月どちらかの娘には会えるでしょう。
一緒に食事をしたり、おしゃべりをしたり、お花見などちょっとした日帰りのお出かけをしたり。そんな時間が増えるはずです。
②もし娘たちに子どもができたら、孫たちの運動会や展覧会など、娘たち一家と一緒に応援したりして、楽しく過ごせるでしょう。また、お花見などのちょっとした日帰りのミニ旅行も一緒にできることもあるでしょう。
③娘たちが夫婦で出かけたいときや、子どもが急に熱を出したときなど、まだ自分たちが元気なうちなら少しは助けになれるでしょう。つまり、まだ若いうちなら、子育てのサポートもできるのです。
④高齢者になってからは、夫婦二人だけでいるのは、寂しいばかりでなく、不安でもあるでしょうが、近くの娘たち夫婦がいれば安心です。
⑤そして、ここが私にとってはとても大事なのですが、孫たちが小さいうちから関わっていれば、自然と関係も育っていくと思うのです。
ほとんど孫育てにも関われないまま年を重ね、そのあとで近くへ行っても、「母親の親」だということは分かっても、なかなか親しみまでは湧かないのではないか。そんなふうに思います。
⑥それに、まだ元気なうちに移住すれば、東京でも新しい友だちを作ることが可能でしょう。
高齢になってほとんど外出できなくなってから移住しても、友だちを作るのは難しく、寂しいのではないかと思います。
妻に話してみると、返ってきたのは現実でした
ランチの席で、私は妻にこう話しました。

私
「東京に移住しようよ。そうすれば、毎月、もしかしたら毎週、長女か次女のどちらかが来てくれるよ。そしたら楽しいじゃないか」
妻
「うーん」
私
「新潟にいたら、孫たちともなかなか交流できないけど、向こうに行けば交流できるじゃない」
すると妻は、こう言いました。
妻
「どこにそんなお金があるの」
確かに、その通りです。
東京に移住するとなれば、現実にはお金の問題がいちばん大きいのです。
それでも私は、
「もしお金が十分にあったとしたら、どうかな?」
と水を向けてみました。
けれど、今の生活を現実に見ている妻にとっては、その話自体が現実離れしていると映ったのだと思います。
最後には、
「もうその話はいいわ」
となりました。
以前、似たような話をしたときには、
「高齢になって施設に入るなら、娘たちのいる東京の施設がいい」
と妻は言っていました。
つまり、まったく考えていないわけではないのです。
ただ、「今、移住する」という話になると、経済的にあまりに現実味がない。そう感じているのだと思います。
私は、体が動くうちに行きたい
私はというと、どうせ行くなら、まだ若いうちがいいと思っています。
東京で四半世紀くらい過ごせる時期に行けたら理想です。
理由は、はっきりしています。
- 娘たちと、もっと頻繁に会えること
- 孫育てにも関われるし、お互いに助け合えること
- 東京でも友だちを作れること
- リアルで子育て講座ができやすいこと
(今はzoomでも可能ですが)
けれど、最大の問題はやはり移住のお金です。
東京移住の鍵は、私の仕事にあります
現状、私は退職後に、発達凸凹な子ども専門の学習塾を立ち上げて教えています。
こちらはうまくいっていて、通ってくる子どもたちも、通わせているママパパも喜んでくれています。
6年生から通っていた男子が、4年近く私の塾に通い、第一希望の高校に合格して、この3月末で退塾しました。
ママは、
「この塾に通っていたから、第一希望の高校に行けた」
と言ってくださいました。
一人減ったと思ったら、学校から紹介されたという新1年生の男の子(ADHDで特別支援学級に入学予定)が体験学習を申し込んできました。
3月に体験学習をした結果、ママから、
「本人が公文よりもこっちに行きたいというので、よろしくお願いします」
となりました。
つまり、発達凸凹な子ども向けの学習塾のほうは、うまくいっています。
ただ、私がいちばんやりたい、発達凸凹な子どものママ向けの子育て講座が、まだ軌道に乗っていません。
オンラインスクール化にもお金がかかりますし、Google広告にもお金がかかります。
そのため、子ども向けの塾の収益が、ママ向け子育て講座づくりの費用を支えているのが現状です。
それでも私は、どうしてもこの講座を成功させたいと思っています。
ここがうまくいけば、東京でオフィス兼自宅をもつことも可能になる。
