母:いつもの発泡酒(のどごし生)を買ってきてくれの。
ボク:うーん、医者はできるだけ控えるようにと言っていたんだけどね。
1.発泡酒を用意することの功罪
12月7日に緊急入院(小脳梗塞・認知症)して以来、アルコール類は控えさせてきた。小脳梗塞は「たいしたことがない」とわかったものの、認知症には糖質はよくないと医者は言う。
私自身は、発泡酒を飲みかけのまま電気を付けっぱなしにしてテーブルに突っ伏して寝ていた母を何度も発見し対応していたので、これを機会にやめさせたかった。
「また、発泡酒を飲みかけのまま、テーブルに突っ伏して寝ていると困るな。そうなると、石油ストーブも3時間でオートストップがかかるから、寒さで体調をくずす可能性が高いな。電気も付けっぱなしだと眠りも浅くなるし、アルコールが原因でふらついて倒れても困るな。」「アルコール類は利尿作用があり、脳梗塞の関係で水分をできるだけ摂取するように言われていたので、その面でもまずいな。」「寝る直前には飲まない、とも言っていたけど、結果として寝ることになるから、守らせることは無理だな。」
こう判断していた。
一方、本家のTさんからは、「発泡酒の一缶ぐらい人生の楽しみでしょう。」とも言われており、確かにそうだとも思うので、私はどうしたものかと迷っていた。
2.マイナスの影響をどう緩和するか!?
買い物は私抜きに難しくなっていたので、私が買ってこないと発泡酒は手に入らないのである。くり返しリクエストする母。とうとう、私は買ってきてあげることにした。
・350ml缶を250ml缶に減らす。
・認知症によくないという「糖質」をカットしたものする。
こんな判断をしていた。
迷った末、ノンアルコールのAsahiヘルシースタイル「ノンアルコール」カロリーゼロ・糖質ゼロにした。これなら認知症によくない「糖質」もカットできるし、強い利尿作用のあるアルコール分もない。アルコールがないので、そのままテーブルに突っ伏して寝てしまうこともない。これを12缶買ってきた。
・母はそれでも満足した。味が似ていたから。
・こちらにして1週間。夜寝たまま電気が付いていたり、テーブルに突っ伏して寝ていたりすることはない。
こちらに変えてよかったと思っている。
3.「お酒ぐらい人生の楽しみ、好きにさせてあげれば」も一理あるが…
●「お酒ぐらい人生の楽しみ、好きにさせてあげれば」という声も聞こえてきそうだ。その気持ちもあるから、私も葛藤はした。だが、そうすると、今までそうだったように、夜中に母の部屋を見回る必要が出てくる。電気を付けっぱなしにして、テーブルに突っ伏して寝ていないかどうか。もしそうなっていたら、起こしてベッドに入ってもらい、発泡酒の缶を片づけというようにである。しかも、水分の摂取がより必要となる。ただでさえ、水分を摂らせることに心を砕いているのにである。夜中にアルコールでふらついて倒れていないかの心配も必要となる。
こちらに変えてよかったと思っている。
4.いつのまにか親子の立場は逆転していた
●いつもまにか、食事等の用意の面では、親と子が逆転している。親は子どもの健康や好みを考えて、食事を作ると思うのだが、今は成人した子ども(私や妻)の方が、高齢になった親の食事等の用意をしている。末っ子も高3でもうじき家を離れ、東京での大学生活。思わぬところで、子育てにある意味似た、親の介護ということになった。
子育てに占める「食の管理」が重要―とりわけ健康にとってーなように、介護に占める「食の管理」も重要に違いない。
単に親が欲しているからという理由で、買い与えるわけにはいかない。そこには、親の健康管理という重要な役割があるから。
追記
●<子育てに占める「食の管理」が重要>と書いたが、以前に書いた記事「好きな物だけ食べさせるで大丈夫なの?!」の通り、健康管理はもちろん、強い体と賢い頭をつくるうえでも極めて重要である。おいしいからという視点だけでは、絶対にいけないと思っている。