いつもは優しく温和な妻が、予定していた家族旅行の中止を提案したとき、キレた!
妻の怒りから学んだこと。
ディズニーランドへの家族旅行を計画!
もう約20年も前の話である。
当時私は、現職のまま大学院に2年間派遣されていた。
結婚4年目、2歳の長女アキコと妻と3人で、大学の世帯寮に入っていた。
大学院生として2年目を迎えたばかりの、4月9日10日とディズニーランドに家族旅行をしようと決めていた。
専業主婦の妻は楽しみにしていた。
延期の提案に怒る妻
さて、2年間の大学院生活で、修了論文を書かねばならない。私は、ソーシャル(モラル)スキルの研究をしていて、小学校5年生の2クラスに5時間の道徳授業を行い、行っていない2クラスに比べて社会(道徳)性が高まっていることを検証する構想を立てていた。
修了論文の中間発表会があることを知って、その準備に忙しくしていた。
「ちょっと間に合いそうにないな。」と思った私は、妻に「ディズニーランドへの家族旅行、修了論文の中間発表会の準備でちょっと今回は無理。」と言った。
そしたら、妻は怒り出した。そして、こう言った。
妻「中間発表会なんて、わかってたことでしょう。準備しておけばよかったじゃない! だいたいあなたは計画性がないのよ!」
普段温厚な妻だけに、この怒りは効いた。しかも、怒りのオーラが全身から発せられていた。ここまで怒った妻を見たのは、初めてだった。
私(まずい! こんなに妻の怒りを買うとは!)
こんなに怒った妻を見て、よほど楽しみにしていたのだなと思い直した。それに約束していたし。
約束通り行くことに
かくて私は、それから4日間、中間発表会の準備に向けた資料作りに没頭した。そして、完成のめどをつけた。人間、切羽詰まればやれるものだ。
ギリギリセーフで、妻との「家族3人でディズニーランドに行く」という約束を果たしたのであった。
妻もにこにこ。長女アキコもにこにこ。私もにこにこであった。
本当に大事なことでは怒る大切さ!
この家族旅行は、妻が怒りのオーラ全開で怒らなければ、実現しなかった。
妻が「仕事ならしょうがないわね。」と受けていれば、決して実現できなかった。
穏当なところで、「じゃあ、中間発表会が終わってから。」と受けていれば、延期となった。
妻は、そうはしないで、約束を反故にしても言いかえれば家族を犠牲にしても、仕事を優先するという姿勢を「怒る」ことで精一杯変えようとしたのだった。(私も「仕事だからしょうがないだろ。」とは受けなかった。)
家族との約束を守ること。家族との大切なイベントを、仕事の犠牲にしてはいけないことを骨身にしみて学んだ。当時のそうした対応に、今では感謝している。
それ以来、私は家族との大切なイベントを、仕事の犠牲にしたことはまずない。いつも仕事貯金をしておくなりして、大切な家族との楽しいイベントを企画して実現させてきた。そして、宝物のような思い出を共有し、同じ家族でいることの喜びを分かち合ってきた。
要するに、家族として成功するには、「家族を仕事の犠牲にしてもかまわない」というような構えでは決してできない、「家族を仕事の犠牲にしては決していけない」という構えが大前提なのである。
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