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─ハウツー1歳児の育児─迷いすぎないために、私が頼った一冊

《読み始める前に》

1歳児はとてもかわいいですが、その子育ては思っていた以上に難しいものでした。

歩き始める。言葉も少しずつ出てくる。できることが増えていく。
その一方で、親のほうは「今、何をしてあげたらいいのだろう」「この子の育ちは順調なのだろうか」と、0歳のころとはまた違う迷いを抱えるようになります。

長女が1歳だったころの私は、そんな迷いの中で、ひとつの教材と冊子にずいぶん助けられました。
すべてをその通りにできたわけではありません。それでも、子どもの育ちを見つめ、親として何をしたらいいかを考えるうえで、大事な“地図”になってくれたのです。

今回は、長女が1歳だったころ、私がどんなふうに本や教材に助けられながら育児をしていたのかを振り返ってみます。

パパの子育て奮戦記:第64号 長女アキコ(7歳)、次女クニコ(3歳)、ママ、パパ(私)、祖母(69歳)

家族そろって始まった、1歳児との新しい暮らし

長女が1歳7カ月の時期から、私は大学院に2年間、研修に派遣されました。

同じ県内とはいえ、祖父母のいる自宅からは車で3時間近くかかるので、一家そろって学生世帯寮に入りました。長男、長女、妻、私の4人での生活でした。家族は一緒にいる、というのが私のポリシーだったからです。

前号で紹介した『よいこになれシリーズ0歳児セット 右脳もいっしょにハイハイ編』(13,440円)がよかったので、迷わずその続編『よいこになれシリーズ1歳児セット ことばと心のヨチヨチ歩き編』(13,440円)を購入し、それを参考にして育児をしました。

付いてきた冊子「1歳児の手引き」を、とりわけ活用しました。これが、ドライブにおけるマップのような役割を果たしてくれました。

「1歳児の手引き」が教えてくれたこと

「1歳児の手引き」には、月齢ごとの子どもの様子や、どんな働きかけをしたらよいかが、見開き2ページで分かりやすく書いてあります。

例えば、【1さい7カ月】の項を引用紹介すると、

言葉の入力を大切にしましょう。左脳を育てるには、豊かな語彙力を与え、言葉を操作する能力を高めてあげることです。たくさんの言葉の入力を心がけましょう。

○体験…先行体験をたくさん与えてあげましょう。絵本や図鑑など、家庭で学習インプットしたことは、その後、実際に外に出かけて実物を目にすると「あっ、〜だ」と印象的にとても楽しく見ることができます。記憶にもはっきりと刻まれます。何も知らないで見るのとでは子どもの反応は全然違います。先行経験を家庭で与え、その上で実物学習をすることがとても学習の効果を上げます。〜以下略

○文字…ひらがなを教えましょう。無理に教えようとするのではなく、文字に関心を寄せるような環境作りを心がけましょう。【例】◎家族の名前から教える。〜以下略。

○名曲…名曲を聞かせ、絶対音感を育てましょう。〜以下略。

○運動…●毎日短い距離を走らせましょう。この頃から少しずつ走る訓練を続けると、走るのがとても速い子に育ちます。〜以下略。

○遊び…●お父さんと楽しく遊びましょう。泥んこ遊び、砂遊び、ボール投げ、ボール転がしなど楽しい遊びをできるだけたくさん教えてあげましょう。後に子ども同士で遊ぶ時のとても良いヒントになります。〜以下略。

こんなことができるようになるよ!

