《読み始める前に》
「今日は忙しいから遊べない」と思っていた日曜日。
それでも“家族の日”の伝統を守るため、仕事の合間に3時間の遊び時間を設けました。
だるまさんがころんだ、かくれんぼ、室内野球、絵本……その中で、3歳の次女クニコが見せた成長とは?
後段は、遊びの際に親が配慮するポイントを語ります。
パパの子育て奮戦記:第46号
長女アキコ(6歳)、次女クニコ(3歳)、ママ、パパ(私)、祖母(69歳)
忙しい日曜日、それでも「家族の日」
7月10日(日)。本来は「家族の日」。家族とのふれあいを第一に考える日です。ところが仕事が立て込み、前日には「明日は忙しいから仕事をしているよ」と子どもたちに伝えていました。
それでも、何とかふれあいの時間を少しは取りたい。「週1回の家族の日は我が家の伝統」です。ふれあいの時間を持った方が癒されて、かえって仕事にもプラスになると思い直しました。
朝5時から集中して仕事をし、午前中いっぱい集中して仕事に取り組んで、午後に3時間ほど子どもたちと遊ぶことにしました。
子どもたちのリクエスト
朝食の席で聞きました。
「今日、3時間ぐらい一緒に遊べるけど、何したい?」
「今日は忙しくて遊んでもらえない」と思っていた子どもたちは大喜び。
アキコ「かくれんぼと、おにごっこと、野球と、サッカーと、体操と……」
堰を切ったように次から次へと出てきます。
私は提案しました。
「お家は狭くて危ないから、おにごっこより“だるまさんがころんだ”の方がいいんじゃない?」
アキコ(6歳)、クニコ(3歳)「うん、それでいい!」
話がまとまったので、チラシの裏にやる遊びをメモ。
アキコ「いつ?」
私「午前中は仕事をしたいから、お昼を食べてからね。」
と答えました。
昼食後の1時半、遊びのスタートです。
だるまさんがころんだ
じゃんけんで、アキコが負け、鬼。
「だるまさんがころんだ。」 「だるまさんがころんだ。」
「クニコ動いた。」──まずクニコが捕まりました。
「だるまさんがころんだ。」 「だるまさんがころんだ。」
わたしはすばやくタッチして逃げます。
「すすむ、とまれ、いち・に・さん」
私がすばやくタッチして逃げると、恒例のやり取り。
「何歩?」 「1歩。」 「ダメ。何歩?」 「じゃ、2歩。」 「ダメ。」 「じゃ、3歩。」
「ダメ。10歩。」 「しょうがない、いいよ。」
結局、10歩目で捕まります。
次はクニコが鬼。
カエルのようにぴょんぴょん跳んできて(このしぐさ本当にかわいい)、私は“手加減”で捕まりました。
ところが、クニコは「お姉ちゃんは遠いから難しい」と感じたのか、突然「やめる」と宣言。
私「ダメだよ、まだ途中だよ」
遠くからアキコが駆け寄り「早くやってよ!」
そこで買い物に出かけようとしていたママが急遽介入。
「鬼になったら途中でやめちゃダメなんだよ」と優しく諭します。
私が遠くに逃げていたアキコを、捕まえ易いように近くに連れてきて、「あそこ、あそこ。捕まえられるよ。」と励まし。ママの声かけも効いて、クニコはやる気を取り戻し、無事にアキコを捕まえて鬼の役割を果たせました。
かくれんぼで見せた成長
次はかくれんぼ。家中が隠れ家です。これならクニコもお手の物。
じゃんけんに負けた私が最初の鬼。
「いち、にい、さん……じゅう」
「(探しに)行っていいかな?」と聞くと(これに「いいよ。」と答えると隠れたおおよその場所がばれてしまう)、誰も答えません。3カ月前までは「いいよ。」と、クニコは答えていたのですが……。
クニコの成長を喜びながら探索開始。
すぐにカーテンの裏に隠れているクニコに気づきました。
わざと気づかないふりをして、「どこへ隠れたのかな?」と私。
すぐに見つかるとつまらないので、何巡目かで見つけたことにしたのです。
「クニコ、見つけた。」
「キャッ、ばれちゃった!」と、喜ぶクニコ。
こんな調子で鬼を交代。
アキコも、クニコも私と一緒に隠れたがります。
笑い声など出すから、すぐ見つかっていやなのですが💦
おならでバレちゃった!
