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★いじめによる自殺を防ぐにはー家族がいじめに気づく会話の機会をもつー

最近いじめによる自殺があいついでいる。いじめから守るべき立場にある教師がその大本となったケースすら発生している。愛しいわが子をいじめで失うことがあってはならない。
自殺を防ぐにはどうしたらよいだろうか?!

★いじめによる自殺を防ぐにはー四面楚歌では凡人は死を選ぶー 2006.10.18

◆1 いじめの辛さを打ち明ける場所がないと・・・

昨日のことである。帰宅したら、妻がこう言ってきた。

妻「中学生の自殺の件で、教師が集中砲火を浴びているよ。」
私「そりゃそうだろう。いじめから子供を守るべき立場にある教師が、逆にいじめを引き起こすようなことをしたんだから。飲酒運転で事故を起こしたようなものだよ。弁明の余地はないだろ。」

妻「そうなんだけど、教師がすべて悪いというのは、少し違う気がするわ。」
私「う~ん、そりゃあ、家庭がもっと早くに気づいて、我が子を守るべきだよね。」

妻「テレビの討論会で教師に対して集中砲火だったんだけど、(討論者の一人の)カウンセラーが『どこにもいじめのつらさを打ち明ける場所がなかったことが問題ですね。』と言っていたんだけれど、あれは家庭のことよ。」

私「家庭にも責任は絶対あるね。たとえば、アキコがいじめられて悩んでいたら、その日のうちに一発で分かるだろう。すぐに顔に出る子なんだから。」
妻「たぶん分かると思う。」
私「そうしたら、すぐに手が打てるじゃないか。たとえ学校でいじめられたとしても、家庭がしっかり守れば大丈夫なんだよ。」

◆2 保護者に責められて自殺した教師

このことに関連して、10年ほど前に、隣市の30代の男性教師が自殺した件を思い出した。

たまたま市内の自動車屋さんに行ったら、この件が話題になっていた。

自動車屋さん「隣市の教員が自殺した日は、学級懇談があった日で、ある保護者がバンバンとその担任を批判したんだって。保護者の間では、あの保護者が殺したといううわさになっているんだって。」
私「そうなんですか。」

その後、別のある人から、「子供たちが反発していて、管理職も同僚も、その教師を責めることはあっても、何も助けなかったみたいだよ。」という話を聞いた。

「(子供に反発され、保護者にも責められている)そういうつらい時こそ、管理職として同僚として支えなければならないのに、これじゃあ管理職失格だなあ。」と、そのとき思った。

当時の新聞等によれば、その30代の男性教師(独身)は、アパートで首つり自殺をする直前に母親に電話していた。そして、その3、4時間後に自殺したのだという。
自殺した教師の母親は、くやしくてたまらなかったに違いない。

私は、そのとき、「子供たちと保護者、職場の上司・同僚そして家庭のどれ一つとも支えてくれなければ、まさに四面楚歌で自殺しかないのだろうな。」と思った。

そして、およそ5年前、私は荒れに荒れたクラスを受け持ち、一部子供たちと保護者から強い反発を受け、職場の上司などにも責められ、本当に苦しみ抜いたことがあった。
退職すら考えた。(退職は教師としての死を意味する。)

そのとき、妻や母をはじめ家族は一致して私を味方し、支えてくれた。親友などにも相談した。おかげで、私は退職ー教師としての死ーをしないですんだ。

家族の支えがなければ、退職どころか自殺も考えたかもしれない。

「あなたの方が正しいわ! 辞めてもいいわよ。」という妻、「お父さん大好き!」という我が子がいればこそ、自尊心も保つことができ、退職も思いとどまった。

◆3 いじめに気づき、わが子を守ることができれば・・・

さて、当初のいじめを苦にした自殺の問題である。大人ですら四面楚歌では自殺である。まして、子供、それもいじめとあっては、とても耐え難かったに違いない。守ってくれるはずの教師も守ってくれるどころか敵であり、家庭もわが子の苦しい状況には気づけず、それゆえ支えることもなかったのだろう。その結果がこれである。

もし家族が耐え難い状況にいるわが子にいち早く気づき、支えていれば、違った展開になっていただろう。おそらくは最悪の事態は避けられたのではあるまいか。

今の世の中は危険がいっぱいだ。そんな世の中であればこそ、家族がしっかり気づき支えるようにしていかなければと、気持ちを新たにした一件であった。

*関連記事

わが子でも似たようなことがあったが、↓夕食時の会話で気づいて対処できた。

▶︎「娘が学校で友達に嫌いだと言われた!」

*追記

・我が家は、夕食時にグッド&ニューということで、今日1日でよかったことや変わった新しいニュースを報告しあっている。そこでは、よかったことばかりでなく、困っていることやつらかったことなども、報告しあうようにしている。このような伝統というかシステムをもつことが大切だと思う。

・飲酒運転で幼い子供の命3名を奪った事件においても、飲酒運転をした本人はもちろん、止めないで助手席に乗っていた人、酒を飲ませたお店、市役所の飲酒運転撲滅の取組の甘さ、飲酒を容認するような風潮、取り締まりの警察……それぞれに原因があり、対策がある。今回の中学生の自殺も、いくつか原因があるはずだ。それぞれに対策を打つ必要があろう。

 

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