彼女との結婚を決めた理由 2005.8.17 69号
私が彼女(今の妻)に惹かれ結婚を決めた大きな理由の一つは、彼女がきちんとしていたからである。
よくしつけがなされていると感じたのである。
ゴミを持ち帰った彼女
あれは、確か3回目位のデートの時だった。
私たち二人は、隣村のダムに隣接した公園に行った。天気が良く、のどが渇いたので、近くにあった自動販売機で冷えた飲み物を買った。
おいしく飲んだのだが、当然あるはずの空き缶を捨てるごみ箱がなかった。普通は、自動販売機の横にあるはずなのに……。
困っていると、彼女(今の妻)は、空き缶を、私の分も取り車に持っていった。つまり、持ち帰るという判断をしたのだった。それもごく自然に。
「自動販売機のわきにでも、並べて置いておこうかな。」などと考えていた私の心は、そんな彼女を見て、ぐらぐらっときた。
ぬいだ靴をそろえた彼女
その後、市内に戻り、とある料理屋に入った。いっしょに食事をするためである。
座敷に上がるとき、彼女はごく自然にくつをそろえていた。
「この娘は、きちんとしつけられている。」と思い、これまた私の心はぐらぐらっときた。
料理を先にボクに回した彼女
しばらくすると注文した料理が来た。
若いウエイトレスさんが運んできた。
二人は同じ料理を注文したのだが、そのウエイトレスさんは、彼女の方から先に注文した料理を置いていった。
彼女は、運ばれてきた料理をすぐに私の方に向きを変えて回してくれた。
ここでもまた、私の心はぐらぐらっときた。
躾の身についた人は美しい
彼女は、すごい美人でも、すごいかわいいというわけでもなかった。
でも、しつけられていて育ちのよさを感じ、そこに惹かれた。
「身が美しい」と書いて「躾」(しつけ)と読む。
日本語は実にうまくできている。なぜ躾が大切かの解答を示してくれている。躾の身に付いた子は、美しいからだ。
見た目の行動が周りの人にとって美しく映り心地よい(逆に投げ捨てられた空き缶、雑に脱がれたくつは見た目もよくない)。そして何より、その相手を思いやる心が美しい。
二人で創った家族憲法の「三 めざす子供」の四番目に「躾の身に付いた子」がある。
躾の内容として、「くつをそろえる、後片付け、人の物をとらない、ぶたない、ありがとう・ごめんなさいを言える……」とあげている。
躾の身に付いた、美しい子に育てたいものだ。
近況:
つい最近、「アキコ、脱いだくつはそろえなさい。何度言ったらわかるの。」と、長女は、妻に叱られていた。
そこで、私は、「アキコあのな、どうしてお母さんと結婚したかというとな……<ここで紹介したくつをそろえた件を話して聞かせる>……だから、くつをそろえる女の子はきれいなんだよ。男の子にモテるよ。」と話した。
娘は笑って聞いていた。
私はというと、時折くつなど注意されることがある。我が母は、躾には完全には成功しなかったようだ(これ責任転換?)。しかし、躾の大切さやそれをよしとする感性を育てるのには、成功したようだ。
我が母にも感謝! そして義母にも感謝である。