○からだ…◆てすりを持って階段を昇り降りする〜以下略。
○ことば…◆動物などの絵を見て名前を言う。 ◆単語を親のまねをして言う。
〜以下略。
○せいかつ…◆スプーンを上手に使うことができる。 ◆食べ物以外は口に入れなくなる。〜以下略。

ワンポイントアドバイス
○衣服の着脱…1歳を過ぎると「さあ、ズボンをはこうね」とか「上着を着ようね」とか言うと自分から足を持ち上げたり、手を出したりするようになります。そのような様子が見えたら「はい、足をいれて」「はい、手を出して」などと言葉をかけてあげましょう。〜以下略。

以上、「1歳児の手引き」という冊子からの一部引用です。

冷蔵庫に貼って、毎月の育ちを見ていた

こんな感じで、1歳0カ月から1歳11カ月までの子どもの様子と働きかけ、ワンポイントアドバイスなどが書かれていました。

さらに、家庭療法や予防接種など、この時期に必要な情報が巻末に載っていました。

さて、引用紹介が長くなってしまいました。
この冊子や教材を参考にして、私は1歳児の子育てをしていました。

今月の子どもの様子や働きかけが載った見開き2ページは、コピーして冷蔵庫に貼っていました。

そして、

「今月は、こんなことができるようになるのか」
「『からだ』は進んでいるけれど、『ことば』は少し遅れているかな」

などと、我が子の発育について分析したり、

「こんな働きかけをしていけばいいんだな」
「『先行体験』のために、絵本をどんどん読んであげよう」
「一緒にかけっこをしよう」

などと考えながら、実際にやっていました。

一緒に走った時間は、今も鮮やかに残っている

世帯寮からすぐの大学のキャンパスで、当時1歳、2歳の長女とよくかけっこをしたのを、今でも鮮やかに思い出せます。

七田のこの項を読んでいたので、しばしば一緒に競争をしていました。
おそらく、その効果もあったのだと思います。幼稚園の運動会では、長女はずっとかけっこ1位でしたし、当時の小学校1年生の運動会でもかけっこ1位でした。

『0歳児の手引き』の時と同様、必ずしもここで提案されていた働きかけが全部できたわけではなく、教材なども使わないものの方が多かったと思います。

しかし、今ふり返っても、この『1歳児セット』を購入してよかったと思います。

『0歳児セット』の時と同様、ずいぶん助けられましたし、過度に迷うことなく、ある程度の自信をもって育児ができたからです。基本的に正しい方向にナビゲートしてくれたと思い、とても感謝しています。

育児というドライブに、やはり地図はあった方がいい

いま夏休みということもあって、あちこちの育児ブログを見ています。
それぞれ、愛情いっぱいに試行錯誤しながら育児をされているようです。

育児というドライブを快適にするには、育児書というマップはとても大切だと思います。

その一つのマップとして、私が活用してきた『よいこになれシリーズ1歳児セット ことばと心のヨチヨチ歩き編』を紹介してみました。
※ これ以外に、よい子のプリント、絵カード、あかちゃん日記、七色積み木、幼児の基礎概念の絵本(2冊)、解説&赤ちゃん体操ビデオなどがついています。

幼児の基礎概念の絵本(2冊)は、何十回となく読み聞かせたため、ぼろぼろになり、セロテープを貼って使っていました。次女の時は、その本だけ特別に再注文したくらいです。

※ なお、同じ値段で2歳児セットも七田教育研究所で販売していました。もちろん、それも購入して参考にしていました。

よりよい育児をされることを願っています。
(私は七田教育研究所の関係者ではありませんし、紹介したからといって一銭も入りません。念のため。)

ちなみにこのセットも、我が長女、次女と活用され、今は柏市に住む従妹のもとでリユースされることになっています。
従妹の長男はまだ0歳児なのですが、この7月に自宅に遊びに来たときに、0歳児用セットとともにあげてしまいました。
スクスク育ってほしいという願いを込めて。
(2005年8月13日記)

今、振り返ってみて

>世帯寮からすぐの大学のキャンパスで、当時1歳、2歳の長女とよくかけっこをしたのを、今でも鮮やかに思い出せる。

と書いていましたが、今でも本当に鮮やかに思い出せます。

もちろん、私の方が全力を出せば速いのですが、それでは長女はつまらないだろうと思い、わざと手を抜いて競り合うように走っていました。わざと負けた時もあったと思います。そのせいか、長女はいつも本気を出して走っていました。

