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幼稚園を選ぶ! それは「似たり寄ったり」ではない──父親として本気で選んだ理由

《読み始める前に》

「幼稚園なんて、どこも同じでしょう。」

そう思ってしまう気持ちも、わかります。
けれど私は、どうしてもそうは思えませんでした。

小学校教師として子どもたちを見てきた中で、
どんな幼稚園で、どんな時間を過ごしてきたかは、
入学後の子どもの姿に、想像以上にはっきり表れていたからです。

だから私は、娘の幼稚園を「なんとなく」では決めませんでした。
この園で、どんな力が育つのか。
どんな先生が、どんな考えで子どもに向き合っているのか。
父親として、自分なりに本気で見ようと思いました。

これは、そんな幼稚園選びの記録です。

パパの子育て奮戦記:第74号
長女アキコ(7歳)、次女クニコ(3歳)、ママ、パパ(私)、祖母(69歳)


幼稚園は「どこも同じ」ではない

「かしこく つよく あたたかく」

これは、この3月まで長女アキコが通っていた〇幼稚園の園訓です。

アキコが約3年通った私立幼稚園ですが、私はこの幼稚園を選んで本当によかったと、今でも思っています。

A市からB市へ転勤になり、B市内にアパートを借りて、一家3人で生活を始めました。
当時は、まだ次女クニコは生まれていませんでした。

4歳になるアキコの幼稚園、あるいは保育園を決めなければなりません。
大切に育ててきた自分の娘を預けるのですから、できる限りよい教育環境を選びたい。
私は、そう思っていました。

「どの幼稚園でも似たり寄ったりだ。」

そんな考えは、私にはまったくありませんでした。

私が避けたかった「自由放任」の園

6年前と8年前、私は1年生を担任していたことがありました。
そのとき、8つほどの幼稚園や保育園から子どもたちが入学してきていました。

その中で、毎年ある幼稚園から来る子たちは、どうも落ち着きがなく、行動も荒っぽい。
当時の学年主任は、こう言っていました。

「●幼稚園はいつもそうなの。自由放任で保育しているからね。」

ちょうどその頃、自由放任の保育が問題になり始めていた時期でもありました。
幼稚園、遅くとも低学年のうちに、しっかり躾をする必要があるということが、脳生理学の立場からも語られていたと記憶しています。

私は、その経験から、自由放任の保育をする幼稚園だけは敬遠しようと考えていました。

幼児期は、可能性に満ちた大切な時期

約15年前、ある教育雑誌で「小学校入学時に本当に文字を知らなくてもいいか」という特集が組まれていました。

結論としては、8〜9割、つまりほとんどの子が、文字を読んだり書いたりできる状態で入学してくるのが実態だという内容でした。

幼稚園時代こそが文字を習得するよい時期であり、

「名前を読んだり書いたりできればいいのよ」

と保護者に語るような園は、あまりに無責任ではないか――そんな強い主張もありました。

私自身、七田眞氏の本などを読み、胎児期・乳幼児期こそ可能性に満ちていて、教育上とても大切な時期だと考えていました。

娘の成長は、幼稚園の善し悪しによってかなり左右される。
だからこそ、幼稚園選びは大切だと思っていたのです。

園訓「かしこく つよく あたたかく」との出会い

当時住んでいたアパートの近所にある幼稚園を、ママが3つほど見に行ってくれていました。
パンフレットも持ち帰ってきてくれました。
そのうちの一つが、のちに長女が通うことになる〇幼稚園でした。

私はそのパンフレットを見て、まずこの園訓に惹かれました。

「かしこく つよく あたたかく」

特に、「かしこく」が最初に来ているのがいいと思いました。
単に頭がいいという意味ではなく、知恵や賢さのような、人としての土台になるものを表しているからこそ、最初に置いているのだそうです。

私も一緒に見学に行ったとき、主任の先生がこう言って、2冊の本を貸してくださいました。

「これ、園長の書いた本です。」

私はそれを一気に読みました。
一代で私立幼稚園を開いた方だけあって、しっかりした教育ポリシーを持っておられることに感動しました。

そして私は、「ここなら安心して娘を預けられる」と思ったのです。

実際に通って、園の力を実感した

その幼稚園では、才能教育として知的な取り組みも大切にしていましたし、さまざまな行事を通して、強い心や体を育てることも大切にしていました。
もちろん、躾も大切にしていて、自由放任とはまったく違いました。

私は〇幼稚園に決めました。
結果として、それはアパートからいちばん近い幼稚園でもありました。

今でもすごいと思うのは、運動会の種目にあった800メートル走です。
そのためによく練習していましたし、家でも練習しました。
まさに、強い心と体をつくる取り組みだったと思います。

それから、クリスマス発表会。
市立劇場を借り切って劇を発表していました。
衣装づくりも本格的で、親たちが本物さながらの衣装を考えて作っていました。

今でも、そのときの衣装を記念に取ってあります。
ビデオも残っています。

〇祭りで、市内の園の中でもひときわ目を引いた「よさこい節」の躍動的な動き。
夏の夜の楽しかったキャンプファイヤー。
展覧会。
どの場面にも、園長先生の掲げた方針が、ちゃんと形になって表れていたように思います。

