基本的に仲のよいアキコ(小4)・クニコ(年長)姉妹だが、最近(近年)口論やケンカが多くて困っていた。5月6日に家族で畑に行き、トウモロコシの苗を植えた後、アキコが水やりをしていた。その際、一緒に苗植えをしていたクニコに水がかかり、クニコは大声を上げた。こんな場合、わざとでなくても謝るのが普通だが、アキコは一向に謝ろうとしなかった。そして……。
きょうだい間のトラブルを叱る 2008.5.6
ー子どもを叱るイライラを引っ張らないコツー
5月6日の4時頃。あーちゃん(実母)、アキコ、クニコ、私の4人で畑に行き、草取りをし、トウモロコシの苗を植えるなどした。(妻は高校時代の友人会に参加中)
妹のクニコに謝ろうとしないアキコ
トウモロコシの苗を植えた後、アキコがじょうろで水やりをしていたときのことである。
クニコ「お姉ちゃん止めて、水がかかったじゃない!」
アキコ(私:まずいとは思ったと思うが、黙ったままである。)
私「アキコ、わざとじゃなくても、謝らなきゃだめだよ。」
アキコ(黙ったまま。)
私「学校の友達だったら、絶対に謝るだろ。謝らなきゃおかしいよ!」
アキコ「お父さんだって、(いけないことをしても)謝らないときあるもん。」(と小さめの声で言う。)
私「それとこれとは別だろ。それは謝らない理由にはならないよ。」
結局、その場では謝れなかったアキコであった。
私は内心、「ボクも悪いお手本を示したことがあったかな?だったら、気をつけないといけないな。でも、それとこれは別だ。」などといろいろ思いめぐらしつつ、謝れなかったアキコに怒るやらがっかりするやらしていた。
ただ、強制的に謝らせても、形だけのものになるし、かえって私やクニコに反発心を残すだけだと判断した。その場では、それ以上強く追及することはなかった。
(念のため言っておくと、体罰の類はまったく念頭にない。それはこれまでもそうである。)
謝れなかったアキコに内心怒ったままであった私だが、その後、アキコとクニコを畑から歩いて2分の本屋に連れて行った。そこで、アキコは『伝説の迷路』、クニコは『迷路絵本を100倍楽しむ本』を買い、その際、私は半額補助してあげた。大喜びの二人であった。
家に帰ると、既に妻は友人会から帰ってきていて、夕食の仕度をしていた。
妻に、アキコのことを少し話しておいた。
夕食時に追及しても黙っているアキコ
ほどなく夕食となった。
今日1日のグッド&ニュー(よいこと&ニュースとなるような出来事発表)が一通り済んだ後である。
私「お父さんは、アキコが水をかけたのにクニコに謝れないのはおかしいと思うな。友達だったら、絶対に謝るはずだ。」
妻「悪いと思っていないから、謝れないんだよ。」
私「クニコを軽く見ているからだ。これじゃあ、クニコがアキコによくないことをして謝らなくても、アキコは何も言えないよ。アキコは悪いお手本を示したんだよ。」
アキコ(黙っている。)
夕食後、いつもは一緒にふれあい遊びをするのだが、私は「お父さんは(アキコと)一緒に遊びたくない。」といって拒否していた。
ただし、寝る前のお休みの挨拶はきちんと交わした。
アキコ・クニコ「おやすみなさい。」
私「おやすみ。かわいいよ。」
挨拶を交わして少し落ち着いたが、私はまだ納得していない。
翌朝の出勤時、アキコ、クニコ、妻の3人はいつものように私の出勤を見送ってくれた。
私は、アキコ、クニコとそれぞれハグをして、ほっぺにもいつものようにキスした。(何年も続いているわが家の伝統である)
私は納得していないが、心はやすらぎ、元気が出た。
帰宅後、夕食時、グッド&ニューで一通り1日の出来事について話し合った。
その後、
私「お父さんは、まだアキコの昨日の対応には納得していないんだよな。間違えて水をかけても、お父さんも前によくないことをしても謝らなかったから謝らないって、アキコは言ってたよな。クニコが前に謝らないことがあったから謝らないというならまだしも、お父さんがよくないことをしても謝らないことがあったからだって。お父さんは、おかしいと思うな、それ。」
妻「お父さんはまだ怒っているみたいよ。」
アキコ(黙ったまま。)
クニコ「お姉ちゃん、車に乗った後、小さな声で『ごめん。』って謝ったよ。」(畑から自宅へ車で移動していた。)
私「なんだ、そうなのか。だったら、なぜすぐにそう言わない。」
一件落着。ようやく胸のつかえがとれた。
今回の件の教訓
今回の件の教訓をまとめてみる。
第一に、引っ張り過ぎた。もっと早く解決すべきだった。
本屋に行く前にまたは本屋から戻ってきてすぐに、静かにかつ凛として筋を通してアキコに話し、アキコを信頼して謝るのを待つべきであった。
本を買ってあげたすぐ後などは、よいタイミングだったろう。
第二に、謝れなかったことと関係なく、本を買ってあげたり、「おやすみ。」と挨拶をしたり、出勤時にハグしたり、基本的なあたたかい関係を崩さなかったこと。
これはとってもよかった。おかげで、お互い多少イライラするくらいで、落ち着いていることができた。
イライラしながら車を運転すれば事故につながるし、職場にイライラを引きずったり(アキコにすれば、学校にイライラを引きずったり)すれば思わぬミスや人間関係上のトラブルにつながる恐れがあった。
逆に、懲らしめのために、「本屋には行かない。」とやっていたら、「クニコ(アキコ)のせいで本が買えなかった」とお互いに相手を非難していたかもしれない。
挨拶などのよい習慣や見送り(ハグ)の伝統は、人間関係を修復・維持する素晴らしい働きがあると、強く感じた。
そのようなすごい価値があると、改めて実感した。
(次号に続く)