《読み始める前に》
3歳だった次女クニコが、母の日に書いた手紙があります。
題名は、
「おかあさんのすきなところ」。
そこには、こんな言葉が並んでいました。
「ほっぺがかわいい」
「ほんをよんでくれる」
「おりょうりをつくってくれる」
「となりでいつもねてくれる」
「おんぶとかだっことかしてくれる」
字はまだたどたどしくて、ところどころ、パパがお手本を書きながら進めました。
でも、そこに書かれていたのは、まぎれもなくクニコ自身が感じていた、ママへの「ありがとう」でした。
その手紙を受け取ったママは、思わずニコッとしました。
私はその笑顔を見て、
「この笑顔には、千金の価値がある」
と思いました。
今回は、少し特別な形でお届けします。
この記事は、2018年7月27日に書いた「あったかい家族日記」第1172号をもとにしています。
その中で、さらにさかのぼって、2006年5月14日の「あったかい家族日記」第190号を引用しています。
つまり、
2006年の子育て日記を、2018年の私が振り返って書いた文章です。
そして今回のnoteでは、その流れをできるだけそのまま残しました。
子どもがまだ幼かった頃。
母の日に、父親である私が少しだけ手を添えたことで、娘たちの中にあった「ありがとう」が手紙になりました。
家族の中の小さな出来事ですが、今読み返しても、子育ての大切な一場面だったと感じます。
パパの子育て奮戦記:第1172号
長女アキコ、次女クニコ、ママ、パパ(私)
子どもが幼いうちからスタートする
「父の日」は父親に、「母の日」は母親に、子どもが感謝の気持ちを表す日です。
そう考えると、「父の日」や「母の日」は、子どもに「感謝や思いやりの心」を育むには、もってこいの家族イベントとなります。
子どもが手作りしたプレゼントや、感謝の気持ちを書いた手紙を受け取るのは、親にとって本当にうれしい「宝物の時間」になります。
子どもにとっても、うれしそうな親の笑顔を見て、「してあげる喜び」を体験するまたとない機会となります。
「父の日」「母の日」は、ぜひとも子どもが親のためにつくる「宝物の時間」の機会としていかしたい日です。
子どもが幼いうちは、親のサポートが不可欠
思い起こせば、自分が小学校時代、「母の日」に近くなると、「お母さんありがとう」と書いてある札付きのカーネーションの注文用紙が学校で配られていました。
お母さんからもらったお金で注文したカーネーションを、
「お母さんありがとう!」
と言って渡していました。
「父の日」については、カーネーションすらなく、子ども時代にプレゼントを渡した記憶は、残念ながらありません。
働きかけがなくても、自分からプレゼントを用意したり、感謝の手紙を書いたりするところまで、心が育っていなかったのです。
でも、親のサポートさえあれば、年少のような幼い子どもでも、感謝の気持ちを表すとても素敵な手紙を書くことができます。
千金の価値のある笑顔をつくり出す「母の日」
明日は「母の日」。
何か母、つまり私から見れば妻に、感謝の気持ちを伝え、喜ばせる企画を考えなくちゃ!
