《読み始める前に》
「子どもは、いずれ親から離れていくもの」──親は子どもの自立を願いつつも、一方で「親子のふれあいをずっと楽しみたい」という気持ちがありませんか。ズバリ子どもが中学生・高校生・大学生・社会人…と大きくなっても、ふれあいを楽しめるいい関係でいることは可能なのでしょうか。もしそうあれるとしたら、そのためにはどんな心構えでいたらよいのでしょうか、そのスペシャルな秘訣を語ります。
パパの子育て奮戦記:第18号 長女アキコ(小1・6歳)、次女クニコ(2歳)、ママ、パパ(私)、祖母(70歳)
夜のふれあいタイムは「お引っ越しゲーム」
夜のふれあい時間に、アキコが体育の時間にやったという「お引っ越し」という遊びを、親子四人でやりました。学校ではフラフープを使ったようですが、代わりに座布団を使って遊びました。
座布団の上が安全地帯で、「お引っ越し!」という合図で一斉に別の座布団へ移動します。移動中は安全地帯ではないので、鬼にタッチされたら交代です。
一番喜んだのは、もうすぐ3歳になる次女クニコ。自分が鬼なのに「お引っ越し〜!キャーッ」と逃げたりして、最初のうちはルールをよくわかっていなかったようですが、とても楽しそうでした。
30回以上はやったと思います。20回ほどで「ここまで」と終わりにしたのですが、「もっと!」とアキコが聞かず、今度は父と子の3人でさらに10回以上続けて、ようやくジ・エンドとなりました。
本当に「親とは疎遠になる」のか?
「こんな風に遊べるのは、シングルエイジまで。だんだんと親とは疎遠になっていき、大きくなったら親はのけ者」──そんな話を耳にします。でもそれは、“普通”の決意と関わり方だった場合の話ではないでしょうか。
どこかで「もうこれ以上、関わりたくない」「自立してほしい」と願ってしまうからこそ、距離ができていくのかもしれません。
そういえば、アキコが赤ちゃんの頃、「かわいい、かわいい」と盛んに言っていたら、友人に「かわいいのは3、4歳までだよ」と言われたことがありました。とても信じられないという思いで、当時聞いていました。実際、もうすぐ7歳になるアキコは、やっぱりかわいいのです。
確かに最近では、昔は親だけと遊んでいたのが、友達と夕方遅くまでグラウンドで遊ぶことも増えて、相対的には親とのふれあいタイムの魅力は低下したかもしれません。それでも、かわいいのは同じだし、日中働いている私にすればそんなに違いはありません。週1回の「家族の時間」でのかかわりも大きいし、以前と同じです。
逆に勉強のことでは、アキコが小学校に入学したら、前以上にかかわっています。七田式の通信教育やチャレンジの教材、エレクトーンなどよく見ています。こう見てくると、疎遠になるのではなく、かかわりの質が違ってくるだけのような気がします。少なくとも中学校卒業までは親の教育の出番は、非常に大きいと思っています。
「家庭文化」が絆を育てる
7つの習慣のコヴィー博士の娘シンシアさんの手記を読んだことがあります。要点だけ紹介します。
「日曜日は教会と家族のための日、月曜の夜は“家族の夕べ”。週末も家族活動が入っていて、それは“必須科目”みたいだった。十代の頃はそのことに対して腹を立てる時もありましたが、それが私たちの家庭文化であって、抵抗しても無駄だったので、みんなが受け入れるようになった」(要約)
こうした“家庭文化”が、10代になっても親子の絆を保つ鍵になるのだと、私は思います。
私とママがこの文化を築き、<固い決意とそれを日々継続していく粘り強さ>で守りぬくことができれば──娘が10代になっても、中学生、高校生になっても、かかわりの「質」が変わっても、きっと強い絆は続いていくはずです。
そのためにも、週1回の「家族の日」は家族の生命線。毎日のちょっとしたふれあいタイムも!
その絆は、大学生になって離れて暮らすようになっても、定期的なふれあいの工夫次第で、必ず続けていける。──そう信じて、楽しみながら、たんたんと続けていきたいと思います。
今、振り返ってみて
あの頃の自分の願いや決意を、今あらためて読み返すと──やはり本気だったんだなと思います。そして、その思いは、ちゃんと実を結びました。
この記事を書いている今日は2025年8月2日。昨日、社会人1年目の次女クニコが東京から帰省しました。今日は、祖母を含めた4人でランチと買い物を楽しみ、夕方には妻と私、クニコの3人で長岡花火を見に行く予定です。明日は義母と義兄を招いてランチ会。夜はクニコが妻の実家に泊まりに行きます。
大学時代はコロナの影響もあり、娘とのディナーデートは数回に限られましたが、それでも交流はありました。中学・高校時代は部活や受験勉強で忙しくなりましたが、それでも月1のランチや家族旅行を通して、ふれあいを続けていました。特に部活動のサポート(応援)をすることで、関係は深めることができました。こうして思い返すと、子どもたちが成長しても、ふれあいの時間を大切にし続けられてきたのだと実感します。
現在も奇数月には長女、偶数月には次女とZoomで定期的に話しています。大学を卒業して社会人になった今も、私にとってふたりは「目に入れても痛くないほど可愛い娘たち」です。
思えば、この今があるのは、子どもたちが“親を一番必要としていた時期”“パパママ大好きの時期”──私が「子育てゴールデンタイム」と呼んでいるシングルエイジの時期に、しっかりふれあい、親子の固い絆を築いてきたからだと感じています。
そして、思春期以降の中高生・大学生時代は「子育てシルバータイム」だと思っています。ゴールデンタイムで築いた固い絆があるからこそ、このシルバータイムにも温かな関係性が続く。
その“パスポート”を手にできるのは、やはり最初の時期に本気で関わったパパ・ママだと思うのです。
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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年7月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年6月10日にSo-netブログで公開された『娘が10代になっても一緒にかかわれる絆を維持する』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。