小5になったアキコは、スポーツを習いたい(習わせたい)と希望した。親は本人の希望云々ばかりでなく、わが子のためにどんなスポーツがいいのか、真剣に調べるべきだ。数年間通うことになれば、わが子が習い事から受ける影響、その時間と費用は、親の送迎を含めて相当なものになるからだ。
アキコの習い事をどうするか!? その3 1039 2009.9.26 第635号
ーまずは習わせたい少林寺拳法のことをよく調べる-
前号に書いたように、父親である私は、アキコが希望したテニスには、賛成しないことに内心決めた。
そして、私は、見学して好印象をもった少林寺拳法についてよく調べてみた。
少林寺拳法について調べる その1 HP編
まず、インターネット上の少林寺拳法のHPに飛んだ。
「少林寺拳法とは?」=【少林寺拳法とは何か】【金剛禅とは】【創始の動機と目的】【少林寺拳法の六つの特徴】【創始者宗道臣の経歴】【少林寺拳法の沿革】【本当の強さについて】【「行」としての少林寺拳法】【世界で一つの少林寺拳法】…から始めて、隅から隅まで一通り読んだ。
「少林寺拳法というのは、中国から発祥したものだろう。おそらく、日本支部でもあるのだろう。」と思いこんでいた私はびっくり。創始者は日本人の宗道臣氏であった。
HPを読むにつれて、宗氏が、創始にかけた熱く純粋な思いが伝わってきた。
中でも心に残ったのは、次のところだった。
■【創始の動機と目的】
少林寺拳法の創始者である宗道臣は、戦後の混乱のさなか、自身の体験から、リーダーの質によって、集団や社会の方向性が大きく変わるという真理を悟りました。そして、リーダーシップとは、自信と勇気と正義感、行動力に根ざすものであると定義づけました。
人が平和で豊かに生きてゆくために、正しいリーダーシップを発揮できる人間を一人でも多く育てようという“人づくり”の志を抱いた宗道臣は、敗戦直後の混乱で自己を見失いそうな若者たちに、人として豊かに生きるべき道を説くとともに、身体を鍛え自信を得るのに有効な技法を教え始めました。修練の中で、道を説いて誇りや信念を引き出し、人が生まれながらに持つ成長の可能性を実感させ、自信と勇気と行動力を併せ持つ、社会の役に立つ人を育てようと創始したのです。(HPより引用)「帰国した宗道臣が見たのは、敗戦下の混乱する日本の姿でした。道義も人情もすたれ日本人同士がいがみ合い、不正と暴力が横行する社会で、青少年も大人たちも国民の大多数が将来の希望もなく右往左往していました。(HPより引用)」
この状況を見て、何とかしたい立ち上がった宗道臣に、私は強く心を動かされた。
■【少林寺拳法の六つの特徴】
○力愛不二
慈悲心や正義感に溢れていても、力がなければ、誰かの役に立ったり、助けたりすることはできません。また、どれだけ力があっても、誇りや信念がなければ、正しい力の使い方はできません。力と愛、理知と慈悲の調和こそ、少林寺拳法の行動規範です。○守主攻従
少林寺拳法の技法は、不正な暴力から身を守るためにあります。そのため、まず守り、それから反撃する技法体系となっています。また、確かな守りの体勢を築くことで、相手の弱点を冷静に見極め、有効な反撃ができると考えています。(以上HPより引用)
私は、六つのうち、上の二つは特にいいと感じた。
あと、練習も競争ではなく、「二人一組で行うことを原則」で、自分を強くするためには相手を強くすることが必要で、「共に協力して上達し、その喜びを分かち合う」という考え方も気に入った。
ずっと以前、雑誌で少林寺拳法を学んでいる若い人のマナーがよい(靴をきちんと並べている。あいさつがよい。)という声を読んだことがあった。そのことに納得がいった。
ただ、少林寺拳法グループ・・・関係5団体で構成の中に、【宗教法人 金剛禅総本山少林寺】という組織があり、宗教法人という点だけ少しひっかかった。
HPには、二代目の少林寺拳法グループ総裁である、宗由貴氏の本が紹介してあった。そこで、さっそく楽天ブックスで氏の本『一歩、踏み出せない人のために』を購入した。
少林寺拳法について調べる その2 著作編
2日後には、注文した宗由貴『一歩、踏み出せない人のために』が自宅に届いていた。
さっそく読み始めた。
二代目の少林寺拳法グループ総裁、宗由貴氏は、宗道臣氏の娘であった。
娘の目を通しての、創始者宗道臣氏、父親宗道臣氏の姿がよくわかった。
「お金儲けではなく、本当に人づくりが目的なんだな。」
率直に信じることができた。
あと、少林寺拳法で大切にしている信条の中に、次の一項があったのもよいと思えた。
「我らは日本人として祖国日本を愛し、日本民族の福祉に貢献せんことを期す」
創始者宗道臣氏の志を感じた。
※ 現在の少林寺拳法は、世界に広がっており、外国籍の方もいるので、少林寺拳法で大切にしている信条第二項「愛民愛郷の精神に則り世界の平和と福祉に貢献せんことを期す」という表現に改訂されたそうだ。
少林寺拳法について調べる その3 知人編
あと、「宗教法人という点だけ少しひっかかった」について、どうだろうと思い、たまたま職場の知人で、隣市の少林寺拳法に子どもを通わせている人に聞いてみた。
知人「宗教法人だからといって、別に宗教じみたことは何もないし、何か強制されることもないわよ。月謝は月に3千円かな。3ヶ月ほど仮入門をして、それでよかったら正式に入門するふうだったけど。」
もう2年以上も通わせている当人の証言なのだから、説得力がある。
かくて、私は、少林寺拳法に娘アキコ(小5)を通わせるべく、説得することにした。
(続く)
関連
▶アキコの習い事をどうするか!? その4 ー子どもと親で、習い事の希望が異なった場合は、どうするか?!-
・『一歩、踏み出せない人のために』はためになった。少林寺拳法グループ総裁が書いたという点よりも、娘の目から見た父親(の教育)が描かれていて、子育て本として大変興味深く読めた。
また、新しい組織を創設し継承するという大変さ、意味、心構え、あり方など学ぶことができ、その意味でも有意義であった。
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