夏休み「絵日記」指導 2010.8.17 第737 号
ー絵日記指導をどうするか?!ー
さて、翌17日のこと。クニコは、日記を書くのに、私からデジカメを借りていった。戸隠・忍者村の写真を見ながら、旅行のことを思い出すためである。
クニコは写真を見ながら、妻と楽しく会話しながら、日記を書いていた。
妻「ついでに、夏休みの宿題の絵日記を終わらせてしまったら。」
クニコ「うん。」
妻「作文なら、お父さんと一緒にやるといいわよ。」
クニコ「お父さん、絵日記を書くから教えて。」
かくて、クニコの絵日記を指導することになった。
題材から話題をしぼる
●「戸隠・忍者村」の1泊2日の家族旅行をしたこと といっても、絵日記の題材が決まっただけで、そこから話題をしぼり、さらに主題をしぼっていかねばならない。
私「クニコ、<「戸隠・忍者村」の1泊2日の家族旅行>と言っても、いろいろあるんだよ。さっき、写真を見ながらいろいろ話していたようだけど、
●奥社まで杉並木を歩いてお参りしたこと、
●鏡池まで歩いて、おにぎりを食べたこと、
●忍者村でアスレチックをしたり、おみやげを買ったりしたこと、
●ペンション森のめるへんで泊まったこと、
●野尻湖でアヒルボートに乗ったこと…
とか、たくさんあっただろ。
どのことが一番心に残ったの?
どのことについて書きたいの?」
クニコ「う~ん、忍者村で遊んだことか、森のめるへんで泊まったことかな。」
私「どっちにするの?」
クニコは、「<森のめるへん>で飲んだコーヒーがおいしかった」と言っていたが、結局、「忍者村でアスレチックをしたこと」を話題として選んだ。
話題から主題を決める
私「忍者村でアスレチックをしたり、おみやげを買ったりしたけど、どのことが心に残ったの。」
クニコ「アスレチック。」
私「作文には、<したこと>と<思ったこと>を書かないといけないだろ。忍者村でアスレチックをしたことが、どうだったの? 楽しかったの? がんばったの? クリアーしてうれしかったの?」
クニコ「楽しかった。」
私「じゃあ、タイトル(主題を表す題名)は決まったね。<楽しかった忍者村(アスレチック)>だね。」
主題を支える事例を書く
私「アスレチックのどんなところが楽しかったのかな?」
クニコ「いろいろなアスレチックをしたこと。」
私「例えば、どんな?」
クニコ(チビッ子忍者村のパンフレットを見ながら)「サスケとびの術とか……。」
私「ああ、絵日記を読む人は、~の術なんて言われても、わからないから。<水ぐもの術>だったら、<水の上をひもにつかまって渡る>とか、わかる言葉で書かないといけないよ。」
…(中略)…
私「それで、どのアスレチックが一番楽しかったの?」
クニコ「はしごを上った後、水の上にぶらさがっている輪に足を置いて進んでいったのが、楽しかった!」
私「スリルがあって、楽しかったのかな。」
クニコ「<スリル>って何?」
私「恐くてハラハラドキドキする楽しさのことだよ。」(「スリルがあって楽しかったです」と書かせたかったが、本人が意味をよく知らない言葉は、使えないな。)
完成した絵日記の文章
こうしたやりとりの後に、クニコは自分でいったん文章を書いた。私は、その文章を読み、長すぎた文など少し添削した。
かくて完成した絵日記の文章は、次の通りである。
『楽しかったにんじゃ村』
2年 クニコ
わたしは、八月十五日に、かぞく四人でにんじゃ村に行きました。いろいろなアスレチックにちょうせんしました。水の上をひもにつかまってわたったり、かべのよこにせなかをくっつけてわたったり、しました。はしごをのぼったあと、水の上にぶらさがっているわに、足をおいてすすんでいくのが、とくに楽しかったです。
クニコ「できた! お母さん。」
妻「どれ読んでみて。」
作文を読み上げるクニコ。
妻「上手に書けたね。」
お母さんにほめられ、満足したクニコであった。
絵日記の絵を描く
絵日記であるからには、文章の他に、絵も描かねばならない。
絵日記の絵は、基本的には文章とマッチした絵であることは、もちろんである。
この場合であれば、忍者村でアスレチックをしている絵、とりわけ<水の上にぶらさがっている輪に、足をおいて進んでいく>絵が一番よい。
がしかし、絵を描くことは、容易ではない。記憶をもとに、しかも自分がやっている姿は自分で見てもいないのに、想像して描くのである。
そこで、わが家の場合、その場面の写真をデジカメで撮り、それをA4サイズに印刷してあげ、それを見ながら描かせる場合が多い。
今回は、<水の上にぶらさがっている輪に、足をおいて進んでいく>写真はなかったが、<水の上をひもにつかまってわたっている>写真はあったので、それをA4サイズに印刷してあげた。
クニコは、それを見ながら自分で描き、色鉛筆で着色した。
かくてクニコの夏休みの宿題「絵日記」は完成した。
■完成した絵日記
絵日記をかく意味
小学生の場合、学年を問わず絵日記が宿題になっている場合が多い。
教師サイドとしては、「夏休み中にその子がどんな経験をしたのか知りたい」のである。夏休み明けの、その子との会話のきっかけにもなる。
子どもにとっても、その家族にとっても、「夏休みの経験をふり返り、そのときにしたことや、そのときの気持ちなどを分かち合い、文章にまとめる」ことは、有意義である。いっしょに写真などを見ながら出来事をふり返り、そのときの気持ちを言い合ったりすることは、楽しいひとときだ。
ただ、どう指導したらよいか困る場合もあろうかと思い、参考までに記事をアップしてみた。
クライマックスから書く方法
・さらにしぼって、詳しく書く方法、「ハラハラドキドキするところ、クライマックスから書く方法」もある。参考までに書いてみた。
『無事クリアーできた水ぐもの術』
・「ボチャーン!」前の女の子が池に落ちました。「水ぐもの術」に挑戦して失敗したのです。水ぐもの術というのは、池の上に張ってあるロープを引っ張りながら、台の上に乗って進むという技です。これから挑戦する私は、「そんなになってしまったら、どうしよう。」と思いました。両手でしっかりとロープを握り、台の上に乗りました。そして、ロープを引きました。すると、台ごと少し前に進みました。また少し引きました。少し進みました。強く引いてみたら、バランスをくずして落ちそうになりました。でも、なんとか踏ん張りました。無理をしないで、少しずつ少しずつ進んで、向こう岸までようやく渡ることができました。はらはらドキドキしたけど、クリアーできてうれしかったです。
*8月15日、16日と長野県、戸隠に行ってきました。戸隠神社の奥社は、すごい人出でした。奥社にいた宮司(?)さんによると、「ここ20年来こんなに多く参拝客はいなかった。今年テレビでパワースポットとして紹介されたり、江原啓之さんが紹介したりで、参拝者が一気に増えたようだ。今年はこれまでで一番多い。」とのことでした。
私は、戸隠への旅はかれこれ4回目なのですが、とっても癒されるイヤシロチですね。戸隠神社奥社の杉並木も、戸隠森林植物園も、緑が豊かで鳥が鳴き、空気がおいしく、最高でした。