東京移住は、現実の話になってきます。
逆に、ここがうまくいかなければ難しいとも思っています。
つまり、東京移住の鍵は、ママ向けの子育て講座が成功するかどうかにかかっているのです。
そして妻は、たぶん、その成功をまだ現実のものとしては見られていないのだと思います。
もし移住するなら、こんな暮らしがしたい
もし移住するとしたら、私が思い描いているのは、
◉「娘たちの1時間圏内に、夫婦で自立して住める落ち着いた住まいを持ち、そこを仕事と家族交流の拠点にする」
そんな形です。もう少し詳しく条件を挙げると、
▷条件①:娘たちの住んでいるところから1時間以内であること。
今の新潟からだと、山梨へは片道5時間ほど、次女のいる東京へも3時間余りかかります。
でも1時間以内なら、日帰りも十分可能です。行こうと思えば行けるし、来ようと思えば来られる。その距離感がいいのです。
▷条件②:夫婦が住みやすい場所であること。
今の新潟の家は、歩いて3分のところに蛍が飛び交い、猿やクマも出る山が近くにある、自然豊かな場所です。
だから、ビルばかりの場所ではきっと息が詰まります。自然や緑が身近にあることは大事です。
また、この土地には神社や仏閣があり、地域のコミュニティがあり、祭りでは神輿が担がれます。
歴史や文化を感じられる街でもあります。図書館や公園も充実しています。
だから、新興住宅地ばかりで地域のつながりが感じられない場所や、歴史も文化も感じられない場所では、居心地が悪いだろうと思うのです。
コミュニティがあり、文化や歴史の感じられる落ち着いた街がいい。そう思っています。
さらに、高齢になっても住みやすいことも大事です。
買い物や病院が近くにあるか。交通機関が使いやすいか。そういうことも見ていかなければなりません。
次女は、将来的に同居する可能性もゼロではありません。
同居については悩みましたが、無理強いは決してしないことに決めました。
次女が同居したいなら受け入れる形がよいと最終的に考えたのです。
基本は、あくまで夫婦が満足して住める家を第一に考えたいと思っています。
▷条件③:オフィス兼自宅にしたいこと
広めの書斎があり、塾やセミナーができるくらいの部屋がある家がいい。中古でもかまいません。
今は12畳の部屋を塾専用に使っていますが、最低限それくらいの広さは欲しいところです。
ママ向けのセミナーも、リアルで開催したいと思っているからです。
今はまだ夢でも、私は本気です
要するに、妻は現実問題として、
大前提となるお金、つまり私の事業の成功がまだ実現していない今の段階では、
「話しても無駄」
という感覚なのだと思います。
もしかしたら、夢物語とすら思われているのかもしれません。
今のやりくりで精いっぱいの現実を思えば、それも無理はないことだと思います。
でも、私は本気です。
子育て本を出版するときも、成功するまで断酒すると言ったら、妻は
「ずっと飲めなくなるよ」
と言っていました。
実際、3年間断酒することになりましたが、実現できました。
『うちの子、どうして言うこと聞けないの!と思ったら読む本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、日本で出版されただけでなく、タイ語、ベトナム語、中国語にも翻訳され、海外でも出版されました。翻訳・出版までされるとは全く予想外でした。
ママ向けの子育て講座は、オンラインスクール化の途中で、Google広告を打ち始めた段階で、今はまだ軌道に乗っていません。
けれど、私は必ず成功させると決意しています。
そして、3、4年後の東京移住、あるいはデュアル生活も見据えながら、残り少ないであろう実母との日々を楽しみつつ、一歩一歩、たゆまず進めていこうと思っています。
妻も、娘たちの近くで暮らせたら、今よりもっと幸せになれると思うのです。
孫ができたら、きっとかわいがり、さらに生き生きとすると思います。
娘たちにとっても、親が近くにいれば、助け合うこともでき、安心できるのではないかと思います。
今はまだ、妻にとっては現実味のない話なのだと思います。
でも私の中では、ただの夢ではありません。
どうしても実現したい未来であり、もうすでに決めた未来です。
静かな情熱を持ち続けて、事業の成功とあわせて、必ず実現しようと思います。