運動会で「よさこい節」を踊った後に

運動会で「よさこい節」を踊ったあとの整列も、きちんとできていました。

スタートで転んでも最後まで走り抜き、4位だった800メートル走。
大きな舞台での劇発表。

どれも、ただ行事をこなしたというのではなく、
まさに園長先生のポリシーが結実していたと思います。

幼児期だからこそ、園選びは慎重にしたい

本当に、この幼稚園でよかった。
当時もそう思っていましたし、今振り返ってもしみじみそう思います。

大事に大事に育ててきた子どもです。
幼稚園は似たり寄ったりではありません。
そして、幼児期こそ教育上とても大切な時期です。

この時期の子どもは、よくも悪くも、先生の言うことや周囲の空気をまっすぐに吸収していきます。
だからこそ、幼稚園選びには慎重でありたい。
私は、そう思っています。

(2005年8月22日記)

**********************

今、振り返ってみて

「あのときの自分」を少し褒めてやりたい

今、振り返ってみて、率直に思うことがあります。

あの頃の私は、
大切な娘のために、少しでも良い教育環境を選ぼうと、
本気で考えていたのだな、ということです。

当時、ママは専業主婦でした。
ですから、幼稚園探しをママに任せてしまうこともできたと思います。

でも私は、そうしませんでした。

実際に3つの幼稚園に足を運び、
先生の話を聞き、
紹介された本も読みました。

そして、園長先生の教育方針に共感し、
「ここだ」と納得して決めたのでした。

今振り返ると、
あのときの自分を褒めてやりたい気持ちになります。

親には「選択する力」がある

実際に入園してみると、
その幼稚園は、園長先生の本に書かれていた通りの方針で運営されていました。

知的な取り組みも、
体を鍛える行事も、
そして躾も。

その環境の中で、
長女は頭も体も、よく伸びたと思います。

もちろん、子どもの成長に最も大きな影響を与えるのは、
言うまでもなく「親」です。

でも、親にはもう一つ、
とても大きな役割があります。

それは、

子どもが育つ教育環境を選ぶことができる

ということです。

学校、幼稚園、塾、習い事。
これらを選ぶのは、基本的に親です。

つまり親は、
子どもの人生に関わる「選択権」を持っているということになります。

「調べる時間」は、決して無駄ではない

だからこそ私は思います。

親は、その選択権を行使する時、
できる範囲でいいので、慎重でありたいものだと。

実際に入園してから

「こんなはずではなかった」

と悩み、トラブルに時間とエネルギーを使うよりも、

最初の段階で
良い園を探すことに時間をかけた方が、
結果としてずっと賢明な場合も多いと思うのです。

もちろん、すべてが思い通りにいくわけではありません。

でも、

・実際に足を運ぶ
・先生の話を聞く
・理念を知る

そうしたプロセスを経て決めた選択には、
親自身も納得できます。

そしてその納得は、
子育ての中で、案外大きな支えになります。

子どもの教育環境を選べる時間は、実は短い

子どもが成長するにつれて、
親が直接選べることは、少しずつ減っていきます。

学校も、友達も、進路も、
やがては本人が決めていくようになります。

だからこそ、
幼児期や小学生の頃は、
親の選択が大きな意味を持つ時期なのかもしれません。

「あのとき、ちゃんと考えて決めた」

そう思える選択を重ねていくこと。

それもまた、
親としてできる大切な子育ての一つなのだと、
今はそんなふうに思っています。

(2026年3月8日)

📝 自分に問いかけてみる時間

少し、立ち止まって考えてみませんか。

子どもが育つ環境について、
自分はどのくらい主体的に関わっているだろう、と。

幼稚園や学校、習い事や塾を、

「近いから」
「みんなが行っているから」
「なんとなく安心そうだから」

そんな理由だけで決めてしまっていないでしょうか。

もちろん、忙しい毎日の中で、すべてを丁寧に比較するのは簡単ではありません。
でも、親には、子どもの育つ教育環境を選ぶことができる力・時期があります。

その力を、わが子のためにどう使うか。
一度ゆっくり考えてみる時間があってもいいのかもしれません。

📝 簡単なワーク

今日、ひとつだけで大丈夫です。
子どもの教育環境について、「なぜそれを選んだのか」を書き出してみてください。

たとえば、

  • 幼稚園 / 保育園

  • 学校

  • 習い事

  • スポーツクラブ

の中から一つ選んで、

「私は何を大切にして、これを選んだのか」

を言葉にしてみるのです。

「家から近いから」でもかまいません。
でも、そこにもう一歩だけ踏み込んで、

  • 何を安心だと感じたのか

  • どんな力を育てたかったのか

  • 本当はどんな環境を願っているのか

まで見つめてみると、自分の子育ての軸が少し見えてくるかもしれません。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
『パパの子育て奮戦記』では、若い頃に書いた子育て日記をもとに、今の視点から振り返りながら綴っています。
子育ての中の小さな出来事が、どこかで誰かの気持ちを少しだけ軽くしたり、温かくしたりできたら嬉しいです。

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この記事は、2005年8月22日のSo-netブログ原稿『私の幼稚園選び! 第74号』をもとに、「今、振り返ってみて」を加えて整えた再構成エディションです。

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