「う~ん、前日の夜となっては、打つ手は限られてくるな~。」
と私。
「やっぱり手紙作戦しかないな。」
と判断して、アキコ(小2、7歳)にこう言いました。
私「アキコ、明日は『母の日』だけど、お母さんを喜ばすことを何か考えているか?」
アキコ「折り紙で何か折ってあげようと思っているよ。」
私「折り紙だけじゃ~な。感謝の手紙なんかもあるといいな~。明日朝、一緒に書こうね。」
こう伝えました。
そして、翌日。
「母の日」です。
私「おい、アキコ。『母の日』のプレゼントを作るぞ!」
アキコ「もうできてるよ!」
私「え~、どれどれ。」
確かに、すでにできていたのでした。
これ以外に、折り紙で作った花と蝶があります。
ほどなくして、クニコ(年少、3歳)も起きてきました。
私「クニコ、今日は『母の日』なんだ。お姉ちゃんはもうお母さんに手紙を書いたんだけど、クニコも書くかね?」
クニコ「クニコも書く。」
私「じゃあ、2階のお父さんの部屋へ来てごらん。」
私「〈お母さんのすきなところ〉、〈お母さんのよいところ〉という題がいいな。」
クニコ「〈お母さんのすきなところ〉がいい。」
私「じゃあ、そう書いてごらん。」
クニコ(「おかあさんのすきなところ」と書く。)
私「う~ん、よく書けたね。おかあさんのどんなところが好きかな?」
クニコ「ほっぺがかわいいところ。」
私「そう~。じゃ、『ほっぺがかわいい』と書いてごらん。」
クニコ(「ほっぺがかわいい」と書く。)
※「わ」という字がうまく書けないので、別の紙にお手本を書いてあげる。以下同様。
私「よく書けたね。他におかあさんのどんなところが好きかな?」
クニコ「本を読んでくれるところ。」
私「本を読んでくれるところね。じゃ、『ほんをよんでくれる』と書いてごらん。」
クニコ(「ほんをよんでくれる」と書く。)
私「よく書けたね。他におかあさんのどんなところが好きかな?」
クニコ「おりょうりをつくってくれるところ。」
私「なるほどね。じゃあ、『おりょうりをつくってくれる』と書いてごらん。」
クニコ(「おりょうりをつくってくれる」と書く。)
私「よく書けたね。他におかあさんのどんなところが好きかな?」
クニコ「クニコのとなりでいつもねてくれるところ。」
私「となりでいつもねてくれるところね。じゃ、『となりでいつもねてくれる』と書いてごらん。」
クニコ(「となりでいつもねてくれる」と書く。)
私「よく書けたね。他におかあさんのどんなところが好きかな?」
クニコ「おんぶとかだっことかしてくれるところ。」
私「おんぶとかだっことかしてくれるところね。じゃ、『おんぶとかだっことかしてくれる』と書いてごらん。」
クニコ(「おんぶとかだっことかしてくれる」と書く。)
私「よく書けたね。他にもまだあるかな?……もういいかな? それじゃあ、『クニコからおかあさんへ』と書こう。」
クニコ(「クニコからおかあさんへ」と書く。)
私「最後に、今日の日付を書こうね。『2006.5.14』って。」
クニコ(「2006.5.14」と書く。)
クニコ「よし、できた!」
私「できたね。これでいいかな。」
クニコ「あと、絵をかく。」
私「じゃ、クレヨンを持ってこようね。」
クニコ(お母さんの顔や花などを描く。)
クニコ「できた!」
私「完成だね。いいのが出来たね!」
この間、朝8時頃からおよそ20分余りです。
完成した手紙は、次の通りです。

クニコ「お母さんに渡してくる。」
下のキッチンへ移動するクニコ。
クニコ「お母さん、これ!」
妻「ありがとう!」
と言って受け取ります。
内容を見て、思わずニコッとする妻。
この笑顔には、「千金の価値」がありました。
(あったかい家族日記 第190号 2006年5月14日)
「母の日」には父親が、「父の日」には母親がサポートを!
