《読み始める前に》
「普段優しい妻が疲れていて、つい子どもにきつく当たってしまった」──そんな夜、パパとしてどうサポートしますか?
一人の夕食は、念願の「壱番屋」カレー
この日、長女アキコは長岡までエレクトーンを習いに出かけました。 送り迎えはママ。往復2時間の運転と、レッスン中の付き添いまでこなしてくれていました。(帰宅は夜8時予定)
祖母は同級会で外出中。というわけで、私は職場から車で5分の「CoCo壱番屋」で一人カレーを食べることにしました。
今月の『FUNAI』著名人ビックトークで、壱番屋の社長インタビューを読んで感銘を受けていたので、実際はどうなのかと体感したいと思っていたからです。
帰宅したママは、かなりお疲れモード
夜8時頃、ママと娘たちが帰宅。 専業主婦とはいえ、長時間の運転と気疲れで、ママはぐったりしていました。 普段ならスルーできるような場面で、次女クニコのわがままに苛立ち、「わがまま言ってる子、嫌い!」と声を荒げるほど。
ママのそんな姿に、私は思いました。
「これは、注意すべき場面か? それとも…」
「誰かの機嫌が悪ければ、それは親切のチャンス」
こんなとき、私が心がけているのは、「誰かの機嫌が悪ければ、それは親切にするチャンス」という言葉です。
クニコには「ほら、お母さんは疲れてるから言うこと聞こうね」とフォローを入れ、ママには「往復2時間の運転、ご苦労様。疲れたろう」とねぎらいの言葉をかけました。
そして、まだ一人では行けない2歳のクニコのトイレに付き添い、寝かけに梅酒を出してママと晩酌。 もちろん、子どもにはいつものように絵本を読み、一緒に遊んだりしました。
先の心がけで対応を続けた結果、寝るまでには妻もずいぶんと気分が落ち着き、穏やかな夜を取り戻すことができました。
今、振り返ってみて
ここで、もし「2時間運転して疲れているのはわかるけど、そんなに叱らなくてもいいんじゃね。」と言っていたらどうなっていたか。ある意味、正論でしょうが、妻としては、疲れているのにわがまま言う次女に苛立つのは無理もないわけで、それを「疲れているのに、もっとがんばれ」と言われても辛いところだったと思います。おそらくは、ハッと我に帰るというよりは、かえって気まずい空気になっていたかもしれません。
妻がイライラしていた根本原因は「疲れ」だったとすれば、まずはねぎらいの言葉をかけて、味方であることを伝える。 そして、さりげなく家事や育児の役割を引き取る──それが、あのときの正解だったのだと思います。
「誰かの機嫌が悪ければ、それは親切にするチャンス」この方針は正しかったと、今もって思います。
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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年7月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年6月9日にSo-netブログで公開された『妻の機嫌が悪ければ、それは妻に親切をする好機となる』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。