「孤食はいけない!」と言われますが、そもそも家族でいっしょに食事をしながら、団らんする価値はなんでしょうか?
わが家の場合(当時)、土曜日の夜は、家族5人がそろって、おしゃべりしながら楽しく食事をしていました。
そのときの様子を紹介しながら、家族団らんの価値を6つにまとめて紹介します。
家族で団らんする価値 2010.2.20 1624−704
ー孤食はいけない!ー
家族5人の会食風景
■① 料理をほめる
私「おいしいな、このゼンマイの煮付け。鮭の焼いたのも最高だ!アキコ(小5)、クニコ(小1)はどうだ?」
アキコ「おいしいよ。」
私「おいしかったら、『おいしい!』って言うんだよ。」
これは、「料理を作った人をねぎらう意味で、黙って食べていないで「おいしい」ということ。これは、躾けでもある。
■② 今日の出来事のシェア
私「七田(チャイルドアカデミー)に行った後の書道展はどうだった。」(妻とアキコ、クニコは書道展を見に行った。)
妻「うーん、やっぱり審査にムラがあるわね。どうしてこっちが準特選で、あっちが特選かわからない(納得できない)作品がたくさんあったわ。」
実母「そうなんだて。結局、一次審査のときの先生が、よくないんだて。そこで漏れてしまうと、もうだめなんだて。」~書道展の話が続くが、以下略。
■③ 笑いのある話
私「(現在近隣で参加者募集中の)NHKのど自慢大会に出ようかな。そして、さだまさしの関白宣言を歌うんだよ。
<お前を嫁に もらう前に♪ 言っておきたい ことがある♪
かなり厳しい 話もするが♪ おれの本音を 聞いておけ♪
おれより早く寝てはいけない♪~飯はうまく作れ♪ いつもきれいでいろ♪~>てね。
そして、背中に<アキコの父>と書いて、胸に<クニコの父>って書いて歌うんだ。」
クニコ「えー、そんなのやだー!」
実母・妻(くすくすと笑う。)
アキコ「でも、予選に通らないでしょ。」
私「何言ってんだ!結構、歌うまいんだよ。そして、腕の所に<タカコ命>って書いておいて、歌ってる途中に見せるんだ。おまけに歌は<関白宣言>だ。有名になる。アキコの作文が新聞やラジオに載った比じゃない。百本ぐらい電話が来るな。」
みんな(くすくすと笑う。)
私「<タカちゃんの主人、関白宣言を歌ったんだって>が、<タカちゃんの主人、亭主関白、歌ったんだって>になって、いつの間にか<タカちゃんの主人、亭主関白なんだって>の伝言ゲームみたいになって、もうタカちゃんの主人は亭主関白ということで有名人だ。」
アキコ「でも、どうせ予選通らないでしょ。」
私「やってみなきゃ、わからない。よし、チャレンジしてみよう!」
私は冗談のつもりだったのだが、さっきまで笑い転げていた実母は、これを聞いて
実母「やめてくれ。」
と言った。
まあ、ずいぶん笑いをとった。
■④子どもの情報交換&ほめる
~クニコ「平野官房長官。」(話の筋は忘れたが)
妻(くすくす)「よく名前を覚えたわね。」
実母「クニコの記憶力はすごいの。」
私「音読練習をすごいがんばったからだよ。音読カード、すごい分厚く貯まってるよ。あれは、文句なくクラスで一番だな。 そうだ、アキコのスポーツテストの結果がすごいよ。クラスで一番よかったみたいだよ。スポーツガールのアキコ、体育ができるってすばらしくいいことだよ。アキコ、あーちゃんにスポーツテストの結果の紙を見せたか。」
アキコ「まだ見せてない。」
私「じゃあ、もってきて見せて)」
2階からスポーツテストの結果の紙を持ってきて見せるアキコ。
実母「うーん、すごいね。」…
■⑤今週のお互いのスケジュールの確認及び対応を話し合う
私「来週の土・日は、T家へ泊まりがけで行く予定だから、留守にするよ。」
実母「私は、2日、3日と友達と○△温泉に行くれ。」…
→ 学習参観日などの情報を伝えて誘ったり、代わりに塾の送り迎えを頼んだりすることもある。必須のことである。
■⑥今週の家族の出来事のシェア
実母「アキコちゃん、何人からチョコレートもらったの。」
アキコ「16名。」
私「チョコレート食べ過ぎるなよ。」
アキコ「毎日少しずつ食べてるもん。」…
■⑦今週の世の中の出来事のシェア
実母「オリンピックの男子フィギアすごかったね!あの靴紐が切れたの、残念だったね。」
私「新聞に載ってたけど、滑る前に気づいていたみたいだよ。」
妻「そうなの。」…
