★通知票をどう読み、どう言葉を返すか？！

子どもの成績表は最大の関心をもって受け取り、できる限りの賛辞を贈るべきである！
無関心はもちろん、「よい成績は当たり前」というのも、元気づけられない。がんばりを認めてもらえたり、ねぎらったりしてもらえていないから。

その賛辞の言葉の中に親の価値観ー何を良しとするかーが現れるし、それが子どもに伝わっていく。217

★わが子の通知票をどう読み、どう言葉を返したか？！（2009.3.28）第574号

長女アキコ（小４）が３学期の通知表をもらってきた。父親である私は、アキコに対して一体どのような言葉を返したか？！

通知票に関心をもっていることを表す

24日（火）は、アキコの小学校も、私の勤務校も終業式であった。翌日は卒業式もあり、その前日準備で、私は忙しかった。帰宅後は、疲れた心身をゆっくり休めたいところだった。
しかし、忘れてはいけないのが「アキコの通知票を見ること」だ。
父親がとても関心をもっていることを表す必要がある。
そこで、帰宅後、すぐに聞いてみた。

私「アキコ、通知票どうだったかな？！」
アキコ「アキコの部屋。」
私「持っておいで。」

マンガにはまっているアキコ。こうなると、なかなか意識の切り替えが、難しい。
私に強く促されて、アキコは通知票をもってきた。

通知票をすぐに見る

さっそく通知票を見る私。アキコは集中してマンガを見ている。

3学期も、申し分ない成績だ。
国語・算数・理科・社会……ずらーと、29項目中1項目を除いて、「大変よい」に○がついている。

「生活の記録」においても、「進んで気もちのよいあいさつをする」「学習に必要な道具を忘れないで用意する」以下「学校のきまりを守り、みんなで使うものを大切にする」まで10項目中9項目も「◎」だった。
私は小学校教員だが、「生活の記録」がここまでいい子はめったにいない。

私は、「アキコは、ボクよりずっと優秀だ。頭も、心も。」と、正直思った。

「総合所見」を読む。

「初めての木版画では、風を切ってジェットコースターに乗っている様子を上手に表現していました。全校の作品を見ての鑑賞カードには、構図や人の目の向き、ローラーの生かし方など、作品を見る目も育っているなと感心させられました。話し合いの司会やお楽しみ会の挨拶の担当に進んで手を挙げていました。高学年では、リーダーとしての力を一層、輝かせていってほしいです。」

通知票を読みながら、アキコにどう言葉を返そうか考えた。

言葉を返すタイミングを測る

返す言葉の基本は、よいところ、がんばったところを認める・ほめるということである。

そうしようとしたら、アキコはマンガに夢中で、私の言葉はうわの空。さっぱり聞く姿勢にならない。
「その聞き方ではだめだ！」と強く叱責しようと思ったが、せっかくがんばりを認め、ほめようと思っているのに、叱るところから入ってはダメだと考え直し、夕食時の団らん時間にじっくりと話すことにした。

アキコに言葉を返す

夕食時の団らん時、いつも会話しながら食事しているので、アキコは聞く態勢になっている。

私「アキコは、すごいがんばったよ！　お父さん、とってもうれしいな。『話し合いの司会やお楽しみ会の挨拶の担当に進んで手を挙げていました』と書いてあったのが、特にうれしいよ。アキコは、最後のお楽しみ会でT先生に色紙を贈る提案を先生にヒミツでしたんだろ。お世話になった先生に感謝の気持ちを表したことが、とってもうれしいんだよ。T先生は、とってもうれしかったと思うよ。そういうふうに感謝されると、もっとアキコのためにがんばろうと思うんだよ。そうすると、アキコも幸せになっていくんだよ。」

アキコは、今度はきちんと聞けていた。やっぱり話すタイミングを測ることも大切だ。

以前の記事にも書いたように、

「子どもの成績は少なくとも最大の関心をもって受け取り、できる限りの賛辞を贈るべきだ。」

と思う
無関心はもちろん、「（このぐらいのよい成績は）当たり前。」というのも、元気づけられないと思う。
がんばりを認めてもらえたり、ねぎらったりしてもらえていないから。

私としては、かしこさも、体の強さも、あたたかい心もみんな大切だが、一番といえば、やっぱり「心」だと考えているので、特にお世話になったT先生に感謝したことにしぼってほめた。
このように、通知票を見て言葉を返すことは、親の価値観を伝えるよい機会でもある。