《読み始める前に》
日々の仕事に追われて、「家族の時間」が後回しになっていませんか?
ある晩、くたくたに帰宅したパパがふと我に返り、「仕事と家庭のバランス」を取り戻すために決めたこと──。
パパの子育て奮戦記:第24号
長女アキコ(6歳)、次女クニコ(2歳)、ママ、パパ(私)、祖母(70歳)
くたくたで帰宅した日のこと
私は小学校の教員です。この日は、授業だけでなくいろいろな仕事が重なり、くたくたでした。
家に帰ると、いつもなら子どもたちのお迎えがあるのに、それもない。(木曜日は長岡のエレクトーンの日だったことを思い出し、「なるほど、この疲れはそのせいもあるか…」と、妙に納得。)
久しぶりに母と二人で、少しだけ会話を交わしました。
家族とのすれ違いに、ふと気づく
その後、ママと娘たちが8時ごろ帰宅。けれど、あまりの疲れにほとんど会話もできず、私は10時前には布団に入りました。(ちなみに起床は4時30分。さすがに疲れます…)
決意──「28%の労力ダウン、10%の質アップ」
4月から「新学年のスタートは肝心」と思い、昼休みもまったく取らずに突っ走ってきました。
でも、そろそろ限界。
ここで何とかしないと体がもちません。
そこで、私は決めました──
労力は28%カットして、そのぶん質は10%アップする仕事法・システムをつくる。
たとえば、「昼休みを15分だけでもとる」ための工夫をすること。
こうして自分が決心したことで、工夫やアイデアはきっと湧いてくるはずだと信じています。
「本当に大切なこと」に時間をさくために
世の中には、仕事が忙しすぎて家族との時間を持てないご家庭も少なくないでしょう。
私自身、以前の職場では、週3回も夜中の1時過ぎまで仕事をしていたこともあります。
でも、やっぱり考えてしまいます。
「今、自分が一番大切にしたいものに、ちゃんと時間をさけているのか?」
そう思うならば──思い切って「職場を変える決断」も必要かもしれません。
忙しさの正体は、自分の心にある
よく考えてみると、「忙しい職場」や「多すぎるタスク」も、最終的には自分の選択の結果なのかもしれません。
誰かのせいではなく、自分の心がつくっているもの──だからこそ、自分で変えられるはずです。
「まず決めること」──そこから、すべてが変わっていくのだと、改めて感じた一日でした。
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今、振り返ってみて
──「何を大切にするか」を決めることから始まる
この時期、私は本当にくたくたでした。
当時、私は新しい学校に転勤し、その学校で初めて開設される特別支援学級の担任として、目の離せない子どもたちと向き合っていました。
朝の職員会議も出られず、メモだけを受け取り、昼休みも子どもと一緒。
職員室でほっと一息つく時間もない。
気づけば、疲れ切ったまま帰宅し、家では家族と関わる気力がほとんどなくなっていたのです。
それでも、「家庭でもパパとしてがんばらないと…」と思ってがんばっていました。
けれど、ある晩、自分でもびっくりするほどぐったりして布団に倒れ込んだとき、ふと気づきました。
このままじゃ、仕事も家庭も、そして自分自身も壊れてしまう。
そこから私は「少しでもいいから余裕をつくろう」と決めました。
昼休みを15分だけ取る。労力を28%減らし、質を10%上げる仕事の仕方を考える。
その工夫が湧いてくる前提は、自分の価値観を見つめ直して、「何を大切にしたいのか」を問い直すことでした。
結局のところ、
✔️ 働き方のテクニック
✔️ 時間の使い方の工夫
✔️ タスクの優先順位づけ
──そういったことよりも先に必要だったのは、
「自分にとって一番大切なものは何か」
「そこにちゃんと時間とエネルギーを注げているか」
を、自分自身に問うことでした。
そして、勇気をもって「自分はこれを大事にしたいから、ここに時間を使う」と決めること。
この“内なる決断”があって初めて、初めてさまざまな工夫が湧いてきて、事態が好転していくと思います。
そして、自分の大切にしたい価値観で、実際の仕事や家庭生活の中で本当に大切にして生きることができた時、「本当の意味での安らぎ」が生まれてくるのだと思います。
📝 自分に問いかけてみる時間
本当は、何を大切にしたいですか?
心の底では大切にしたいと思っているのに、 現実では後回しにしてしまっていること、ありませんか?
たとえば、もっと家庭を大切にしたいのに、仕事ばかりを優先している。 本当は休みたいのに、予定を詰め込み続けてしまっている。 そんな自分に、ちょっとだけ問いかけてみましょう
📝 簡単なワーク(2つの問い)
①自分が大切にしたいと思っているものは何ですか?
②今、その「大切なもの」を本当に大切にできていますか?
忙しい毎日の中で、立ち止まること自体が難しいかもしれません。でも、時には立ち止まって見つめ直すことで、状況が好転するきっかけになるかもしれません。一つでも、箇条書きでも大丈夫です。
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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年7月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年6月16日にSo-netブログで公開された『本当に大切なものに時間をさけるような環境作りは決意から』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。