私の幼稚園選び! 2005.8.22 74号
「かしこく つよく あたたかく」
これは、この3月まで長女アキコ(小1、7歳)が通っていた○幼稚園の園訓である。
アキコが約3年通った私立幼稚園である。この幼稚園に選んで本当によかったと思っている。
A市からB市に転勤になり、B市内にアパートを借りて、一家3人(当初は次女クニコは生まれていない)で生活を始めた。
4歳になるアキコの幼稚園(保育園)を決めねばならない。
大切な幼稚園選び
私は、大切に育ててきた自分の娘を預けるのだから、できる限りよい教育環境を選びたいと思っていた。
「どの幼稚園でも似たり寄ったりだ。」という考えは全くなかった。
6年前と8年前1年生を担任していたことがあった。8つほどの幼稚園(保育園)から入学していたのだが、例年ある幼稚園から来る入学生は落ち着きがなかったし、行動が荒っぽかった。
当時の学年主任は「●幼稚園はいつもそうなの。自由放任で保育しているからね。」と言っていた。おりしも自由放任の保育が問題になり始めていた時期だった。
幼稚園遅くとも低学年のうちにしっかり躾をする必要があると、脳生理学の立場からも主張されていたことを記憶している。
私は、自由放任の保育をする幼稚園だけは敬遠しようと考えていた。
約15年前に既にある教育雑誌では、「小学校入学時に本当に文字を知らなくてもいいか」という特集を組んでいた。
結論は、8から9割つまりほとんどの子が文字を読んだり書いたりできる状態で入学してくるのが実態であること。幼稚園時代こそが文字を習得する良い時期であり、「名前を読んだり書いたりできればいいのよ。」と保護者に語るような園は、全く無責任で犯罪的ですらある……と主張されていた。
私自身七田眞氏の本などを読み、胎児・乳幼児期こそ可能性に満ちており、教育上大切な時期だと信じていた。単に経験ばかりでなく知的な取り組みをも大切にする園がいいなと考えていた。
娘の成長はかなり大きく幼稚園の善し悪しによると考えていたので、幼稚園選びは大切だと思っていた。
3つの園から通う園を選ぶ
さて、当時のアパートの近所にある幼稚園を、妻は3つほど訪問してきた。パンフレットももらってきていた。そのうちの一つが、後で長女が通うことになった○幼稚園だった。
○幼稚園のパンフレットを見て、「かしこく つよく あたたかく」という園訓に惹かれた。「かしこく」がトップに来ているのもいい。(単に頭がいいというような意味ではなく、知恵というか賢さを表し、ベースにあるものだからトップに置いたのだそうだ。)
私もいっしょに行ったとき、主任の先生が「これ、園長の書いた本です。」と言って2冊の本を貸してくれた。一気に読んだ。さすが一代で私立幼稚園を開くだけのことはある。しっかりとしたポリシーをもっていると感動した。
才能教育として知的な取り組みも大切にしていたし、いろいいろなイベントで強い心や体を作ることも大切にしていた。もちろん、躾も大切にしており、自由放任では全くなかった。
私は○幼稚園に決めた! 結果としてアパートからも一番近い幼稚園だった。
今でもすごいと思うのは、運動会の種目にある800メートル走である。そのために、よく練習していた。家でも練習した。まさ 強い心と体をつくった。
されからクリスマス発表会。市立劇場を借り切って、劇発表をしていた。衣装作りからすごい。まさに本物の衣装を親たちが考えてつくっていた。
今でも記念に衣装をとってある。そしてその時のビデオも。
○祭りで、市内の園のなかでトップで踊った「よさこい節」での躍動的な動き。夏の夜の楽しかったキャンプファイヤー、展覧会……。
整列などもきちんと躾けられていた。
スタートでころんだけれども、がんばり抜いて4位だった800メートル走。大舞台で劇発表をしたことなど、まさに園長先生のポリシーが結実していたと思う。
本当にこの幼稚園でよかったと、当時も今もしみじみと思っている。
大事に大事に育ててきた子どもだ。幼稚園は似たり寄ったりではないし、幼児期こそ教育上大切な時期である。それこそ無批判・無抵抗に先生を是として何でも吸収してしまう時期でもある。
幼稚園選びには、慎重でありたい。
追記
2019年9月の今思うに、3つの幼稚園から選べたこと自体、幸せだったと思う。なぜなら、園にすら入れない実態もあるからである。そのような実態の改善を心から願う。