おかげで、足の速い子に育ったのは本当です。小学校5年生では、800m走女子の部で市の陸上競技大会で1位でしたし、中学ではリレー選手の一人として参加し、市の陸上競技大会400mリレーの部で優勝しました。

夫婦で体操オリンピック選手だった親が、運動の本の中で次のように書いていました。
長子はバク転でも何でもこなす子に育ったので、「やっぱり遺伝だ」と夫婦は最初思っていた。
次子は放っておいたら、特に運動がすごい子に育たなかったので、「やっぱり教育だ」とその夫婦は思い直した。

遺伝も教育も、両方大切だと思います。
でも、せっかく良いものを親からもらっていても、やっぱり教え育てていかないと、その良いものは発現しないのだと思います。

また、妻がゴキブリが出た時に「きゃー、ゴキブリ!」と大騒ぎしていたのを制して、

「たかちゃん、あんまり怖がらない方がいいよ。幼い子どもは、母親が怖がるものを怖がるようになるそうだから」

と話したこともあります。

外に出て長女がつまずいて転んだ時も、すぐに抱き起こそうとする妻を制して、

「たかちゃん、自分で起き上がれるから、起き上がったところで受け止めてあげた方がいいよ」

とやっていました。

これらは、すべて本から学んだことでした。

そんなこんなで、子どもはスクスクと育ってくれました。

今、思い返してみると、子育て本に学びつつ、その時その時の子育てをがんばってきたのだと思います。

📝 自分に問いかけてみる時間

  • これまでに、子育て本や育児情報から学んで、「読んでよかった」「助かった」と思えたことはありましたか?
     それは、どんな場面で役立ちましたか?
  • 今の自分の子育ての中で、少し迷っていること、不安に感じていることは何でしょうか?
     その答えを、自分一人だけで抱え込まず、本や信頼できる人の知恵に頼ってみるとしたら、何を手がかりにできそうですか?

本には、著者や先人たちの経験値が詰まっています。本や周りの人の経験に学ばない、独りよがりの子育てでは、しなくてもよい失敗経験やムダが多く、子どもの成長も停滞しがちです。

しかも、核家族の多い現代では、祖父母の子育ての知恵を借りる機会はあまりありません。

ですから、先人の知恵、プロの知恵に学ぶうえで、本の価値は大きいと思います。

自分の子育ての常識も、本を読むことでブラッシュアップしていく必要があります。

このnote「パパの子育て奮戦記」も、そのようなブラッシュアップに役立つ存在の一つでありたいと思っています。

📝 簡単なワーク

🌼 ステップ1:今の子育てで、少し気になっていることを一つ書き出してみましょう
たとえば、
「落ち着きがない」
「好き嫌いが多い」
「寝るのが遅い」
「言うことを聞かない」
など、今気になっていることを一つだけ挙げてみてください。

🌿 ステップ2:そのテーマについて、今週中に一つだけ“学ぶ行動”をしてみましょう
たとえば、
・家にある子育て本の該当ページを読む
・図書館で一冊借りる
・信頼できる先生や先輩ママ・パパに聞いてみる
・このnoteの過去記事を一つ読む

💡 子育てに“正解”はなくても、
少し先を歩いた人の知恵は、迷ったときの地図になります。
まずは小さく一つ、学ぶ行動を始めてみましょう。

もし、幼児または小学生のお子さんをお持ちの親御さんで、何から読んだらよいのかよくわからないのでしたら、私がまずおすすめしたいのは、

拙著『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』

です。

私の本は、幼児・小学生を持つ親がメインターゲットではありますが、保育士さんや教員にも読まれています。
プロが読んでも、役立つような内容を書いていますから。

前号では、「①偏食(好き嫌い) ②夜更かし(睡眠不足) ③テレビ・コンピューターゲーム・スマホ・SNS(LINE・Facebookなど)依存症…」以下の子育て20の悩みの解決法を書いた本だと紹介しました。

