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②夜ふかし(睡眠不足)ー子育てをめぐる20の悩みー

②夜ふかし(睡眠不足)

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②夜ふかし(睡眠不足) → P183、208へ ●いつも好きなテレビ番組を夜遅くまで見ていて、寝るのが夜11時過ぎになります。朝は遅刻しないように起こすのが大変です。学校では、寝不足で勉強に集中できないでいるんじゃないかと……この面でも心配です。(10歳男児の母)   『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』より

こうした問題に悩んでいる親御さんも少なくないでしょう。

遅刻しないように起きるのは、本来は本人(子ども)の課題です。遅刻して担任の先生に叱られるという経験(「社会的結末」とも言います)をすることで、「次から気をつけよう」と子ども自らがそう思うように仕向けることも一つの方法です。

私は、小学校4年生のある女の子が遅刻をしがちで(コンピューターゲームにはまっていて睡眠不足が背景にありました)、注意してもなかなか改善しなくて困ったことがありました。

本人に解決策を考えさせたところ、なんと本人は「目覚まし時計があればいい。」と言いました。家庭にもそのような解決策を伝え実行してもらったところ、本人の言うとおり改善しました。今から約15年前の実話です。ですから、本人に親の心配を率直に伝えたうえで、解決策を本人に考えさせることもまた一つの方法です。

さて、今回の問題は、遅刻の背景となっている「夜ふかし(睡眠不足)」ですね。これがコンピューターゲーム機・スマホ・SNSの普及に伴って、いっそう悪くなっているのが現状ですね。
専門家によれば、「小学校段階で9時間から10時間の睡眠が必要」と言われます。低学年児童の方が高学年児童よりも睡眠時間が多く必要なので、幅があるわけです。
私の前任校は、児童数300名ほどの小学校でしたが、低学年児童は9時までに就寝、中学年児童は9時30分、高学年児童は10時就寝を「学校のきまり」として保護者に提示していました。この場合、10時就寝で7時起床ならば、高学年児童でも9時間の睡眠を確保できるわけですね。

ところが、現実にはそうした睡眠時間を確保できているのは、半数に満たないでしょう。なぜそうなるのでしょうか。それは、親自身が<睡眠時間を確保する価値>ー裏返せば、睡眠時間を十分に確保できない場合の弊害ーを十分に認識していないために、本気になれない(同じ注意するにも迫力がない。つまり、効き目がない)でいるからだと思います。
実は、わが家も「早寝早起き朝ごはん」というスローガンを知っているだけのレベルでいたときには、本気になれずに低学年にもかかわらず10時就寝ということがよくあったのです。ところが、NHKスペシャルかクローズアップ現代だったと思いますが、「子どもの睡眠が危ない!」というようなタイトルで、睡眠不足の弊害について具体的に訴える番組を見たのです。その番組を見て、「このままではいけない!」という危機感をもち、言い換えれば本気になって、睡眠時間の確保つまり9時就寝に切り替えたのです。
やはり、まずは親が「夜ふかし(睡眠不足)」の弊害を知り、本気になることがポイントです。
東京ベイ・浦安市川医療センターCEOで『子どもの睡眠』(芽ばえ社)の著者である神山潤氏は、「夜ふかしの6つもの害」を指摘しています。
1 睡眠不足
2 心身の成長を妨げる:寝ている間に分泌される成長ホルモンの働きが悪くなる
3 生体リズムの乱れ:疲労しやすくなり、食欲や集中力が低下する
4 イライラするなど、感情のコントロールが困難になる
5 食習慣の不健全化:肥満や体調不良を起こす。朝食抜きになりやすく、肥満になりやすくなる
6 メラトニンの分泌が減少する:老化促進・ガン化促進

これだけの害があるのです。

子どもと大人とでは、必要な睡眠時間がそもそも違います。学校で「学習に集中してほしい」「友達と仲良くしてほしい(睡眠不足だとイライラしがちなので友達とのトラブルが生じがちになります)」「しっかり朝食をとってほしい」「遅刻しないでほしい」……のだったら、子どもの夜ふかしをやめさせて、十分な睡眠時間を確保してあげる必要があるのです。

では、どうしたらよいのでしょうか?
『うちの子、どうして~本』の「→ P183、208」には、「夜ふかし(睡眠不足)」への対処法やその弊害が具体的に紹介されています。子どもの「夜ふかし(睡眠不足)」に悩む親御さんは手に取られるとよいでしょう。

なお、次の記事に早寝へ切り替えた家族の実践例が紹介されていますから、参考にされるとよいでしょう。

■「早寝早起き」実践の記

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