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★「習い事をどうするか」を妻に丸投げでは、父親の権威は失墜する! 

臨時家族会議を開いた。

議題は、次女(年中、5歳)の幼児体操教室入会の件と

長女(小3、9歳)の通信料理教室受講の件である。

父親は、このようなことに積極的にかかわってしかるべきである。

そのような不断の努力があって初めて父親の権威は維持され、

子どもとの信頼関係も維持される。 

習い事をどうするかは、重要な家族会議の議題である 2008.3.11 

週の中頃のことである。

妻「クニコが幼児体操教室に入りたいんだって。」
私「体操教室!? よし、アキコは、友達のAさんがやり始めた通信料理教室のコースをやりたいみたいなことを言っていたから、日曜日に家族会議で話し合うか。」

日曜日の夕食後、しばし子どもとのふれあい遊びを楽しんだ後、

私「よし、家族会議をやるぞ!」

予定通り、クニコの幼児体操教室入会の件と、アキコの通信料理教室の件について話し合う家族会議を始めた。

◆1 クニコの幼児体操教室入会について

妻「これ、体操教室のパンフレット。」

妻から渡された体操教室の入会案内書やパンフレットを読む。

「幼児期における運動の重要性」というタイトルのもとに、「神経系の発達は、6歳までに90%、10歳までに100%が完了します」とあって、スキャモンの発育曲線が紹介されていた。
「スキャモンの発育曲線なんて懐かしい。今でもこれを使っているのか。」などと思いながら、パンフレットを読み進める。要するに、10歳までに神経系統は発達はほぼ完成するので、「幼児期は、神経回路を発達させ、コーディネーション能力を伸ばすのに絶好の時期である」ということだ。私の専門分野の話であり、基本的には既知の内容である。

クニコの幼児体操教室入会については、「本人がやりたい。」と言っているのだし、〈かしこく・強く・あたたかく〉をモットーに、知徳体バランスよくわが子を育てたいと考えているので、私は基本的に賛成だ。
その上で、クニコに次のように聞いた。

私「クニコは、どうしてこの体操教室に入りたいの?」

クニコは、パンフレットに載っていた縄跳びや跳び箱をしている子供の写真やイラストを見ながら、
クニコ「縄跳びがうまくなりたいから。」
と答えた。

私「縄跳びがうまくないたいね。それから。」
クニコ「跳び箱がうまくなりたいから。」

私「跳び箱がうまくできるようになりたいんだね。 でも、それだけが理由じゃないだろ。」
クニコ「AさんやBさんもやっているから。」

私「AさんやBさんと一緒に運動したいということかい。」
クニコ(うなずく)

私「やっぱりね。これが一番の理由だな。」
アキコ「そうだ。ほとんど友達(がやっているから)だ。」

私「お父さんは、クニコに〈かしこく・強く・あたたかく〉育ってほしいと思っているんだよ。体が強く育ってほしいから、基本的に賛成だよ。(クニコ嬉しそうな顔をする)そういえば、アキコも年長のとき1年間K体操教室を幼稚園で受けたよね。楽しそうだったし、おかげで運動の力が伸びたよね。」(アキコの場合、N市に住んでいたので、別の幼稚園に通っていた。一時登園をしぶった時もあったが、体操教室に通うようになったら、アキコは元気を出した。)

妻「そうだったわね。」

私「あとは体操教室のある時間帯とお金だね。」
妻「時間は、火曜日の3時から4時(3時50分)。保育園が終わって、そのまま保育園であるから、問題ないわ。あと料金は、1カ月4000円ね。」
私「4000円か。う~ん、それぐらいならいいだろう。」

妻「あと市でやっている体操教室もあって、そちらはもっと安いけど。」
私「いや、保育園でそのまま続けてある方が、移動が楽でいいだろ。それにA幼児体操教室はもともとK体操教室(全国展開している)だったから、質的にもいいだろう。」

妻「(クニコと)仲良しのCさんも入会するかどうか迷っていたみたいだから、連絡しておくわ。Cさんは(料金の安い)市の体操教室に行くかもしれないわ。」
私「Cさんに関係なく、A幼児体操教室に決めていいと思うよ。」

こういうわけで、クニコも、アキコと結果的に同じく、年長で幼児体操教室に通うことに決めた。

◆2 アキコの通信料理教室入会について

続いて、アキコの通信料理教室入会についてである。

アキコについても、どうしてしたいのか、通信料理教室の内容等々、いろいろ話を聞いた。

大まかには、通信料理教室のあるコースをとるか、料理の本を買うなり借りるなりしてその本を参考につくるかのどちらかである。どちらにしても、お母さんのサポートが必要だ。

通信料理教室のコースでは、作り方のマニュアルの他に材料や道具(クッキーの枠など)まで付いてくるらしい。その分、何を作るか考えたりしないで済むし、その準備も楽で簡単である。

私としては、それでは逆に余り面白くない。自分で何を作るかいろいろ考え、必要な材料を調べ用意することにも、大きな価値があると、教師の私は考えるのだが。

そんな私の考えも伝えたのだが、なにぶん資料がなさ過ぎる。通信料理教室の内容についての資料が全くないのである。(パンフレットを捨ててしまったらしい。)

それで、この件をどうするかは保留となった。まずは資料集めとなった。

◆3 習い事について家族会議で話し合う意義

さて、今回臨時家族会議の中味「体操教室と通信料理教室の入会の件」を紹介したが、こういう大事な問題は、父親が(も)必ず話し合いに参加すべきだと思う。

第一に、わが子の教育・生活全般について関心をもち、適切な教育環境・生活環境を創り出す(守る・維持する)のは、親(父親)の大切な役割であるからである。
習い事については、よく吟味し、適切なアドバイスをしなければならない。

第二に、わが子の願いを受け止め(今回は二人とも子どもの方からの発案であった)、それに真摯に対応することは、子どもからの信頼を高めることになるからである。
逆に訴えても訴えても真摯に聞いてくれないとなれば、間違いなく子どもの信頼は低下する。

第三に、わが子の判断力や説得力を鍛えるよい機会となるからである。
親から「どうしてやりたいのか」聞かれたり、親の視点からのアドバイスを受けたり(例えば、通信料理教室よりも本を買って自分で材料を用意した方がいい)する中で、判断力が鍛えられる。
また、この場合、願いをもっているのは子どもの方で、子どもが親を説得することを学ぶよい機会でもある。

間違えても、「忙しいから、タカちゃん決めておいて」というように、妻である母親に丸投げしてはいけないと考えている。
断言するが、そんなことをすれば、その分父親の権威は間違いなく低下する。

わが子は、「鍵を握るのはお母さんなんだ!(お父さんはどうでもいいんだな。)お母さんだけ説得すればいいんだ。」ということになり、わが子の父への権威は低下する。(たとえとしては不適切かもしれないが、役所が天下りできるほどに強い影響力を行使できるのは、業界についていろいろな許認可権がもっているからである。)

妻は、「大事な子どもの習い事について関心が無いのかしら!もうお父さんになんて相談しないわ。」ということになるかもしれない。おそらくは妻の信頼も低下する。それは、言い換えれば、父である夫への権威の低下である。

わが子に関心を示し、しっかりとわが子の願いを聞き取ってあげ、質問したり、アドバイスしたりしながら、わが子にとってよりよい教育環境・生活環境を創り出していくことは、親の役割であると同時に責任である。
と同時にとても楽しいことだ。

こうした中で、わが子との信頼関係も築かれていくと考えている。

・家計上、子供の願いを聞いてやれない場合もあろう。その場合は、子供の願いを十分聞いてあげた上で、事情を真摯に話す必要がある。

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