■⑧学んだことを話す(学びのシェア)
私「あーちゃん、朝は果物が体にいいんだよ。夕方も、おなかがすいた時なんかも、果物が体にいいんだよ。牛乳とか控えめがいいよ。」
■⑨ゲームで遊ぶなど共に楽しむ
※今回はやらなかったが、トランプの七並べなどをすることも多い。また、オリンピックなどの名場面なら、みんなでテレビを見ることになっただろう。ただし、普段は、土曜日の団らんではテレビを消すようにしている。
■⑩困っていること、お願いしたいことを伝え合う
※ 今回はなかったが、「体の調子がよくない。」とか「電球が切れたから、買ってきてほしい。」、「○△を買いたいので、いっしょに見てほしい。」など、お互いに困っていることやお願いしたいことを伝え合う場にもなることがある。
家族の団らんの役割
普段の団らんのやりとりを整理しただけで、ざっと10個もの役割があることに気づく。
それらを分類・整理すると、夕食時の家族の団らんの役割が、食事を通して栄養を摂る以外に6つほど見えてくる。
第一に、体験(出来事)を通して気づいたこと、思ったこと、学んだことをシェアする場である。これは、その日、その週の体験(出来事)。家族の一人一人の出来事から、広くは世の中の出来事まで含まれる。
第二に、困っていること、お願いなどを伝え合う場である。困っていることを聞いてもらえるだけで、気が軽くなる。具体的にサポートがもらえる。言い換えれば、癒しの場であり、問題解決の場でもある。
第三に、ほめたり、認められたり、場合によっては注意されたり叱られたりする場である。
よいことに対しては、惜しみなく賛辞が与えられ、よくないことに対しては叱責される。こうして、家族(子ども)のよい言動が増え、よくない言動が減っていく。言い換えれば、躾の場、成長する場でもある。
第四に、スケジュールを確認したり、調整したりする場である。
塾の送り迎えを、実母に頼んでいるのに、旅行となれば、お願いすることはできない。家族は共同体であり、助け合っている以上、お互いのスケジュールを知り合い、調整する場は絶対に必要だ。
第五に、お互いの情報(本や新聞・テレビ・耳から)や学びを共有する場である。
直接体験しなくても、本や新聞・テレビ・講演などからの学びはシェアしたいところだ。場合によっては、意見を言い合うことにもなる。それによって、学びも深まっていく。つまり、学びの場でもあるわけだ。
第六に、カードゲームなどで遊んだり、会話を楽しんだり、話題のテレビを見たりするなど、リフレッシュする場である。
こうして、家族でお互いの経験をシェアしたり、サポートし合ったり、楽しいひとときを共有したりすること。これが家族の絆を強めていくし、家族の一員であることのよさを感じるひとときである。
通常わずか1時間ほどであるが、とっても価値ある時間である。
もしこの団らんの時間がなかったら…
もしこの団らんの時間がなかったとしたら……
・よい出来事、うれしいことがあっても、だれも聞いてくれたり、喜んだり、ほめたりしてくれない。
・困っていても、つらいことがあっても、お願いしたいことがあっても、だれも相談にのってくれたり、励ましたり、力になってくれない。
・遊び相手、話相手もなく、学習参観日などに誘われることもなく、一人淋しく食事をしている……
こうした恐ろしい状況が思い浮かぶ。
これでは、実母とは同じ屋根の下に住んでいながら、家族とは言えないであろう。
私が生きている限り、絶対にそんな状況には実母を置かないつもりだ。
これからもずっと土曜日の会食の時間は、価値ある団らんの時間として継続するつもりである。
※ この時期は、普段1階は実母(妻からは姑)、2階は若夫婦世帯(つまりは私と妻、アキコ、クニコ)で棲み分けていた。毎週土曜日夜は、原則として家族5人が揃って、1階のダイニングキッチンで会食していた。後に、毎日一緒に食べるように変えた。
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追記
これ以外に、土曜日の父と子塾が終わった10時30分頃から30分ほど、日曜日の10時30分頃から30分ほどは、家族5人でおやつを食べながら会話するようにしている。
おやすみのあいさつは、アキコ、クニコに徹底させている。私自身、帰宅後のあいさつと寝る前のあいさつは、欠かさない。