職場で心がけていることがある。それは、相手の話をしっかりと聞くということである。仕事を中断し、相手に正対して聞くのである。これは仕事を円滑に進めるうえでも、職場での人間関係を良好にする上でも、とても役に立つ習慣だと考えている。
相手の話をしっかりと聞く 2007.5.20
ー話を聞くメリットー
職場で心がけていることがある。
それは、相手の話をしっかりと聞くということである。
話をしっかりと聞くとは
「しっかりと聞く」とは何か。
1.自分の仕事をしているときに、話しかけられることがある。決して手作業しながらではなく、仕事の手を休めて、聞く態勢に入る。
2.相手の表情を見を見ながら(背中を向けないで体の向きを正対させるようにしている)、言っている内容をよく聞き取る。
3.聞き取った内容に応じて、それをきちんと評価してから、求められたことに対応する。それもできるだけ早く。
同僚の質問に答える
4月は新しい職員が入ってくる月である。新しい職員にとっては、職場が違えば、ある程度やり方が違うし、聞きたいことがいろいろ多くなる。
私が仕事をしていると、今年度、新しく安全点検係となったAさんから質問された。
Aさん「ちょっといいですか。 安全点検カードは、今までどのように処理していましたか。」
やりかけの仕事を中断して、相手を見ながら、話を聞く。しばし考える。
私「昨年度は、転出されたBさんがやっていたんですが、確か『朝会で○日まで点検の上、私の机上にお願いします』とやっていましたね。ばらばらに点検カードが返ってきて、大変そうでした。 (しばし考えて) 大きな封筒を使って安全点検カードを入れを作って、机の脇なんかに貼っておいた方がいいですよ。そして、朝会で『点検後、カードはこの中に入れてください』とやるんです。そして、出したかどうかのチェック用紙も封筒の表に貼っておいて、出したら○を書いてもらうんです。そうすると、誰が出していないかすぐにわかるし、机の上がばらばらにならずに楽ですよ。」
Aさん「なるほど。そうやってみます。」
聞かれたのは、今までどのように処理していたかであるが、丁寧に対応するならば、自然と自分なりのよい処理法を教えることになる。本当に聞きたいのは、効果的な処理法なのだから。
Aさんは、その後、「おかげで助かりました。」と言っていた。
こうして、Aさんが効率的に一つ仕事が処理できれば、その分ゆとりが生まれる。それは、Aさんが担任している子どもによい意味で返っていくのである。
職場というのは、結局のところ人の集合体であるから、職場全体にゆとりが生じてくるとも言える。
また、出した波動は返ってくるのだから、もし私が困ったときも、忙しくてもきちんと対応してくれるようになるわけである。
同僚のBさんの要望に即応える
5月の勤務時間後のことである。仕事をしていると、高学年を担任している同僚のBさんが、やってきた。
Bさん「Fさん、図工の2年生の教科書はありますか。昨日、先生の机上にあったのですが。」
私「あ~、教室にならあると思いますよ。」こう言って、即教務室を出て、2階の教室へ行って、図工の教科書を持ってきて、渡した。
Bさんは、とても喜んでいた。何でも、2年生のわが子の工作のために、材料集めをしたいのだという。
こうして、一時的であれ自分の仕事を中断して、相手の話をしっかりと聞き、対応するということ。やり始めた当初は、「自分は仕事中なのに」と抵抗があったが、慣れてみると、とてもよい仕事の習慣だと思っている。相手のためにやっている自分も心地いいのである。
仕事の手を休めて、しっかりと聞くということ。それはあなたは大切な人ですというメッセージを送っているのである。
しっかりと聞いているのだから、相手の求めていることがよくわかり、的確な対応もしやすい。
結果、相手に感謝され、相手との信頼関係が深まっていく。そして、逆の状況で私も頼みやすくなっていく。情けは人のためならずである。
これは仕事を円滑に進めるうえでも、職場での人間関係を良好にする上でも、とても役に立つ習慣だと考えている。
追記
最近職場で逆のケースに遭遇した。私は体育主任で忙しそうにしているAさんのために、読書感想文の代表を私のクラスから出そうと提案するつもり(読書感想文の添削はけっこう大変な仕事)だったのだが、「忙しいから、後で。」と何度も言われて、その提案をやめた。怒りすら感じた。話を聞こうとしない人は、いい話の場合もあるのに、そのチャンスを逃すのではないかと思う。2019/09/08