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★わが子がいじめを受けている親の対応ーひたすら聞くだけでも力になれるー

親の三つのタイプ  2005.11.27 第124号ー中1の長女がいじめを受けた経験から

11月17日(木)夜、教育委員会主催の、親業訓練協会シニアインストラクターSさんの講演を聴いた。約1時間の講演だった。

長女がまだ3歳の時に、親業に出会ったSさん。
そのSさんが「私は、この日のために親業を学んでいたのではないかと思う。」と言って、当時中1の長女がいじめを受けた経験を話された。

◆1 ひたすら娘の話を聞いてあげたSさん

あれは、忘れもしない長女が中1の9月1日のことだったそうだ。
長女が帰宅後、様子がおかしいと直感したSさんは、同居しているおばあちゃん、大おばあちゃんに「黙って普段通りにしていて」と言った。そして、自分自身も普段通りにしていたという。

そして夜。寝るときになって、長女が母である自分のふとんの中に入ってきた。そこで長女が今日の出来事をいろいろ話してくれたという。悪口を言われたこと。休み時間無視されたこと……。

母親の自分としては、とてもつらかったが、親業で学んだようにじっと聞いてあげた。こんな状態が2週間近くも続いたという。

そしてある日、長女の方から「担任の先生に電話する。」と言った。その後、Sさん自身が電話を替わり、「先生は何もしなくても大丈夫ですから。」と伝えたという。

そして、Sさんがひたすら聞いてあげると、長女の方で、「あの人には謝らなくっちゃ。」とか自分でやることを考えて一つ一つ実行していったという。

長女は、母親と担任の先生という自分を分かってくれる人がいることを知っていたので、何とか乗り越えることができたという。

この後、Sさんは驚くべきことを言った。

「娘は『あのいじめがあって、今の私がある! 自分は傲慢だった。』と言っていました。」

「いじめられることが成長の機会とは!」と、私は驚いた。

◆2 親の三つのタイプ

さらに、Sさんは三つの親のタイプを紹介した。

一つ目は、わが子に立ちはだかる壁。それを、親がバン!と壊して、「さあ、障害はなくなったよ。安心して進みなさい。」というタイプ。

二つ目は、「壁があるでしょう。あの壁は、この金槌を使って壊してね。ああ、梯子もあるわ。これを使ってもいいかも。それから……。」と、わが子にあれこれ指図するタイプ。

三つ目は、「この壁は娘が乗り越えられる壁だと受け止める。自分から乗り越え成長していけると信じて、ただ黙っている。ただいずれ傷つくだろうから、その時に心に貼ってあげる絆創膏をもって見守っているタイプ。

「壁こそ伸びるチャンス! 自分は、三つ目のタイプでありたい」と講演を結んでいた。

壁とは言い換えれば発達課題であり、基本的に本人が解決することである。従って、基本的に三つ目の方針が正しいと、私も思う。本人には解決するだけの力があり、それだからこそ問題が生じているのだと捉えたい。

ただ、本人が解決するのが基本としても、それに対してヒントを与えたり、サポートしたりすることも親の務めだと思うので、私の場合、二つ目の指図というよりアドバイスもかなりすると思うが……。

一つ目の親のタイプは、親が問題を解いてあげるというもので、それでは本人が鍛えられない。子どもは楽だろうし、親も当面は心配しなくてすむだろうが、子どもはますます親に依存する。算数の計算問題であれ、泳ぐ練習であれ、本人がしなければ本人の成長にならないのだ。

*追記

長くなっので、この続きは、次のブログ記事「我が子が壁にぶつかる日」をお読み下さい。

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