「親しき仲にも礼儀あり」というが、この格言のあてはまる場の一つが家族間であろう。塾の送迎など、ついつい当たり前になってしまって、「お願いします。」「ありがとう。」などの言葉が省略されがちである。しかし、やっぱり省略すべきではないと考える。その方が気持ちよく送れるし、また家族間のそうした習慣が、家族外で自然と出るからである。
★塾の送迎で「感謝の言葉」2014年12月20日(土) 第1026号
ー子どもは躾ければわかるー
1 新体操の送りのお願い
さて、いつもは妻や祖母が新体操の送り迎えをしているのだが、今回は私が新体操の練習会場まで送迎である。
妻「頼んだわよね。」
私「うん、わかった。」
こんな会話をずいぶん前にしていた。
そして、前日の夜、
クニコ「明日、新体操、8時半頃だから。」(車で送りを頼むね。)
私「それで?」(意味はわかっているけど。)
クニコ「会場まで送ってね。」
私「実は、意味はわかっていたけど、そういう場合はちゃんと『お願いします』まで言わないとダメなんだよ。昔、教育実習をしていたとき、お父さんも指導の先生(私は小学校の教員である)に注意されたことなんだよ。」
さて、翌朝である。私は、時間のぎりぎりまで何も言わないでいたのだが、8時30分少し前、クニコの方で
クニコ「新体操の送り、お願いします。」
と言ってきた。
私は
私「わかった。」
と言って、クニコを送った。言えば、わかるのである。
2 塾の送迎で「ありがとう」
前回の記事で妻の交通事故の件を書いた。
事故後、1ヶ月あまり、私がクニコ(12歳、小6)の新体操の送迎をした。
迎えに行くと、「お願いします。」とも言わず、黙って乗り込むクニコ。
私「普通、『お願いします』と言うんだよ。他の家の人に送ってもらうとき(お互い様で時々あるのだが)、ちゃんと『お願いします』と言っているんだろうな。」
クニコ「(他の家の場合は)もちろん、言ってるよ。」
私「それならまだいい。乗せてもらって降りるときも、『ありがとうございます』と言うんだぞ。」
新体操の練習会場は、家から車で10分足らずのところなので、ほどなく家に着いた。
クニコ「ありがとう!」
やっぱり、黙って降りられるよりも、送った側としては気持ちがよい。
<親しき仲にも礼儀あり>という。親しい仲だと、いろいろとやってもらってもついつい当たり前になってしまって、「ありがとう。」「お願いします。」などの言葉が出なくなりがちだ。やっぱり、それではいけないのである。
第一に、「ありがとう。」「お願いします。」ときちんと言われた方が気持ちがいいからである。(これが疲れない秘訣である)
第二に、そうしたしつけ(習慣)が、家族以外でも自然と出てしまうからである。家族間で普段そういうしつけがなされていれば、家族以外の人から同じようなことをなされた場合ーこの場合は車に乗せてあげることー間違いなく「ありがとう。」「お願いします。」が出るだろうからである。
そして、その方が相手に好感をもたれる。つまり、愛されるわけである。
かくて、私はそうしたしつけは、大事にしている。
*追記1
・マナーなどきちんと教えればいいのである。教えればできるようになる。
・アキコの少林寺拳法の送迎では、アキコはきちんと「ありがとう」と言えていた。
*追記2
長女アキコとも、次女クニコとも、中学・高校と月1回ぐらいのペースでランチデートしてきた。その場合、私がランチ代をもった。その時も、きちんと二人とも「ありがとうございます。」と言えていた。その方がもちろん気持ちが良い。一事が万事そのような形になっていく。送迎の際の感謝の言葉一つとっても、躾けはゆるがせにはしない方がよい。