何度目かの隠れんぼ。クニコと私はお風呂場に隠れました。
アキコが近くを探してもなかなか見つけられません。
「シー」と口止めをすると、クニコもじっと静かにしています。
ところが──「ぷっ〜」と、クニコがおなら。
さすがに、これは黙っているのは無理。クニコが笑って「クニコとパパ見つけ!」となりました。
「いない!」と泣いたあとで
次はクニコが鬼。
アキコと私は2階の和室、敷いてある布団の中にもぐり込みます。
2階へ来たクニコはなかなか気づきません。
「パパ〜? お姉ちゃ〜ん?」(もちろん黙っています)
「パパ〜? お姉ちゃ〜ん?」(シーン……)
「わ〜ん。パパ、お姉ちゃんいない!」と泣き出すクニコ。
私は、さっとふとんから飛び出し、
「大丈夫。パパここ。布団の中にかくれていたんだよ。」と抱き上げました。
遊びが育てるきょうだいの関係
こんな調子で、体操、積み木、輪投げ……夜は室内野球、絵本と続きました。
やっぱり姉妹がいるのはいい。
親が仲立ちをして遊ぶ中で、姉も妹も成長できます。
よく泣くクニコですが、遊びの中で少しずつ確実に成長していることを感じました。
(クニコは、ちょっと前まで朝お母さんが隣にいないと大泣きしていました。)
夜、アキコ・クニコと3人で近くを散歩。
歩いて2、3分のたった頃。
私「そろそろ蛍が出ているかもしれないね」
アキコ「あっ、あそこ。蛍!」
私「ほんとだ〜蛍だ。クニコ、あの光ってるの、蛍だよ」
今年初めての蛍発見でした。
今年初めての蛍発見。歩いて数分のところに蛍が見られる──我が家は自然に恵まれているのだと思います。
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今、振り返ってみて
学期末の忙しい時期でも「家族の日」を守れたことは、今思えばパパとして誇らしいです。
あの3時間のふれあいの時間は、本当に楽しくて──まさに「子育てゴールデンタイム」でした。もし1万円払ってでも、もう一度あの時間を味わえるなら喜んで払いたい(笑)。
振り返ると、ただ遊んでいただけではなく、パパママが“仲立ち”することで子どもたちが社会性を学ぶ場になっていたのだなと実感します。
楽しい遊びになるように配慮する
「だるまさんがころんだ」では捕まりやすいようにアキコを近くに連れてきたり、かくれんぼではすぐに見つけず「なかなか見つからないなぁ」と困ったふりをする。
そんな配慮で遊びの楽しさが増していました。
遊びのルールを伝える
「鬼になったら途中でやめちゃダメだよ」と教えたり、かくれんぼで「声を出さないように」と合図をしたり──。遊びの中でルールを学ばせることで、少しずつ社会性が育まれていったと思います。
安全・安心の土台をつくる
家の中での鬼ごっこは危ないからやらない。泣き出した時にはすぐに抱き上げて安心させる。
こうした安全・安心への配慮があるからこそ、子どもたちは思いきり遊べたのだと思います。
家庭の中でこうした経験を積んだからこそ、学校や友達との遊びの中でもルールを守り、楽しく遊ぶ力が育ったのではないでしょうか。
子どもたちが夢中で遊ぶ姿は、親にとって何よりのご褒美です。
でもその裏で、パパママがそっと仲立ちし、遊びを“学びの場”に変えていたことに、今改めて気づかされます。(2025/09/28記す)
📝 自分に問いかけてみる時間
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子どもとの遊びの中で、子どもにどんな一つのルールを伝えていますか?
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親として、「楽しさ」や「安全・安心」への配慮を心がけていますか?
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もし今の生活に追われて子どもと遊ぶ時間が減っているなら、子どもにとっての「ゴールデンタイム」を逃していないでしょうか?
📝 簡単なワーク
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今日、子どもと一緒に遊ぶ時間を15分だけつくってみましょう。そして、子どもがより楽しく感じるように、配慮してみましょう。
👉 鬼ごっこでも、カードゲームでも、なんでも構いません。 -
遊びの中で「一つだけルール」を意識して教えてみてください。
👉 「順番を守る」「途中で投げ出さない」「ズルをしない」など。
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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年8月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年7月12日にSo-netブログで公開された『3才の妹、急成長中?!』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。