七田眞氏が<親子関係を好転させる方法>として、「よい母子関係を育てる1日5個よいこと記録」という方法を推奨している。前記事でそのあらましを紹介したが、本記事では、長女アキコ(小3、9歳)に1週間やってみた結果と気づきを紹介する。
★「よい親子関係を育てる1日5個よいこと記録」の実践開始1週間ーアキコ編ー 2007.10.14
前記事で紹介したように、七田眞氏がフリーペーパー『ステナイデ』に「パパとママの上手な子育て」というテーマで連載している。
9/20発行の14号に「良い母子関係を育てる1日5個良いこと記録」という話を紹介している。次の方法である。
お母さんと子どもとの関係をすっかり変えるよい方法があります。それは、1日に5個子どものよいところをみつけて記録していく、という方法です。この方法を1ヶ月も続けると、母子関係がすっかり変わってしまいます。(『ステナイデ』14号七田氏の連載記事より引用)
「親と子供との関係を好転させる良い方法だと判断したので、紹介すると同時に早速やってみることにした。」と前記事で書いたが、1週間を経過したところで、結果と気づきを紹介する。
◆1 アキコの1週間分の「1日5個良いこと記録」
10/7①
1「水筒にお茶を入れて」と頼まれたから入れてあげたら、アキコが「ありがとう。」と言ったところ。
2自分で遠出の準備をしているところ。
3アキコが「行ってきます。」と実母に言ってから出かけたところ。
4朝食の野菜を食べたところ。
5私の膝の上に乗ってきて、くつろいだところ。
10/8②
6私の裏の気持ち(ダメと言いつつ、本当は入ってきてほしい)をわかって、ふとんに入ってくるところ
7簡単にあきらめないで、「ねえ、パソコンやらせて」と繰り返し言うところ。
8「お父さん、お母さん、だいすき」とパソコンで書いたところ。
9あーちゃんから、きのこごはんをもらって「おいしい。」と言って食べたところ。
10ケータイに興味をもって、簡単に時間設定してくれたところ。(すごい。)
11あーちゃんを見送ったところ。
10/9③
12早口言葉をクニコと言い合って楽しむなど、知的なところ。
13「お休み」と言って寝るところ。(以下<ところ>は略)
14 4年生や6年生の算数の問題にチャレンジするなど、知的でチャレンジ精神が旺盛
15 実母からプレゼントをもらって感謝した。
16 一緒にお風呂に入って、上に乗ってくれる。
10/10④
17マラソン大会優勝の賞状を嬉しそうに家族に見せた
18絵本(長いお話~)を読んであげたら喜んで聞いていた
19一緒にお風呂に入った
20私の冗談を笑いながら聴いた
21肩をもんでといったら、少しもんでくれた
10/11⑤
22書道コンクールで準特選とったことを喜んで私と妻に伝えたこと
23さらにそのことを実母(書道の教師)にも、喜んで伝えたこと
24義兄(アキコからは叔父)の誕生日を祝う電話を自分から入れたこと
25鉄棒のまねをして後ろ頭を打ち、素直に寝ていたこと。
26「お父さん、お休みなさい。」と言って寝たこと。
27「△の絵本、読んで。」とリクエストし、喜んで聞いていたこと。
10/12⑥
28出勤時に見送ってくれたこと
29一緒にお風呂に入って楽しく会話したこと
30「お父さん、一緒に遊ぼう。」と誘ってくれたこと
31一緒に室内ドッジボールなどをして遊んだこと
32一緒に梨を食べたこと
10/13⑦
33「お父さん、遊ぼう」と誘ってくれたこと
34一緒に室内野球をして遊んだこと(喜んでくれた)
35日記を5月12日から書けなかった日は後でまとめ書きをしながらも、毎日書いていること
36あーちゃん(祖母)が具合が悪いと言って、心配して言葉をかけたり、食べ物を届けたりしたこと。
37あーちゃんに日記を見せたり、「お休みなさい」と声をかけたりしたこと
38妹とけんかしながらも、妹に日記の書き方を教えたこと
◆2 取り組んでみての気づきと感想
1 アキコの良さを分類すると……
自分が書いたアキコの良さを分類すると、次のようになった。
①躾けられた良さ:
