ー特別支援学級の子どもに花の名前の由来、漢字の成り立ち……を教えるー
★私は特別支援学級を担任している。特別支援の子どもだから「難しい話はわからない」とか、特別支援の子どもだから「そこまで教える必要はない」とか、はじめから可能性を切り捨てている場合が多い気がしてならない。それでは、その時点で可能性が閉ざされてしまうではないか。私は、はじめから可能性をあきらめることはしない。国語でも、算数でも、生活でも……。 2012.10.7 第925号
◆1 「ワレモコウ」の名前の由来
大根の観察をした後、校舎の周りの草花を観察した。
コスモスが咲き乱れ、なんとワレモコウ(吾亦紅)もたくさん咲いていた。ワレモコウだけ少し取ってきて、教室に生けた。
私<紅白歌合戦>と板書して、「これ何と読む?」
C子さん「こうはくうたがっせん。」
私「よく読めたね。<紅白>の<紅>は、赤色という意味があるんだよ。ところで、この花(ワレモコウ)の名前を知ってるかい?(だれも知らない)ワレモコウというんだよ。ワレモつまり<私だって>、コウ<紅白の紅つまり赤色よ>という意味なんだよ。」
このように話して、採ってきたワレモコウを見せた。
私「ほら、確かに花の色は、赤っぽい色だろ。」
子どもたち「本当だ~。」
◆2【秋桜・秋刀魚…「秋」という漢字の由来】
この後、「秋桜」と書いて「コスモス」を読むことや、「秋刀魚」と書いて「サンマ」と読むことなどをクイズ形式で教えた。
子どもたちは、興味をもって聞いていた。D男など、翌日の日記におもしろかったから、また花の名前のお話をしてほしいと書いていた。
ついこの間は、中秋の名月の話から、初秋・中秋・晩秋の話をした。(最初の初から初とは、はじめという意味があることから、初秋を説明。)
その後は、「秋」という漢字の「のぎへんは」は、イネの形からきていることなどから、秋という漢字の成り立ち(火はあつめるという意味で、イネを取り入れる季節)を話した。子どもは興味をもって聞いていた。(今年はバケツでイネを育て収穫した)
特別支援の子どもだから「難しい話はわからない」とか、特別支援の子どもだから「そこまで教える必要はない」とか、はじめから可能性を切り捨てている場合が多い気がしてならない。それでは、その時点で可能性が閉ざされてしまうではないか。
◉私は、はじめから可能性をあきらめることはしない。まずチャレンジしてみる。そうすると、思いの外、子どもたちがやれるのに驚く。
やってよかったと思う。
(2012.10.7 子どもの可能性を閉ざさない 第925号より)
*関連記事
▶︎特別支援学級で教える面白みー算数「円」の授業からー