親になって思うのは、「お母さんのすきなところ」あるいは「お母さんのよいところ」という題で手紙をもらうことは、とてもうれしいということです。
実際、母親である妻の笑顔は本物でした。
子どもからの心のこもった手紙を読めば、これからも絵本を読んであげたり、遊んであげたり、おいしい料理をつくってあげたり……しようという意欲が湧いてくるでしょう。
子どもが幼いときは、手紙などもらわなくても、十分過ぎるくらいかわいいものです。
そして、そのかわいいわが子から、感謝の手紙をもらえたら、いっそうかわいいと思うのです。
一方、子どもにとっても、お母さんの笑顔を見ることは、何よりもうれしいことなのです。
「母の日」をこうした使い方をしない家庭は、子どもからそのような喜びを奪っているとも言えます。
「母の日」は、子どもが母への感謝の気持ちを伝える日です。
プレゼントばかりでなく、メッセージカードなどの「感謝の手紙」は必ず添えたいものです。
親も子もうれしくなる、そんな機会として、ぜひともいかしたいものですね。
それには、この例のように、子どもが小さいうちは、親のサポートや促しが不可欠です。
「母の日」には父親が、
「父の日」には母親が、
サポートや促しをするとよいでしょう。
◆Key Message
母の日に、子どもが日頃の感謝の気持ちを伝え、心のこもったプレゼントを贈って祝う。
感謝のメッセージとプレゼントを受け取った母親は、満面の笑顔で喜ぶ。
子どもにとっても、そうしたお母さんの喜ぶ姿を見ることは、このうえない喜びとなる。
それには、子どもが小さいうちからスタートして、「母の日」には父親が、「父の日」には母親が、サポートや促しをするとよい。
(あったかい家族日記 第1172号 2018年7月27日記)
今回の文章について
今回の記事は、少し変則的な形になっています。
もともとは、2006年5月14日にSo-netブログ「あったかい家族日記」第190号として書いた文章がありました。
それを、2018年7月27日に第1172号として、あらためて引用しながら振り返ったものです。
そして今、noteで「パパの子育て奮戦記」として再編集するにあたり、できるだけ元の文章を残す形で整えました。
この連載で大切にしているのは、
実際にあった家族の記録を、できるだけそのまま未来へ手渡すことです。
AIを使って文章を整えることはあっても、実際にはなかったエピソードを加えたり、娘たちが言っていないセリフを作ったり、家族の出来事を美しく脚色したりすることはしません。
当時の言葉、当時の温度、当時の迷いや喜び。
それらを大切に残しながら、今の読者にも読みやすい形に整えていく。
それが、このnote版「パパの子育て奮戦記」の基本方針です。
今回は、そのことをお伝えする意味でも、当時の元記事のスクリーンショットを最後に添えています。
この連載が、単なる創作ではなく、家族の日々を積み重ねてきた実録であること。
そして、長い時間を経た今だからこそ見えてくる子育ての意味を、もう一度ていねいに見つめ直していること。
そんなことも感じていただけたら嬉しいです。
この連載で大切にしていること
このnoteでは、AIを使って文章を整えることはあります。
けれど、実際にはなかったエピソードを加えたり、娘たちが言っていないセリフを作ったり、家族の出来事を美しく脚色したりすることはしません。
残したいのは、よくできた物語ではなく、実際にあった家族の日々です。
たどたどしい字も、幼い言葉も、当時のパパの迷いや喜びも、できるだけそのまま残していきたいと思っています。
この方針に共感してくださる方は、ぜひフォローしていただけたら嬉しいです。
あなたのフォローが、この家族の記録をもう一度、必要としている誰かへ届ける力になります。

当時<育児部門>約4千ブログ中で2位 ☝️右上





So-netブログは、2025年3月末をもって閉鎖されました。
うっかりしていて移行手続きをしておらず、「あったかい家族日記」の記録は全て消えてしまいました。約15年間に渡り、1400号余りの記事を書いてきて、しかも1記事平均1時間半もかけて書いてきたので、一時茫然自失状態となりました。
それでも、PDFが1185号まで見つかり、「パパの子育て奮戦記」は、それを元に復刻しています。ただの復刻記事ではなくて、後半には「今、振り返ってみて」や「ワーク」も入れて、子育て真っ最中のパパママに役立つように再編集しています。
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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年7月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約15年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
この文章は、2006年5月14日にSo-netブログで公開された「あったかい家族日記」第190号の文章を、2018年7月27日の第1172号で引用・再構成した記事をもとに、note向けに整えた再編集エディションです。


