《読み始める前に》
子どもが小さいうちは、親の思いや価値観は、語るよりも背中で見せるもの。
そして、大人になると、ゆっくり語り合う時間はなかなか取れなくなります。
それでも、生き方や人生観を自然に伝える方法があります──それが「本と手書きのメッセージ」を贈ることです。
パパの子育て奮戦記:第24号
長女アキコ(27歳)、次女クニコ(23歳)、ママ、パパ(私)、祖母(89歳)
長女27歳──誕生日の贈り物は「希望通り」と「伝統の本」
山梨に住む長女が、27歳の誕生日を迎えました。
家にいた頃は、
① 豪華な料理とケーキ
② お祝いメッセージ
③ プレゼント
の3点セットで祝ってきました。近所の義母・義兄も招待して、にぎやかな誕生日会がわが家の恒例でした。
大学進学で家を離れてからは、プレゼントとメッセージだけになりましたが、欠かさず続けています。
今回は、本人希望の「嵐のDVD」とLINE祝福メッセージを贈りました。
以前、妻へのサプライズで電動歯ブラシを贈ったら全く使われなかった経験から(笑)、今は希望を聞く方式に。結果、100%喜ばれるようになりました。
20年以上続く、メッセージ付き本のプレゼント
わが家には、ユニークな伝統があります。
それは──誕生日に必ず「メッセージ付きの本」を贈ること。
その年齢や状況に合わせて本を選び、裏表紙の内側に手書きでメッセージを添えます。
著者の言葉を借りて、わが子に伝えたい生き方や知恵を託すのです。
今回、長女には『前祝いの法則』(ひすいこたろう・大嶋啓介)を贈り、こう書きました。
🔹『前祝いの法則』
27才の誕生日おめでとう!
『前祝いの法則』というのは、
日本古来の「予祝」という
夢を叶える方法だよ。
『決めた未来しか実現しない』
『ブレイン・プログラミング』に並ぶ
願いを叶える方法だよ。
きっと陽子の夢や願いを
叶えるのに役立つと思うよ。
それを願って。
2025.8.8 父より
次女には『自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと』を贈り、帰省時にはすでに読了。
二人とも本好きに育ってくれたおかげで、この習慣は喜ばれています。
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今、振り返ってみて
──3才ごろから続けてきた伝統“パパからの愛のメッセージ”
子どもが大学生・社会人になっても、生き方や人生観を伝えるのは難しいものです。
でも、この「誕生日にメッセージ付きの本を贈る」伝統のおかげで、そうした思いをずっと届け続けられています。
たとえば、長女にも次女にも、就職が決まった時点に、千場弓子『楽しくなければ仕事じゃない』をプレゼントしています。
(👉 書評も書いたのですが、Amazonトップレビューになっています)
贈った本について、感想を聞いたり、話し合ったりすることもあります。
ただ、幼い頃に本に書いたメッセージは、当時の子どもには、わからなかったかもしれません。
でも、その本を自分の子どもに読んであげるとき、私のメッセージを読んで、きっと感じることがあると思います。
たとえば、4歳の誕生日に贈った絵本『そらまめくんとめだかのこ』には、こんなメッセージを添えました。
🔹『そらまめくんとめだかのこ』(なかや みわ)に書いたメッセージ
(2002年8月8日 長女アキコが4才になった日)
たんじょう日 おめでとう
太陽のように 明るく みんなの役に立ち
中心になって活躍する子
そんな子になってほしいという願いをこめて
平成14年8月8日 東京において父より
これからも、私か子どもかが亡くなるまで続けるつもりでいます。
つまり、パパからわが子への愛のメッセージを贈る「伝統」ですね。
もしこれは素晴らしかった!とわが子が思っているならば、きっと自分の子どもにも同じようにするでしょう。
こうして伝統は引き継がれていくのです。
📝 自分に問いかけてみる時間
この特別な“親子の伝統”をスタートするには、
ぜひわが子に読んでほしい本を選んで、それを贈る理由を一言添えるだけで十分です。
別に誕生日にこだわらなくてもいいのです。
素敵な本に出会った、わが子にもぜひ読んでもらいたい!
そうしたタイミングでもいいのです。
📝 簡単なワーク(2つの問い)
①今の、わが子にも読んでほしい本は何ですか?
②その本を贈る理由や、そこに込める願いは何ですか?
「今の、わが子」ということが、最大のポイントです。
・今のわが子が興味のもてそうなこと。
・今のわが子に役立ちそうなこと
これがピッタリとハマった時、子どもは喜んで読み、本からの学びを活かすでしょう。
※付記:ただし、これが子どもに心地よいプレゼントとして成り立つには、「本好きに育てる」必要があります。
どうやったら、「本好きに育てる」ことができるの?
私の作った、次の二つの動画を見るとわかります。