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家計も学びも株主優待から──“パパ投資”の小さな成功と大きな気づき

《読み始める前に》

キティちゃんのグッズに娘たちは大喜び──と思いきや、そこには小さな葛藤もありました。パパとして感じた“譲る気持ち”の芽生え、そして家計を助ける株主優待ライフのあれこれ。育児と投資がさりげなく交差する、ちょっとお得な日常をご紹介します。

パパの子育て奮戦記:第47号
長女アキコ(6歳)、次女クニコ(3歳)、ママ、パパ(私)、祖母(69歳)


サンリオの優待がやってきた!

7月13日、サンリオの株主優待が届きました。
中身は、ハローキティのバッグと財布、サンリオキャラクターのDVD、そしてピューロランドのチケット3枚。

バッグと財布を見て、真っ先に思ったのは、「姉妹でケンカにならなきゃいいけど…」ということでした。
でも、アキコがバッグを、クニコが財布を選び、ケンカにならずにすみ、ほっと一安心です。

とはいえ後から、クニコが「ホントはバッグが欲しかったんだよ」とポツリ。
その言葉に、心が少しざわつきました。
アキコが姉だから譲ったのか、ケンカしたくなかったのか、どちらの賞品もまずまずと思ったのか──本当のところはわかりません。

株式投資とのつきあい方

株式投資は、私が7〜8年前(当時)に長谷川慶太郎さんの『投資クラブで資産を殖やせ』という本を読んだのがきっかけでした。
人に勧められたわけではなく、この本を読んで自分でもやってみようと思ったのです。

生活の根底を脅かさない範囲内でしたが、信用取引も行い、まさに“天国と地獄”を経験しました。金額的には地獄7:天国3。高くつきましたが、それも今では授業料(株熱中症への免疫料)として前向きに捉えています。

おかげで株の恐さや魅力、そして株で失敗しないための、裏返せば“勝つための”、いくつかの鉄則を骨身にしみて学びました。ただし、この点については、長くなるし、本ブログのテーマではないので割愛します。

地元の証券会社から始まり、松井証券、株ドットコム証券と、取引する証券会社は移り変わっていきました。
現在は、ずっと株式投資画面を見ていなくても自動売買してくれ、リスク管理にもすぐれている株ドットコム証券を活用しています。

今は、株式投資にのめり込むこともなく、仕事中気になってしかたがないということも全くなく、落ち着くべき所に落ち着いた感じです。

我が家の株主優待セレクション

今回ご紹介したサンリオ以外にも、我が家ではいくつかの株主優待銘柄を保有しています。

  • ワタミ
    和民などの食事券、有機野菜、有機アイスクリーム、フラワーなどから選択可。社長の渡邉美樹さんの講演を聴き、本も読んですばらしい人だと思ったので株式購入。配当もよい。
    近年は金・土曜日および宿休日に前日に該当する営業日には使えなくなったし、一人様1回1枚1000円の使用に限られたので、新潟県に在住する私は、食事券でなくアイスクリームを選択したり、フラワーを選択したりしています。

  • ベネッセ
    進研ゼミなどの教育関連事業が豊富。優待では図書券2,000円分や辞典などが選べます。娘の入学時には国語辞典と漢和辞典を選びました。今回は図書券にしました。もちろん配当もあります。

  • ドトールコーヒー
    アイスコーヒー、ココア、カフェオレ、ミルクティー各1000ml入りが4本も届き、美味しくいただいています。

  • ジャストシステム
     一太郎などのソフト購入時に、優待として3,000円のキャッシュバックがあります。

  • その他
     文教堂(5%割引)、サカタのタネ(フラワー金券や冊子)、三菱マテリアル(ゴールド購入時の割引)なども、意外と使える優待たちです。

一番重宝してきたのはワタミで、東京に研修に行ったときにこれまで万単位でお金が浮き、しかもおいしい料理を味わうことができました。
100株で、半期6000円の食事券がつき、配当が一株5円だから、預金金利よりはるかにいいです。

株主優待の魅力と教育のギャップ

株主優待がなくても、1%台の配当を得られる銘柄はたくさんあります。しかも、日経平均株価から見ても、まだ割安な水準です。

正直、この超低金利時代に「どうして預金だけで満足できるのか」と疑問に感じていました。
結局は「お金の教育」が国としてまだまだ足りていないのでしょう。
小泉首相からして「株価に一喜一憂しない」などとメイ言を発していたくらいですから。

もし興味がある方は、Yahoo!ファイナンスの株主優待情報
👉 http://biz.yahoo.co.jp/stockholder/
で調べてみるのもおすすめです。家計のプラスに、少しでもつながるはずです

(2005年7月15日)

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今、振り返ってみて

結果的には、株式投資をやらない方がお金は貯まったと思いますが、授業料と書いた通り、学びにはなりました。

おかげで、退職金を株式投資などに回すことは一切なく、言葉巧みな詐欺的な投資に遭うこともなく、生活資金として活用できています。これはこの時期の経験のおかげだと思っています。

信用取引を否定するわけではないのですが、やっぱり実力以上に手を広げていると思います。ですから、追証がかかって泣く泣く売却し、大きな損を被ることになるのだと思います。
現物取引であれば、想定外の急激な下げが一時的にあっても、その嵐が過ぎるのを待てば、案外元に戻ったりします。

