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子どもに早くご飯を食べさせたい! どうしたらいい?

出勤または登校前の朝の時間は、忙しくバタバタしがちなレッドタイムですね。そうした中で焦りすら感じる親の気持ちを知ってか知らずか、なかなかご飯を食べ終えないわが子。ついイライラして叱ってしまいがちです。わが妻もそうでした。

そこで、私はNLPカウンセリングメソッドⅡを使って、相談に乗ったところ、妻は改善への気づきを得ることができました。早くご飯を食べないわが子に困っている母親は多いと思われるので、そのカウンセリングの顛末を紹介します。 

早くご飯を食べないわが子に困っている母 2008.3.15 1582-464

ーNLPカウンセリングメソッドⅡを活かすー

今日3月15日(土)妻が「クニコがなかなか早くご飯を食べないから、出勤時間に遅れそうで困るわ」と言いました。そこで、私は、妻相手にNLPカウンセリングメソッドⅡを使って相談に乗りました。

私「タカちゃん、困っているみたいだから、少しNLPカウンセリングメソッドⅡを使って話を聞いてもいいかな。」

妻「どうぞ。」

私「タカちゃんが、今抱えている問題は何かな?」

妻「クニコ(5歳)が朝ご飯をなかなか早く食べないこと。」

私「タカちゃんにとって、そのこと(早く食べないこと)がなぜ問題なのかな?

妻「出勤時間に遅れると困るから。」

私「そうだよね。早く食べないことからくる二次的な問題は他にないのかな?」

妻「う~ん。(間)あんまり遅いと、世の中は時計で動いているから、周りに迷惑をかけるし……。それから、本人もある程度時計に合わせて動けないと、困ることが出てくるから。」

私「なるほど。世の中は時計の動きに合わせて動いているから、ある程度それに合わせて動けないと周りに迷惑をかけるし、本人も困るのじゃないかということね。」

私「タカちゃんは、いつ頃からこの問題を抱えているのかな?」

妻「う~ん、ずっと前から。もう何年も前からね。」

私「(確かにそうだ。)ずっと前からね。では、ご飯をなかなか早く食べないという問題が最悪だったのはいつだったかな?

妻「う~ん、私が去年4月に勤め出してからかな。」

私「では、誰のせいでこの問題が起きたのかな?」

妻「クニコのせい!」

私「クニコの他にはあるかな?」

妻「う~ん、アキコ(小3,9歳)。アキコが時々話しかけたりして、そのせいでクニコの食べるのが遅くなってる。」

私「アキコの他にはあるかな?」

妻「う~ん、私かな?! 私がもう少し早く起きて、食事を早く作ればいいんだ。」

私「今の質問は有効だったみたいだね。クニコばかりが原因じゃないんだ。」

妻「そうね。」(苦笑する)

私「このクニコが食べるのが遅いという問題は、日常生活において他にどのようなマイナスの影響を及ぼしているかな?」

妻「う~ん、夕食もクニコは食べるのが遅いから、家族で遊ぶ時間がスタートするのを遅くしているし、風呂に入る時間も遅くしている。その結果、寝る時間を遅くしている。」

私「なるほど、それでは望ましい状態はどんな状態かな?」

妻「私がもう少し早く起きて、食事を作ればいいんだ。そうすれば、もう少しゆとりを持ってクニコは食べられる。」

定石では、このあとNLPカウンセリングメソッドⅠへ移るのですが、今回はここまででカウンセリングを終えました。かかった時間は10分足らずでした。
やっぱりNLPは速い。通常のカウンセリングメソッドが自転車だとすると、新幹線並みですね。

この「だれのせいでこの問題が起きたのですか?」という問いが、振り返ってみると面白い。
はじめ妻は、食べるのがとっても遅いクニコにのみ問題があると思っていました。

ところが、この問いによって、クニコに話しかけたりかまったりするアキコにも原因があることに気づきました。そして、遅く起きてしまい食事が出来上がるのを遅くしている自分自身にも原因があることに気づきました。

そして、しまいにはクニコを変えることよりも、変えやすい自分を変えることを選んだのです。これを主体変容とかインサイドアウトといいます。

家庭生活で、相手(子どもや配偶者)を変えたいと思う場面はしばしばあります。
よくない原因も相手に求めがちです。
しかし、家族を考えた場合、一人だけが悪いということは、まずありえません。いろいろな要因が考えられます。今回も話しかけるアキコなども食べるのを遅くしている要因の一つでした。

その中で、自分から変わるということは、大変なようでいて、最も近道かつ効果があるのかもしれません。

家族のいろいろな問題に対して、「だれのせいでこの問題が起きたのですか?」と自問自答してみるのも、有意義ですね。

そして、今回のケースのように、いつも子どもまたは配偶者にむけていた批判の矛先(問題の原因)を、時には自分自身にも向け、主体変容を図ってみるのも、有意義な解決法を見つけるのに有効ではないでしょうか。

追記

これ以外にも、食事中のテレビ視聴が食べるのを遅くしていることにも気づきました。クニコの場合、テレビに熱中すると箸の動きが止まるのです。

原因がわかったところで、具体的な対応です。妻は「早く食べなさい!」とクニコを注意することをやめました。効果がないからです。その代わりに変えやすい自分を変えることを選びました。つまり、もう少し早く起きて食事の準備をすることのしたのです。あわせて食事中のテレビについて、次のようにルールを決めました。「7時10分までに朝食を食べ終わったら、テレビを見てもいい」というルールです。

この対応で、何年も変わることのなかった朝食の場から「早く食べなさい!」という注意がなくなり、しかも時間内に食べ終わるようになったのです。

この事例は、拙著『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』の「イライラ対策4 効果のない方法はキッパリやめて他の方法を探る」(270-274pp)で紹介している事例です。実は、わが家の事例だったのです。

宿題をしない、玄関にカバンが放りっぱなし…など、子どものイライラする行動は多いですね。原因が一つということはまずありません。私の場合、5つぐらいは原因を想定し、それに応じて対応策を考えています。

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