1ありがとうと言ったところ、3行ってきますと言ったところ、4野菜を食べたところ、11あーちゃんを見送ったところ、13お休みなさいと言って寝る、15プレゼントをもらって感謝したところ……合計8個
②ふれあう中で感じた良さ:
5膝の上の乗ってくる 6ふとんに入ってくる 8おとうさん、おかあさん大好きと書いた、16一緒にお風呂に入る 20冗談を笑いながら聴いた 22準特選をとったことを伝えた 27絵本を喜んで聞いていた 28出勤時に見送ってくれた 29お風呂に入って楽しく会話 31室内ドッジボールを一緒にした……合計19
③性格の良さ:
7簡単にあきらめない 9あーちゃんからきのこごはんをもらって、「おいしい。」と言って食べた。 14知的でチャレンジ精神が旺盛 21肩をもんでくれた 24叔父の誕生日を祝う電話を入れた 36心配して言葉をかけたり、食べ物を届けたりしたこと 38日記の書き方を教えたこと……合計7個
④能力が高いという良さ:
2自分で遠出の準備をしている。 10ケータイの時間設定を簡単にしてしまった 12早口言葉を言い合って楽しむ知的なところ 22書道コンクールで準特選 35日記を毎日150日以上続けて書いている……合計5個
2 アキコの性格上の良さへの気づき
こう振り返ってみると、アキコはやっぱり<優しく思いやりがある>と思った。周囲の人に優しい言葉がけをしたり、思いやりのある行動をしているのである。
もう一つ確信できことは、アキコは、<好きなこと・やると決めたことに対しては、粘り強い。努力を継続できる。>子だということだ。また、<知的で好奇心が旺盛>であることだ。
この<粘り強い、努力を継続できる>というのは、日頃のエレクトーンの練習では逆の姿をよく見ていたので、逆の評価をしがちであった。しかし、マラソン大会に向けた練習、今はまっている鉄棒にしても、好きなこと・やると決めたことに対しては、本当に粘り強いと気づいた。日記を書き始めた5月12日以来、毎日書いていたとは気づかなかった。これは大きな収穫であった。
また、アキコの場合、努力を継続・集中できる適切な対象を見つけてあげることが、今後の子育てのキーポイントだと考えた。
3 躾けられた子はやっぱりかわいい
子供の良さとして、「ありがとう」と言ったなど、躾に関することも多い。アキコの能力の高さ以上に、評価されているのである。能力については、ある程度は仕事ができることが前提だろうが、案外これは、大人社会でもそうではあるまいか。
以前のブログ記事にも書いたように、「躾けられた子はやっぱりかわいい」し「美しい」(なんと言っても、身が美しいと書いて躾と読む)。
「ありがとう」と言える子を育てるだけでも、粘り強い親の躾が必要だが、躾の責任は親にあるのだから、躾美人に育てたいものだ。
アキコは、躾がある程度は身に付いており、本当によかった。
4 ふれあう中で感じた良さ
これが一番多い。
アキコは、よく私の膝の上に乗ってくるのだが、煩わしいこともあった。仕事の途中、食事中だと邪魔になるのである。しかし、よく自分の気持ちを聴いてみると、「それが心地よく、喜んでいる自分がいる」ことに気づいた。
「こうして自分の膝の上に喜んで乗ってきてくれるのはうれしいな。有り難いな。大人になったらできないな。」と思ったのである。そしたら、乗ってくることを全身で心地よく受け止められるようになった。
あと、遊びに誘ってくれる、遊んであげると喜ぶことも、一人でゆっくりと休めない・仕事に取りかかれないで煩わしいこともあるのだが、よく自分の気持ちを聴いてみると、「それが心地よく、喜んでいる自分がいる」ことに気づいた。一緒に遊んでいて、私の方も(こそ)癒やされているのである。
「お父さん遊ぼう」「お父さん大好き!」と言ってくれるわが子がいるということ。
遊んであげると、とても喜ぶわが子がいるということ。
このことに、(煩わしいと感じることがあっても、より深いところでは)自分はとっても癒やされていることに改めて気づいたこと。
このことが最大の収穫かもしれない。