将来一人で買い物をするうえでも、家族の一員として貢献するためにも、おつかいは是非ともやらせたいことです。
小2のわが子に初めておつかいを頼んでから完了するまでの様子から、そのポイント、教育上の価値について紹介します。
★はじめてのおつかい 2006.7.26
昨日7月25日は、ほとんど引っ越しに近い、大幅な部屋の模様替えであった。
◆1 アキコにおつかいを頼むことになる
夕方6時近く。
妻「さすがに疲れたわね~。」
私「ふう~これからご飯作るのは大変だろう。食べに行くか。」
妻「もうご飯炊いたわよ。」
私「じゃ~、コロッケでも買いに行くか。」
妻「私、もうくたくた、買いに行くのはいや。」
実母「ほんと疲れたね~。 とてもコロッケを買いに行く気力は残ってないね。」
「魚でも焼けばいいて。」
私「さすがにぼくも疲れたな~。 そうだ、アキコにおつかいを頼んだら。」
妻「できるかしらね。」
私「大丈夫、近いから。」
実母「(アキコが)かわいそうだ!」
私「なんで~、家族の役に立つのがどうしてかわいそうなんだよ。」
「ぼくだって、小学生の時、近所にとうふを買いに行ったりしてたよ。」
実母(……。)
私「交通事故とか誘拐が心配というなら、わかるけど……。」
アキコ「アキコ、おつかい行けるよ。」
◆2 事前に予約とリハーサル
実母「よし、(コロッケを売っている)○○肉屋さんに電話するわ。」
私「そうだね。待たされることもあるから、先にかけて予約しておくといいかも。」
行動の速い実母は、すぐに肉屋さんに電話。
母「もしもし、○○肉屋さんですか。△ですけれど、コロッケ8個とメンチカツ2個お願いします。(できあがるまで)5分ぐらいですか。 はい、少ししたら子どもが一人で取りに行きますから、よろしくお願いします。」
妻「アキコ、『△ですけど、コロッケとメンチカツを取りに来ました。』というんだよ。」
私「『電話した△ですけど、コロッケ8個とメンチカツ2個を取りに来ました。』の方がいいかも。」
実母「8個とか2個とか、いらないて。『電話した△ですけど、コロッケ取りに来ました。』」でいいて。」
私「よし、それでいこう。アキコ、お父さんがお店の人だと思って、言ってごらん。」
自信をもって、おつかいができるように、さっそくリハーサル実施である。
アキコは、なかなか言えないでいたが、私ではなくお母さん(妻)に向かって
アキコ「△ですけど、コロッケを取りに来ました。」
妻「いい感じね。」
私「『電話した、△ですけど』がいいね。もう1回練習ね。」
アキコ「電話した△ですけど、コロッケ取りに来ました。」
私・妻「じょうず、じょうず。」
◆3 おつかい完了とその報告
というわけで、無事リハーサルが終了して、アキコは初めてのおつかいに出かけた。
およそ10分後、アキコが帰ってきた。
アキコ「ただいま、コロッケ買って来たよ。」
妻・私「どれどれ。」
アキコ「はい、これ。」(こう言いいながら、コロッケとおつり、レシートを妻に渡した。)
妻・私「ありがとう!」
私「ちゃんと言えたかい?」
アキコ「(リハーサルどおりに言おうと思ったら)お店に入ったらすぐ『△さんね、はい、これコロッケね。』と渡されたよ。」
私「そうか。電話しておいたからね。(言う練習なんだから、言うまで待ってくれたら、よかったのに。)でも、よくできたね、助かったよ。」
さて、夕食は、アキコが買ってきたコロッケとメンチカツがメインのおかずである。
実母「アキコちゃん、ありがとうね。おいしいよ。」
みんなに「ありがとう。」と言われて、笑顔で満足そうにしていたアキコであった。
親たちが疲れてへとへとだったせいで、思いがけず小学校2年生7歳にして、初めてのおつかいとなった。
こうした家族のために働くことは、本来嬉しいことであり、誇らしいことである。決してかわいそうなことではない。実際、家族みんなに感謝され、ほめられたアキコはとても嬉しそうであった。
こうして少しずつ大人になっていくのだと思う。わが家流にいうなら、あたたかい心が育ち、強くなっていくのだと思う。
このような経験をしないで、お母さんやお父さんに買ってきてもらう。作ってもらう。やってもらう……。こちらの方がずっとかわいそうだー家族に役立つことで自尊心を高める機会、自立する機会がないわけだからーと思うがどうだろう。
*付記
・安全への配慮
・リハーサルの実施
・おつかい後、感謝の気持ちをしっかり伝えること
・1週間後、同じおつかいをお願いした。その時は、リハーサルはなしで、うまくできた。肉屋さんへの電話は、しておいた。