今回は、この本で紹介されている「6本のコラム」について紹介します。

6本のコラムのタイトル

コラム1「その時期にふさわしい発達課題に挑戦させましょう」

コラム2「読書好きに育てるには、興味の原理に基づいて本を選びましょう」

コラム3「目標が正しくても方法が間違っていると……」

コラム4「親子ともに食の具体的な基準をもちましょう」

コラム5「『早寝』をスローガンで終わらせない!」

コラム6「語学習や未学習の結果として見られる問題行動を改善するには?」

コラム1「その時期にふさわしい発達課題に挑戦させましょう」だけ、引用紹介すると

その時期にふさわしい
発達課題に挑戦させましょう

もう25年も前の話です。当時小学校1年生を担任していた、ベテランの女の先生がこうこぼしていました。
「A君は、ボーッとしていて何でもペースが遅いのよね。困るわー。でも、原因がわかったの。A君は初孫で、同居のおじいちゃんとおばあちゃんがそれはもうかわいがって……。朝、登校しようと玄関へ行くと、靴はスーッと出てくる。後ろからランドセルはスーッと背負わせてくれる。こんな調子なのよね……」

子どもにはそれぞれの時期に応じて発達課題があります。自分で起きる。自分で着替える。自分で歯を磨く。自分で後片づけをする……。それらの課題を上手に乗り越えていけるようにサポートすることが親の役割です。
この場合で言えば、「靴を履く、ランドセルを背負う」などは当然自分でやるべき課題ですね。
それを祖父母がやっているものですから、子どもはその課題に挑戦できずにいます。その結果、学校で何でもペースが遅いと担任の先生から言われ、おそらく本人もしんどいのではないでしょうか。家では何でも祖父母がやってくれるのに、学校では自分でやらなくてはならないわけですから。
本人が自分で発達課題に挑戦しなければ、できるようにはなりません。
成長しないのです。

何がA君の成長を止めているのでしょうか?
それは祖父母の対応です。
では、祖父母にそのような対応をとらせているのはなんでしょうか?
祖父母(親のケースももちろんあります)の「いつまでも幼いままで(かわいいままで)いてほしい。かわいがっていたい」という願望です。言葉は悪いですが、「子どもをペット(着せ替え人形)としてかわいがっていたい」というような願望でしょう。
これは祖父母(親)の願望の一部であって(それも成長させたいという願いに比べればかなり低いレベルの願望です)、祖父母(親)の役割ではないでしょう。
その時々のわが子の発達課題に挑戦させ、それを乗り越えさせるべくサポートすることが、親の役割の本筋です。

わが子が本当にかわいいなら、わが子が将来しんどくなるような、自分のことが自分でできない子に育ってしまうような対応――発達課題を奪うこと――をしないことです。
つまり、その時期にふさわしい発達課題に挑戦させましょう。
(拙著『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』111-113ppより)

このように、親としてのマインドセットも学ぶこともできます。

ご興味がおありでしたら、

👉 『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』

を手に取ってみてください。

タイ・ベトナム・中国でも翻訳出版されたので、それなりに普遍性のある内容だと評価されているのだと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

1歳の頃には1歳の悩みがあり、子どもが育てば、また別の悩みが出てきます。
子育ては、そのつど迷いながら、その時期に合う“地図”を探していく営みなのかもしれません。

今回書いたのは、そんな私にとっての1歳育児の地図の話でした。
そして、幼児期・小学生期の子育てで迷ったときに、私自身が「こんな本があったら助かる」と思って書いたのが、
『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』
です。

子育て真っ最中のパパやママで、「いったいどの本を読んだらいいのか」と悩んでいるならば、まず手に取っていただきたい一冊です。

『パパの子育て奮戦記』では、若い頃に書いた子育て日記をもとに、今の視点から振り返りながら綴っています。
子育ての中の小さな出来事が、どこかで誰かの気持ちを少しだけ軽くしたり、温かくしたりできたら嬉しいです。

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この記事は、2005年8月13日のSo-netブログ原稿「ハウツー1歳児の育児65」をもとに整えた再構成エディションです。

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