近年、オンラインゲームやコンピューターゲームにはまって、夜更かしをする子が増えています。
小学校の教員としての経験則から言えば、夜11時過ぎまで起きている子どもは、忘れ物が多く、教室で集中力も欠いていることが多いです。もっと言えば、遅刻や不登校につながっているケースすらあります。
今回の記事にも紹介してありますが、睡眠不足の弊害は思いのほか大きいのです。
しかし、子どもが小学校低学年ぐらいまでならば、親の決意しだいで改善することができます。
わが家も、睡眠の重要性を再認識して、9時半ないし10時就寝から9時就寝に切り替えました。その実践の記録です。
★『早寝』のススメ 2007.3.21
子育てにおいて、「よい生活習慣を確立すること」は、きわめて重要です。
整理・整頓の習慣、家庭学習の習慣、時間管理の習慣……いろいろ考えられますが、一番大切なことは、正しい食事の習慣であり、次いで睡眠の習慣だと考えています。
なぜトップに正しい食事の習慣を挙げたかなどは、別に機会に譲るとして、今回は睡眠(早寝)の習慣について、考えるところを少し書いてみます。
◆1 なぜ早寝早起きが大切か
早寝早起きが大切と言われます。
2年ほど前だったでしょうか、NHKクローズアップ現代で、乳幼児が夜遅くまで起きている現状について、医学的な見地から大変問題であることが報道されたことがありました。ある幼稚園に招かれた識者が、「夜10時まで子供が起きている日本の現状は、はっきりいって異常です!」と断言されていたことを思い出します。
「寝る子は育つ」といいますが、寝ている間に成長ホルモンが分泌されるわけで、この言葉は医学的見地から言っても、正しいことなのです。
睡眠によって、体は休養し成長します。心はやすらぎ、記憶は再構成され、心身共にリセットされるという大切な役割があるわけです。専門医の経験によれば、「8時前に就寝する子」が健康に育つそうですね。
東京ベイ・浦安市川医療センターCEOで『子どもの睡眠』(芽ばえ社)の著者である神山潤氏は、「夜ふかしの6つもの害」を指摘しています。
1 睡眠不足
2 心身の成長を妨げる:寝ている間に分泌される成長ホルモンの働きが悪くなる
3 生体リズムの乱れ:疲労しやすくなり、食欲や集中力が低下する
4 イライラするなど、感情のコントロールが困難になる
5 食習慣の不健全化:肥満や体調不良を起こす。朝食抜きになりやすく、肥満になりやすくなる
6 メラトニンの分泌が減少する:老化促進・ガン化促進 …これだけの害がある。
◆2 9時就寝に切り替えたわが家
さて、わが家は通常9時半、遅くとも10時就寝というルールを守ってきました。
この3月上旬から、クニコ(4歳、年少)の保育園では、2時間近くお昼寝をしていたのですが、それがなくなりました。もうじき年中になるからです。
睡眠の重要性を考えたとき、これではクニコの健康的な成長にとってきわめてよくないと判断しました。
現在小2で8歳のアキコにとっても、9時半ないし10時の就寝では遅いです。
(知人は、小学校卒業まで9時就寝を守り通しました。)
そこで、これを機会に、子供たちは9時就寝に切り替えました。
妻「9時就寝は難しいわよ。」
私「それはわかっている。ボクだって、子どもとふれあう時間が減るから、できるならこれまで通りでいたいんだ。でも、クニコは昼寝がなくなるし、9時半~10時就寝では遅過ぎるよ。」
結局、これまで8時半に入浴だったのを8時入浴へ、9時15分頃に寝室へ行っていたのを8時45分に寝室へ行くことに変更しました。そして、15分ほど絵本を読んで就寝です。
9時就寝にして2週間。夕食後のふれあいタイム及びそれまでのテンポが全体に速くなっています。それでほぼ守ることができています。
クニコは、翌朝7時まで10時間ぐっすり寝ています。やっぱり睡眠がそれだけ必要なのです。
子どもが健康に成長するために、睡眠は重要です。
少なくともクニコが小学校に入学するまでは、アキコが高学年になるまでは、9時就寝を守るつもりです。
(これでも遅いかもしれないが……)
●拙著『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』の「早寝をスローガンで終わらせない!」(P208〜)には、「夜ふかし(睡眠不足)」への対処法やその弊害が具体的に紹介されています。子どもの「夜ふかし(睡眠不足)」に悩む親御さんは手に取られるとよいでしょう。
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