実は、この数年後、やっぱり仕事に支障が出ると思い(株価がどうしても気になってしまう)、株式投資はやめました。これはこれで正解だったと思います。
株式のことに頭を悩ますことなく、教員としての仕事や家族のことに集中できましたから。

株価が気になって仕事に支障が出るようなタイプならば、いっそ信頼できる投資信託を見つけて、任せることもありだと思います。実は、私は「さわかみ投信」をやっていたのですが、こちらは正解でした。
結果としては、これ一本でやっていればよかったのです。

株式投資はマイナスでしたが、金購入は正解でした。1回買って値段の上下を確認することもなく、ずっとほったらかしていただけなのに、気がついたら3、4倍にもなっていました。

株式投資でたとえると、将来性のある企業の株式を、比較的安い時に買って、10年以上ずっと待つ。
小さな上下の波は放っておいて、ひたすらずっと待つ。こんな投資のイメージでしょうか。
(金投資と違って、途中でも配当や優待があるので、ここは株式投資の方がよい)

あと先物投資のような一番の失敗もあるのですが、軌道修正しましたし、本業でしっかりと稼いでいたので、なんとかなったのだと思います。

さて、株式投資をやめて15年以上経ったと思うのですが、2024年11月(去年)にNISA枠の株式投資を再開しました。自分でもびっくりするぐらい、落ち着いて株式投資ができています。
これもきちんと自分ルールを決めてから取り組んでいるからだと思います。

※ どんな自分ルールを決めたかと言えば、こちらです。

👉 本日株式投資再開(15年ぶり)ー投資依存症には決してならない!ー

親の昭和時代のように銀行預金で5%もついた時代なら預金だけでよかったのですが、雀の涙程度の預金金利の現状ではお金を増やそうと思ったら、本業で十分稼げている人は別として、株式投資(投資信託を含む)は避けて通れないとも言えます。

そして、株式投資は、ある程度の勉強は不可欠で、知的労働そのものです。つまり、実際は、不労所得などではなく、知的労働所得だと思います。

奥が深い分おもしろく、ハマりやすいこともあります。ですから、本業に支障が出そうな人は、信頼できそうな投資信託を選ぶなり、直接の株式投資からは距離をおいた方がいいかもしれません。

この4月から某会計監査法人に勤め出した、社会人1年生の次女に聞いたら、NISAを始めていて、いちいちの個別の銘柄はよくわからないので任せていると言っていました。

確か本当のお金持ちは、優秀なブレインを雇って投資を任せ、自分は人生を楽しんでいるとか。

一般の勤め人が、幸せの源泉である、家族との貴重な触れ合いの時間を削って、株式投資に没頭し、挙げ句の果てに信用取引で大損する。大損しないまでも、株価の下落が気になって、家族のことが上の空。これは全く割に合わないと思います。
(2025/10/18記す)

📝 自分に問いかけてみる時間

  1. 株や投信の数字よりも、“家族の笑顔”を優先できているだろうか?
  2. 「のめり込まずに楽しむ」ための自分ルールを持っているだろうか?

株価のことが気になって仕方がないなら、別に本業一本でも大丈夫です。もし大丈夫でないなら、やりがいがあり、自分の好きや得意を活かせる副業を探してもいいのです。株式投資は、資産を増やす1つの方法でしかありません。方法は無限にあり、自分の性分に合ったものを選べばいいのです。


📝 簡単なワーク

1.  自分ルールを見直して、「のめり込まずに楽しむ」ための自分ルールを作ってみましょう。

たとえば、「信用取引はしない」「余裕資金でやる」「後悔しないように徹底的にリサーチし、買った以上は長くホールドする」「デイトレードはしない」…等々。

2. 家族で一緒に「株主優待のサイト(Yahoo!ファイナンスなど)」を見て、 “家族で使えそうな優待”を1つ探してみましょう。
 👉「これなら私たちの暮らしが少し楽しくなるね」と話すなどして、身近な株式投資を通して、金融教育をスタートしてみましょう。

株式投資について、配当やキャピタルゲイン、勝つこともあれば負けることもある。信用取引の危険性。余裕資金で投資するなど、教えることはたくさんあります。これで将来トレーダーになるとかそういう話ではなく、あくまで本業がメインであること。適度な免疫力をつけることに主眼をおく方がいいような気がします。

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「あったかい家族日記」は、長女アキコ(2025年8月現在27歳・既婚)と次女クニコ(23歳・公認会計士)の成長を、パパの視点で約20年間にわたり綴った実録子育てエッセイです。
*二人が幼児だった頃から大学入学、そして結婚前後までの家族の日々を記録し、累計アクセス数は400万を超えました。
*七田チャイルドアカデミー校長・七田眞氏にも「子育てに役立つブログ」として推薦された本連載は、So-netブログ閉鎖(2025年3月)を機に、「記録」と「今の視点」を重ね合わせて再編集した〈日々の記録に、“今”を添えた子育てエッセイ〉として、noteで再連載しています。
*この文章は、2005年7月15日にSo-netブログで公開された『株主優待を家計に生かす』に、「今、振り返ってみて」を加筆した再構成エディションです。

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